※タイトルには名前が入ってますが、祐麒は出てきません(笑
私立リリアン女学園。
武蔵野の豊かな緑に育まれ、いっそ時代遅れとも言える程の良質なお嬢様を輩出するこの学園。
だが、いくらお嬢さまとはいえ、そこはお年頃の娘さん達。やはり色々なことに興味が湧くのは抑えられない訳で。
その興味の矛先は、時にファッションだったり。あるいは美味しいお菓子だったり。
そして、時にその興味の対象は、おなじくお年頃の男性に向いたりもする訳で・・・
学園祭を間近に控えた頃、被服室でとりかえばや物語の練習に余念の無い祐巳達に負けず劣らず、お隣の準備室でも「チーム衣装部」の面々が、衣装や小物の仕上げに全力で挑んでいた。
「 薬師寺さんの衣装は? 上着の丈が短くて見た目のバランスが悪かったわよね? 」
「 なんとかバランス良く見えるようにでっち上げました! 」
手芸部の部長は、作業の進行状況を確認するのに大忙しだったが、優秀な手芸部員達は、部長の予想以上のペースで仕事を進めてくれているらしく、頼もしい言葉が返ってくる。
「 そう。あ、そう言えば、高田さんがまた衣装がきついとか言ってなかったかしら? 」
「 そうなんですよ・・・ 本人はいたって無邪気に『また筋肉が太くなった』とか喜んでましたけど、せめて学園祭までは筋力トレーニングを控えていただけると嬉しいですわ 」
「 まったく・・・ これだから脳みそまで筋肉な男は・・・ 」
「 部長、言いすぎ言いすぎ 」
突っ込んで笑いながらも、部長の言葉を否定はしない手芸部員達。どうやら、余計な仕事を増やしてくれる人間だということで意見は一致しているらしい。
こうやって会話をしながらも、手芸部員達の手は止まらない。むしろ、会話をすることで適度にガス抜きがなされ、作業は良いペースで進んでいると言えた。
部長もしばらくは、そんな手芸部員達を満足そうに見つめていたが、不意に近くにいた手芸部員に声をかけた。
何故か声を潜めて。
「 ・・・今日は“姫君”には何か? 」
ここで部長の言う“姫君”とは、とりかえばや物語で姫君を演じる祐麒のことである。
「 先程、上着の衣装合わせの時に、正面から抱きつくようにメジャーで胸囲を計ってみました 」
部長の不意の問い掛けに、声をかけられた手芸部員も同じように声を潜めて答える。
「 そう 」
互いにニヤリと笑いあう二人。
「 ・・・で、どんな反応だったの? 」
部長は、興味津々といった表情で続きをうながすと、準備室は突然静寂に包まれる。
いつの間にか、準備室の全員が、二人の会話に耳をそばだてていたからだ。
「 ふふふ。表向き無表情を装っていらっしゃいましたけど、お顔が赤くなってましたわ 」
嬉しそうな部員の言葉に、部長も「 相変わらず純情な反応ですこと 」と、その笑みを濃くする。
「 それと・・・ 」
「 それと? 」
とっておきのイタズラを披露する子供のような微笑みで、手芸部員は続ける。
「 “姫君”にメジャーを巻いた時、思い切ってキュっと抱きしめてみたんですけど・・・ 」
「 まあ、破廉恥な 」
手芸部員の言葉を聞いた部長はそう言ったが、声の調子は決して批難しているようなニュアンスではなく、むしろ嬉しそうに聞こえた。
「 で? 」
「 心臓の音がすごく高鳴っているのが聞こえましたわ 」
「 まあ! 正直な心臓ね! 」
コロコロと笑いあう二人。
もしこの場に祐麒がいたら、自分の反応を楽しむ二人の小悪魔の様子に恐怖したであろう。
だが、現実というものは時に想像以上に厳しいもので・・・
「 でも、この間の部長のアレを越える反応はまだありませんわね 」
カツラを直していた部員がふと呟けば・・・
「 ああ、“姫君”のメイクの時に、メイクアップ役の部長が思いっきり至近距離まで顔を近づけたアレ? 」
烏帽子の形を整えていた部員がそれに応じて・・・
「 あの時の部長と“姫君”のお顔の距離、30cmも無かったですからねぇ 」
上着の襟に糸を通していた部員も、クスクスと思い出し笑いをする。
「 あの時の“姫君”ったら、お顔が真っ赤なのはもちろん、どこを見ていれば良いのか解からなくて、視線が泳いでましたもの! 」
「 メイクの最中だから動けなくて、どこにも逃げ場がなかったものね 」
「 また“姫君”が座っていて、部長が立っていたものだから・・・ 」
「 きっと前かがみな部長の胸元に目を行かせないように必死だったのでしょうねぇ・・・ “姫君”は 」
「 セーラーカラーの奥から、乙女の秘密が見え隠れ? 」
「 ずいぶんと艶かしい秘密ですこと 」
袴の裾を縫いながら、当時の様子を囁きあう部員達に、部長はフッと余裕の微笑みで一言。
「 見えそうで見えないというバランスがコツよ 」
そんな余裕綽々な部長の言葉に、あちこちからクスクスと笑い声が漏れだす。
良く見れば、準備室にいる全員が祐麒の恥ずかしがっていた様子を思い出して笑っていた。
どうやら恐ろしいことに、チーム衣装部の全員が、そんな“祐麒いじめ”を楽しんでいるらしい。
もし、この場に祐麒がいれば、きっと彼の将来において、「女性は恐ろしい生き物」という認識が、心の奥底まで刻みこまれていたことであろう。
「 ・・・みなさん、解かってらっしゃいませんわ 」
突然聞こえてきたそんな言葉に、部員達のさざめくような笑い声がピタリと止まる。
声の主は、部屋の片隅で何かの布を裁断していた眼鏡の手芸部員だった。
「 確かに部長のアレも大技でしたけど、副部長の“放置プレイ”こそが、より高度な技だと思いますわ 」
眼鏡の位置を直しながらそう断言するが、それを聞いた手芸部員達の顔には疑問符が浮かんだ。
その時、眼鏡の部員の隣りで一緒に裁断をしていた別の部員が何かを思い出したらしく、眼鏡の部員に問いかける。
「 “放置プレイ”って・・・ もしかして準備室で“姫君”を脱がせたっていう噂のアレ? 」
その一言に、部長が不満そうな顔になる。
「 何?それ。私は聞いてないわよ、そんな面白そうなこと 」
部長以外にも、何のことだか解からないといった顔の部員達が、いっせいに準備室の扉の前にいた生徒・・・ 副部長のほうを見る。
「 説明してくれるかしら? 」
部長にそううながされ、副部長は嬉しそうな顔をしながら語り出した。
「 あれは“姫君”の衣装を仕上げていた時のことです。 この準備室で出来上がった衣装を試着してもらったんですけど、少し手直しが必要なところがありまして・・・ 」
「 それで? 」
「 それで・・・ 『 今、直してしまいますから、脱いで下さい 』と 」
『 まあ! 』
その当時、部長を含めて準備室にいなかった全員が、そろって驚きの声を上げながら、ほのかに顔を赤らめる。
「 さすがに最初は“姫君”も嫌がってましたけど、私が『仕事が進みませんから早く脱いで下さい』という感じの真面目な顔で見つめていたら、渋々脱ぎ始めてくれましたわ 」
「 ぬ、脱ぐって具体的にどの辺まで? 」
思わず声の上ずった部長の言葉に、副部長はさらりと「全部」と答えた。
『 全部?! 』
またも声をそろえて驚く部長以下手芸部一同。
「 ぜ、全部ってまさか・・・ 」
「 トランクスだけの姿にしました 」
部員達は、その副部長の言葉に益々顔を赤らめたが、部長だけは何を期待していたのか、小声でボソっと「 ・・・なんだつまらない 」と冷めた一言。
「 そ、それで“姫君”は? 」
部長だけは何やら一気にテンションが落ちたらしいが、他の部員達は、勢い込んで副部長に続きをせがむ。
「 その時、準備室には私を含めて4人いたのだけど・・・ 全員が私の意向を察してくれてね。トランクス姿でもじもじしている“姫君”をほったらかしにして、普通に衣装を直し始めたの 」
「 ま、まさに放置プレイ・・・ 」
ゴクリと唾を飲み込む部員達の中から、かろうじてそんな畏怖に近い言葉が上がる。
「 その時の“姫君”の恥ずかしそうな顔といったら・・・ 『なんで自分はこんな所でパンツ一丁なんだろう? でも、この人達は平気そうだし、もしかして自分だけが気にしすぎてるのかなぁ・・・ 』なんて考えてるのが手に取るように解かりましたわ。それと、無意味にトランクスの前で組んだ指がソワソワと落ち着き無く動いていたのが印象深かったわ・・・ 」
うっとりと呟く副部長の言葉に、聞き入っていた部員達もホゥとため息をつく。
「 それは・・・ 確かにすごい大技かも 」
「 その場にいなかったのが悔やまれますわ 」
我に返った部員達から、次々とそんな賞賛の言葉が上げられる。
だが、部員達の賞賛の嵐の中、一人だけ不満の声を上げる人物がいた。
「 ・・・納得いかないわ 」
「 部長? 」
眉間にシワを寄せ、一人不満をあらわにする部長。
「 私のいない時に、そんなことをしていたなんて・・・ 」
部長の不満そうな顔を見ていた副部長の脳裏に、ある可能性が思い浮かんだ。
「 もしかして部長、“姫君”・・・ いえ、祐麒さんのことがお好きなの? 」
好きな子をいじめて良いのは自分だけ。もしかして部長は、そんな小学生のような独占欲を祐麒に対して抱いているのかも? 手芸部員達の顔に、さっきまでの「祐麒いじめの結果報告」とは別の意味での期待感が現れる。
お年頃の娘さん達にとっては、他人の恋愛話も大好物なのだ。
だが、そんな期待感いっぱいの部員達を裏切るように、部長はきっぱりと「否」と答えた。
部員達は、そろってガッカリした顔になったが、部長はそんな部員達に向けて尚もきっぱりとこう言い放つ。
「 私はね、『姫君が好き』なんじゃなくて、『姫君がどうしていいのか解からない状況に追い込まれてモジモジしている姿が好き』なのよ! “姫君”を精神的に追い込むためならば、私はどんな手間でも惜しまないわ!! 」
自分の嗜好をぶっちゃけた部長の断言に、手芸部一同もさすがに無言になった。
しばらくは準備室になんとも言えない空気が漂っていたが、やがて部員たちから呆れたような声が上がり始める。
「 部長・・・ Sですね 」
「 それも、ドS 」
「 Sにも程があると思います 」
「 お願いですから、部員にそういった歪んだ愛情を向けないで下さいね 」
「 将来、部長に愛されてしまう不幸な人に同情を禁じえませんわ 」
「 いっそ世の中のために、人ではなくワンちゃん辺りにでも愛情をそそぐことをお薦めしますわ 」
頼むからそのイビツな愛を人に向けてくれるな。部員達は本気でそう言っているようである。
さんざんな言われようだったが、部長はフッと哂うと更に一言。
「 解かってないわね・・・ “姫君”に向ける私の情熱。コレは言わば『趣味』よ。『趣味』と『恋愛』は別物よ! 勝手に人の愛を歪んだものだなんて決めつけないで欲しいわね! 」
・・・つまり、「 別に恋愛の対象にはならないけど、いじめて遊ぶのは大好き 」ということらしい。ヒドい言い草である。
はたして、この場に祐麒がおらず、真実を知らないのは、彼にとって幸せなのか不幸なのか・・・
部長のぶっちゃけ発言に、部員達は当然のごとく呆れ顔だったが、部長はそれがお気に召さなかったらしく、全員向かって声を荒げる。
「 何よ! 私だけ悪者みたいに言って! だいたいそう言うあなた達だって“姫君”の反応をさんざん楽しんできたじゃないの! 」
そう、今までの手芸部員達の会話から察するに、なんだかんだ言っても、祐麒いじめを手芸部員一同で楽しんできたのは事実であろう。
「 それとも、可哀そうだからもうこんなことはやめるとでも言うの?! 」
部長の問い掛けに、部員達はお互いに顔を見合わせていたが、やがてポツリポツリと答えを返し始める。
「 いえ、それはそれで楽しいですし 」
「 あんな素直な反応をしてくれるのも“姫君”だけですし・・・ 」
「 別にやめるとまでは・・・ 」
「 むしろもっといじめたい。みたいな? 」
やはりこの部長の元に集いし部員達。自然と嗜好も似てくるものらしい。
誰一人として「もうやめましょう」という部員はいなかった。
・・・祐麒にとってみれば、たまったものでは無いけれど。
部長は部員達の反応に満足したらしく、笑顔で「 よろしい 」とうなずく。
「 それでは、引き続き“姫君”には我々のお楽しみのために犠牲になってもらうということで 」
部長のあからさますぎる“祐麒いじめ”宣言。しかし、部員達は誰一人反論するでもなく、笑顔で「 はい部長 」と答えた。
この恐ろしい魔女達の宴の中で、祐麒が無事生き残ることを願わずにはいられない光景であった。
だがその時、そんな魔女達の巣食う部屋に、まるで推理小説の探偵のように「 話は全て聞かせてもらったわ 」などと言いながら侵入してきた者がいた。
「 みなさん、良いご趣味をしていらっしゃること 」
侵入者は、そんな皮肉を込めた言葉とともに準備室へ一歩足を踏み入れてきた。
自分達の秘密のお楽しみを知られたと思い、手芸部員達の笑顔がいっせいに引きつる。
が、しかし・・・
「 面白そうだから、私も混ぜてもらえるかしら? 」
扉の影から姿を見せた侵入者は、笑顔でそう話しかけてきた。
「 ・・・・・・黄薔薇の蕾。おどかさないでちょうだい 」
侵入者・・・ 由乃の言葉に、ほっとした顔で答える部長。二人のやりとりに、手芸部一同も緊張を解く。
「 だって、副部長さんが私の知らないところで面白そうなことをしてるんだもの 」
不満そうな由乃の言葉に、部長は「 アレは私も知らなかったのよ 」と答える。
「 ごめんなさいね。あのタイミングでは、他の誰かを準備室に迎え入れるスキがなかったのよ 」
軽く由乃と部長に詫びる副部長に、由乃は「 まあ仕方ないわね 」と返す。どうやらそれほど根に持ってはいないようだ。
「 でも、何か面白そうなことをする時は呼んでちょうだいね。私も仲間なんだから 」
「 ええ、解かっているわ。何せ、山百合会唯一の協力者ですもの 」
「 そうよ、私が上手くフォローしてこその“お楽しみ”なんだからね 」
彼女達のセリフを聞くに、どうやら由乃も魔女達の一員のようである。
由乃が手芸部とグル。それは、もしも祐麒が手芸部員達の“祐麒いじめ”な行動を不審に思ったとしても、その相談先が山百合会・・・ それも由乃だった場合、そこですべて握り潰されることを意味する。
彼の知らぬところで、魔女達は“姫君”包囲の輪を確実に縮めつつあるようだ。もはや祐麒の未来に合掌するしかない現実である。
「 ところで、副部長さんのアレ以外に、最近何か面白いことあった? 」
「 由乃さん、私達の話しをどこから聞いていたの? 」
「 採寸の時に、正面からキュっと抱きしめてみたって辺りから 」
「 じゃあ、他には無いわ 」
「 そっか 」
部長の言葉に軽く落胆するだけで、手芸部員が抱きついた事実は特に気にしないあたり、どうやら由乃の祐麒に対するスタンスも、部長と同じく『恋愛対象ではないけれどイジる対称』であるらしい。
まあ、ヘタにこんな歪んだ愛情を全力で自分に向けられるよりはマシかも知れないけれど。
「 ところで部長さん、ちょっと衣装の直しをお願いしたいんだけど 」
「 あら、どこか問題でも? 」
由乃の言葉に、急に職人の顔に戻る部長。だが、由乃は別に衣装に不満がある訳では無かった。
「 いや、私の衣装じゃなくてね・・・ 」
「 ? 」
顔に疑問符の浮かぶ部長に、由乃は状況を説明する。
「 さっき、稽古の最中に、私が“姫君”の衣装の裾を踏んじゃって、二人して転んで床に這いつくばることになっちゃってね 」
「 ああ、それじゃ“姫君”の裾を短く・・・ 」
「 いいえ、逆よ逆 」
「 はい? 」
「 二人して転んじゃうっていうことは、私が上手く立ち回れば、“宰相”が“姫君”に覆いかぶさって転ぶことができるという訳で・・・ 」
「 ・・・・・・ああ、なるほどね 」
どうやら部長も由乃の言わんとすることろに気付いたらしい。
由乃のたくらみ。それは、舞台上で祐麒が女の子に覆いかぶされるという、言わば“公開羞恥プレイ”だった。
舞台という逃げ場の無い状況。大勢の観客という目撃者。そんな状況で、自分の上には綺麗どころの女の子が覆いかぶさっている。しかも密着状態で。
由乃のたくらみを正確に理解した部長の顔に、禍々しい微笑みが浮かび始める。
「 うふふふふふ・・・ そうね、裾を長くすると、姫君のシルエットが綺麗に見えるかもね 」
部長はさっそく都合の良い理論武装を開始。
「 歩く時に違和感を感じないように、後ろ側だけ伸ばしましょうか 」
さらに副部長が悪魔のような入れ知恵。
ここまでくると、他の部員達も由乃のたくらみに気づいたらしく、全員の顔に、何かを期待する笑みが浮かび始める。
「 そうね、それじゃあ・・・ 」
何やら少し考えた後、部長は嬉しそうにこう宣言した。
「 衣装を直すから、姫君をここへ呼んでもらえるかしら? 黄薔薇の蕾 」
「 え? 今からここへ? ・・・・・・・・・・・・あ 」
部長の言葉の意味に、由乃を含めた全員が気づく。
「 姫君の衣装を直すのね? 」
「 そうよ、黄薔薇の蕾。もちろん、舞台も近いことだから、大急ぎでね? 」
「 フフフ。そうね、大急ぎで直さないとね 」
宴の始まる予感に、魔女達は笑いあう。
準備室での衣装直し。それは、副部長が行なった“姫君”の放置プレイの再現を意味していた。しかも、今度は手芸部+1名という大勢の視線の中で。
仮に祐麒が抵抗しようとしても、「 舞台が近いから急いで直さないと」という大義名分をかかげられては、祐麒に「早く脱いで下さい」という要求を断る術はないであろう。
しかも、彼女達にしてみれば、放置プレイを堪能した挙句、公開羞恥プレイの仕込みまでできるのだ。
「 さあ、大仕事にかかるわよ! 」
『 はい、部長! 』
魔女達は、イヤなハイテンションで、ここぞとばかりに見事な団結力を発揮しようとしていた。
リリアンの片隅で、今日も密やかに、魔女達のサヴァトが始まる。