「紅薔薇さまなら、図書館にいらっしゃると思うわ」
「ありがとう。行きましょう、日出実」
「図書館でインタビューなんて、お叱りを受けるのではありませんか?」
「そうね。その配慮は大事よ、日出実。でも紅薔薇さまなら大丈夫なのよ」
「そうなんですか。意外ですけど…」
「着いたわ、それは後でね」
「お姉さま、紅薔薇さまの読まれてたご本ですが…」
「残念だけど見れなかったわね」
「作者はスターリング・ノースでした」
「よくやったわ。後で書名もチェックしておいてね」
「はい、お姉さま。ところで、先ほどのは手話ですか」
「ええ、紅薔薇さまはたしなみで身に付けられてるのよ。もう何度か使わせていただいてるわ」
「なるほど」
「いろんなところで役に立つから日出実も勉強しておきなさい」
「はい」
一番役立ったのが各地で遭遇した蔦子さんとの会話だったというのは………別に言わなくてもいいわよね。