「お姉さま…。これを…」
「祐…巳?」
「我慢できないんです!こんな関係はもう…」
「私にはあなたのような人が必要だった。でも…」
「可南子ちゃん?何を言いたいの?」
「祐巳さまには分かるはずがありません!私はちゃんと…」
「令ちゃん。私はきちんとしたお姉さまになれるのかな?」
「それは由乃の努力しだいで…としか」
「それは分かってるの!でも…」
「こら〜!瞳子〜待ちなさいよ〜」
「それで待つ人なんて祐巳さましかいませんよ。お姉さま」
「あんたはそれでも私の妹か〜!本当に…」
「お姉さま。私にとって大切な人なんて本当に見つかるんでしょうか?」
「志摩子にとって大切な人ってどんな人なの?」
「自分でも分かることと分からないことがあります。ですけど…」
「乃梨子。こんな所で何してるの?」
「いや。そろそろ冬だな〜って空を見上げてただけだけど。」
「そうね。冬が近づいてきて…」
「祐巳ちゃんも由乃ちゃんもなかなか妹を作りそうにないわね」
「一人だけ孫がいるからって余裕の表情?ちょっとイラついてきますけど」
「でも言ってることは正しいと思うよ。言い方が…」
「祐巳さんも妹ができて、いよいよ妹がいないのは私だけになっちゃったな〜」
「由乃さんにもれっきとした妹候補はいるんでしょ?」
「祐巳さん。あんまり強く言うのもどうかと…」
「可南子…。あんまり思いつめないほうがいいよ?」
「そうですわ。妙に湿っぽい可南子さんが逆に目立ってしまいますわ。」
「言ってなさいよ。私にはもっと大事な…」