【2564】 笑うほどに粘着質な乃梨子のりのり  (ニュクス 2008-03-12 17:16:17)


ある薔薇の日記より


11月22日
今日は剣道部も休みで早めに薔薇の館につく。
皆が来るまで特にすることもなく、持って来ていた料理の本を読んでいたら、乃梨子ちゃんが来た。
スクール水着で。
もう一度書いておく、スクール水着で。
我が目を疑いもするが、残念ながら視力は良いほうなので、見間違いではないらしい。
まあ、罰ゲームか何かか、それとも乃梨子ちゃんがご乱心したで説明がつくだろう。
それから10分程私の前でうろうろしていたが、なんとコメントしてよいかわからず、そのうち他のメンバーが来る前に着替えてしまった。
帰りがけに由乃に、何か聞いてから帰って行った。気のせいかその背中には妙な気力がみなぎっていた気がした。
いったいなんだったのだろう。

11月23日
今日も私が一番乗り。皆がいるときの山百合会も、賑やかで良いが、たまにはこうした静かな時間も悪くないと思う。
思っていたのだが、すぐにそんなこと考えている余裕はなくなった。
今日も二番手は乃梨子ちゃんだった。
今日はスクール水着ではなかった。
普通の制服だ。垢抜けないデザインではあるが、清楚で可憐なイメージのリリアンらしい、見慣れた制服だ。
ただ、乃梨子ちゃんの黒髪と同じ色の猫耳があるのと、制服のスカートに同じ色の長いしっぽがあることを除けば。
よく似合っていたし、乃梨子ちゃんの媚びない性格を考えるとイメージ的にもマッチしていたと思う。
何も言わないのも失礼かと思い、今日は「可愛いね。よく似合ってるけど、どうしたの?」と感想を付けて聞いてみた。
乃梨子ちゃんは少し嬉しそうな顔で「ありがとうございます」と言って質問には答えずに正面の席に座った。
気にはなったが、聞かないほうが良いような気がしたので、乃梨子ちゃんが耳としっぽを外すまでみていることにした。
結局三番手の志摩子が来るまでそのままだったと思う。
今日も、乃梨子ちゃんは帰る前に、由乃に何か聞いていた。
聞いても由乃は、教えてくれなかったけど。

11月24日
今日も一番乗り。今日からテスト期間なので部活は1週間ほど休みになるからだ。
そして今日も乃梨子ちゃんが私の後だった。
今日は熊が来た。
もとい、熊で来た。熊といっても某夢の国にいる黄色い熊のような、ファンシーな熊だ。
顔の部分だけ出た、着ぐるみの様なそれはふわふわのモコモコで、おもわず触らせてもらった。
あまりの手触りのよさに、抱きつかせてもらうと、その可愛らしさと抱き心地になんていうか、その、きゅーってなる。
抱きついたときに、胸やお尻を揉まれたような気がしたが、多分気のせいだろう。
今日は人生のなかで数少ない幸せな日だったと思う。
今日もやっぱり、乃梨子ちゃんは由乃に何か聞いていた。あとお礼も言っていたみたいだ。

                                  続きます。


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