今年、このときを狙っていた。
それは薔薇の館一階のさらに下、床下に陣取った軍団。
ネズミ連邦軍。
「ちゅ〜」
「チュウチュウチュゥゥゥ!!!!」
高らかに土台の石の上に立ち宣言をするのは赤い大ネズミ。
通称、赤い落花生。
その速さ、他のネズミの三倍で餌を見つけるという。
その赤い落花生は、その下に並ぶネズミたちに拳を振り上げ演説を繰り返していた。
「チュウ、チュウチュウウチュウウウウウゥゥゥ!!!」
とってもこれでは意味不明なので訳すると、まぁ、その、あの、そうそう!!今年こそこの薔薇の館を占領するぞと言っている。
ネズミによる薔薇の館支配を目論んでいるのだ。
だが、赤い落花生は知っていた。
最大の敵が、薔薇の館の屋根裏に潜むことを!!
その薔薇の館の二階、天井裏。
怪しく光る光がいくつも闇の中に浮かんでいる。
その中央にゆっくりと立ち上がる白い影。
「ニャァァァ!!!」
二つの目を光らせ、小さく嘶く白い猫。
通称、白いアタマ。
この一帯を占めるボス。
あのゴロンタの子供だ。
白いアタマが立ち上がると、その周囲にいた猫たちも立ち上がる。
「ニャァ!!」
来る!!……と言った。
その言葉に、白いアタマを中心とする。猫連合はゆっくりと動き出す。
そして、ここに猫連合VSネズミ連邦の薔薇の館争奪戦争が始まろうとしていた。
ちなみに祐巳たち薔薇の館の住人達は、ゆっくりとお茶を飲んでいる。
「何だか五月蝿くない?」
「そうですね」
祐巳たちに気づかれないように、猫連合とネズミ連邦のと戦いは激しさを増す。
「チュウ!!チュウチュウ!!!」
壁南側に陣営を配置!!
「チュウゥゥゥ!!!」
壁東側突破されました!!
「ニャァァ!!!」
このまま床下に食らいつく!!
猫連合は、壁の隙間を通り床下への侵入を開始した。
一方のネズミ連邦は、一時期、二階床下に陣を張ったものの東側の侵入を許したことから後退を余儀なくされていた。
「チュウ!!」
私が出ると赤い落花生は立ち上がる。
「ニャァ!!」
ヤツが来ると白いアタマは叫んだ。
赤い落花生は、猫とそう違わない体格を使い、進入を開始した先行の猫部隊を蹴散らし、猫連合を押し返そうとしている。
そこに現れるのは、赤い落花生を感知してやってきた白いアタマだった。
「チュウ」
来たか。
「ニャ」
どうして平和を乱す。
「チュチュウ」
床板に追いやられた者たちの苦しみが、お前達に分かるのか?
「ニャァ」
バカな、だからこそのテリトリーだろう。
「チュウ」
所詮、猫とネズミ、分かり合えないよ。
「「チュウ、ニャァ」」
いくぞ!!
「本当に五月蝿いですわね、お姉さま」
「仕方ないわね、この戦い、武力を持って平和的介入を開始します」
立ち上がった祐巳に、従うように立ち上がる薔薇の館の住人達。
そして、戦いは混迷をさらに深めていくのであった。
ガ!!ネタです。
あははははっはは!!!!!
笑って逃げます。
まぁ、子年ってことで許してくれれば幸いです。
クゥ〜