由乃「ねぇねぇ祐巳さん。
祐巳さんって静さまに騙されたんだよね。」
祐巳「うん、まあ、お恥ずかしながら。
ロサ・かニーナを黒薔薇だって、本当はピンク色の薔薇なのに。
でもなんで今頃?」
由乃「いやね、さっきなんとなく図書館に行って、なんとなく園芸植物の図鑑を見てたらね。」
祐巳「由乃さんが植物図鑑?
明日は日本刀が降ってくるんじゃないの?
どうしよう鉄製の傘持ってないよ。」
由乃「どういう意味よ。それと話しは最後まで聞きなさい。
でね、図鑑を見たらロサ・カニーナが無くて、ロサ・カニナがあったのよ。
つまり、私たち当時の在校生皆、騙されたのよ。」
祐巳「ええ〜〜〜!!!見間違いとかじゃなくて?何度も見直したわよ。」
その時、ビスケット扉の向こうから
乃梨子「志摩子さんは入らないの?」
乃梨子ちゃんが、そう言って扉を開けた。
扉の前には志摩子さんがすごい笑顔で立っていた。
志摩子「乃梨子、3・4日私用で学校休むけどその間よろしくね。」
乃梨子「う、うん」
志摩子「うふふふふふふふ・・・」
そう言って志摩子さんは帰っていった。
祐巳「静さま大丈夫かな?」
由乃「生きて帰国できればいいけど。」
その後、静さまの消息を知るものはいない。