「つ、遂に出来たわ!」
雷が響くクラブ棟写真部。蔦子が一枚の写真を手に歓喜にうち震えている。
「さすがですわ。蔦子さん。蔦薔薇(ロサ・ランティユ)の名も伊達ではありませんね。」
隣にいる黒衣の桂が左右非対象の笑みを浮かべる。
「いえ、貴方の助けがあったから撮れたのよ、桂さん。」
同じく笑みを浮かべ、桂に微笑みかける。
レンズが怪しく輝く。
「ふ・ふ・ふ、これさえあれば……」
「そうですわね。ふふふふふふ……。」
二人の不気味な笑い声が部屋に響きわたる。
この時、蔦子が撮った「リサールウエポン祐巳」を超える写真が、後に起こるとんでもない騒動の原因とは誰も思っていなかったのである。