ここは、薔薇の館

「ねえ、志摩子さん、風太くんって居るじゃない？」
「風太くん？　ごめんなさい由乃さん、誰かしらその方？」
「ほら最近テレビで話題のあの、直立するレッサーパンダ」
「ああ、あのレッサーパンダ、可愛いわね、それが何か？」
「あの子を見てると、どうにもある人物が浮んでくるのよ。」
「誰かしら？」
「分からない？」
「ええ、」
「じゃあ、　直立している風太くんの頭にツインテールの髪の毛が付いている姿を想像して頂戴。」
「風太くんの頭にツインテール・・・　あ！！」
「ね？　分かったでしょう？」
「ええ、すごく。」

丁度そのとき、「ごきげんよ〜」と祐巳さんが扉をあけて入ってきた。
その姿を見た２人は、同時に「「　風太くんだ！！　」」
そして、

ふふ、あは、あはははははははは、風太くん、風太くん、あははははは、とお腹を抱えながら、涙を流しながら笑っている。

祐巳の後に入ってきた祥子様は一言　「志摩子と由乃ちゃんが壊れた」

その後２人は５分は大笑いしていた「風太くん、かわいい、風太くん！！」あは、あはははは、

その脇で、祐巳は何が起こったのか全然わからず、ただ呆然と立ち尽くしていたのであった。
　　　風太くん　ってだれ？と思いつつ。