【No:1948】の続き?
【No:1875】の裏話
「いいえ、何も。」
沈黙
「はい、オッケーです。」
しばらくして麻美ちゃんが控え室に入ってくると
「「志摩子さんおつかれ〜!」」
いきなり役名で呼ばれて驚いていた。
「え?あ、佳奈さん、利奈さん、お疲れ様。」
麻美ちゃんが挨拶を返すと、返された2人は揃って人差し指を立てて振った。
「「チッチッチッ。」」
よくわかっていないだろう麻美ちゃんを他所に
「私のことは祐巳さん。」
手で、利奈ちゃんを示す。
「私は蔦子さん。」
2人とも、化粧で隠しているけど目の周りがはれぼったい。
「「OK?」」
「オ、オッケー。」
強引ともいえるやり取りの結果、麻美ちゃんも役名で呼ぶことが決まったらしい。
少し離れたところにいた私のところに麻美ちゃんは歩み寄ってきた。
「えーと、桂さん?」
確認するような物言いに苦笑する。
「まるで少し前の私を見ているようだったわ。」
「え?じゃあ、則子さんも?」
「そ、麻美ちゃんが最後。」
肩をすくめて言うと
「最後?」
「スタッフさんも呼んでるから。」
そう言って麻美ちゃんの後ろを示すと
「祐巳ちゃん、来週16時入りね。」
「はーい。」
というやりとり。
「ね?」
「何で急に?」
「収録の前に急に佳奈ちゃんが言い出したら、利奈ちゃんも面白いって。スタッフさんも巻き込んで決定。ちなみに罰もあり。」
「罰?」
ちょっと怯えながらの声を浴びながら、中央にあるテーブルの上を示した。
その上には、箱がおいてある。
100円ショップに置いてあるような安っぽい箱。
「役名を忘れると500円、次回のお菓子代に回されます。」
「うわ、どうしよう。」
「ま、がんばりましょう。」
苦笑いを浮かべながら、励ました。
ちなみに、佳奈は、前日、前々日と夜通し麻雀をしていたこと
利奈は、愛猫ハイネの風邪が治る昨日まで睡眠時間を削って看病していたことを追記しておく。
「・・・とりあえず、恵美さんにメールしとこ。」
意外と黒いな、麻美ちゃん。
多分、いや、絶対乗ってくるだろうけど。
そして、私も止めないけど。
意外と楽しいんです。笑(オキ)
短編?(ハル)