『がちゃSレイニー 行くべき道』篇
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〜 最初から読まれる方 〜
・ 『筋書きのない人生の変わり目 【No:132】』が第一話です。
くま一号さんの纏めページ。
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確認掲示板をご参照ください。
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『昼休みに 【No:1877】』の続きです。
〆 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ・ 理由(わけ) + あい->
| ・ ?->
| > ・ 白薔薇さま->
| ・ ?->
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「ねえ、瞳子。このロザリオを受け取る前に、姉として、最後に質問させてもらえるかしら」
「え? はい」
「先日、あなたカナダに行くって言っていたようだけど、それは、どうするの?」
その言葉で、穏やかになりかけていた雰囲気はまたも緊張したものに変わった。
私のカナダの問題。それは、祐巳さまと話をしたときも先送りした問題だった。
でも、今の私の気持ちは決まっていた。あの日の夜。祐巳さまは泣きながら、言ってくれた。
今日の1時間目の休み時間。小さい声だったけど、私には確かに届いた。
だから、私の気持ちは決まっていた。
私は、ちらりと祐巳さまの方を見ると、半分泣きそうな顔をしていた祐巳さまは私と目が合うと、そっと、手を伸ばし、制服の裾をつまんだ。
「………いっちゃやだ」
祐巳さまといえば、おめでたく、いつもにこにこしているような。そんな印象があった。
こんな祐巳さまの不安げで寂しそうな顔は、あの時以来。
あの紅薔薇さまとすれ違ったあの雨の日だけ。そんな表情を祐巳さまはしていた。
「………祐巳さま」
だから、私は思わずつぶやいた。
そしてすぐに胸が熱く痛くなる。
あの雨の日の紅薔薇さまに向けていた表情を、祐巳さまが、私に向けていることに。
それは、祐巳さまが私のことを紅薔薇さまと同じくらい大切に、特別に思ってくれているということだから。
そして、あの雨の日と、同じくらい祐巳さまにつらい想いをさせているということだから。
そんな祐巳さまの表情を知って知らずか、白薔薇さまは、何もなかったように話を続ける。
「お姉さまとしては、妹の夢を現実にするための旅立ちということで、快く見送ってあげるのが正しいあり方なのではないかと思うけど、祐巳さんはどう思う?」
「そう、なんだけど、そうなんだろうけど………」
祐巳さまは、そう言ってうつむいてしまう。
もういいです。そう言った意味を込めて、制服をつまんでいる手を取りそっと握った。
祐巳さまは、うつむいたまま、その手を握り返した。そしてそのまま、言葉を一つ一つ選びながら言葉を紡ぐ。
「本当は、そうなんだろうね。ちゃんとしたお姉さまなら、夢のために進んでいく、妹を引き留めちゃいけないのかもしれない。ううん。引き留めちゃ行けないんだとおもう」
そう言いながら、祐巳さまはさらにぎゅっと私の手を握りしめる。
そして、祐巳さまは顔あげて私の方をじっと見つめた。
「でも、瞳子ちゃんがいなくなっちゃったら寂しいよ。私は妹になった瞳子ちゃんを笑って送り出せるほど大人じゃないよ。だから……」
祐巳さまは、そう言ったあと、さらにぎゅっと握った。それは、あまりに、強く握りしめていて、正直手を痛いくらいだった。
それは祐巳さまは私のことをそれほどまでに離したくない。それほどまでに必要としてくれてくれる。私にはその痛みがそんな風に感じられた。
そして何かを決心したように。顔をあげる。
次の瞬間、ぎゅっと握られた手が、ゆっくりと離される。
「だから………いっちゃやだ。私には、瞳子が必要だから。私は瞳子に妹になって欲しいの。そして、私のそばにいて欲しいの」
祐巳さまは、そう、しっかりと私の目を見ていった。
「そう。祐巳さんはそう思っているのね 瞳子はどう思っているの? 祐巳さんと姉妹になって、それでもカナダに行くの? それとも、行くのをやめるの?」
みんなの視線が私に集中する。
私は………。
〆 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ・ 祐巳さまの方をちらりと見た。->【No:2204】
| ・ 乃梨子さんの方をちらりと見た。->【No:2272】
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