【No:2564】→【No:2566】→【No:2567】→続きです。
さて、ここに事の顛末を記さなければなるまい。
何故なら今まで記録を記してきた当事者達が、ここになって口を閉ざしたからだ。
詳しく言うと、当事者の片方に協力していた前薔薇様からの情報のリークが、ここに来て途絶えてしまったのだ。
問いただしてみたが、そもそもその日以降の日記が存在しないらしい。
本人たちには秘密裏に配布していた記事、「ウサギとニンジン」が当事者に見つかったのかとも思ったが、そうではないらしい。
多分、最後の記事となった日記の夜、余程のことがあったに違いない。
新聞部として、今後も真実を追い求めていこうと思う。
記事 山口 真美
夜も更けて、午後2時を回った。
電気は消していない。令さまの姿がよく見えなくなるから。
ベットに寝そべり、目をつむる令さまが、とてもよく見える。
こんな方法は好きではないけども、もう我慢できない。
だから、拒絶するだけの自由は、与えてあげた。
起きてるんでしょ?令さま。
「………」
そんなに目をつむっても無駄ですよ。
顔、真っ赤ですから。
「………だって、ずっと……」
ですよね。さっきからずっと耳元で言ってましたから。
好きです、愛しています、って。
返事をくれとは言いません。もし嫌なら、その腕で、その身体で私を撥ね退ければ良いんですよ。
「…乃梨子ちゃん……震えてる」
私だって怖いんですよ。もし拒絶されたらと思うと、もうどうしたら良いかわかりません。
だから
「…乃梨子ちゃん」
もし、令さまが受け入れてくれた時は、私、もう我慢なんてできませんから。
「………」
令さま。
あなたの全てを、私にください。
私のすべてを、あなたに捧げます。
さあ、エロいことをしましょう。
「遺伝、なのかねぇ」
「何の事?メリケン娘」
「孫のことだよ。デコポン」
「あの子たちが選んだ道なんだから、遺伝も何もないでしょう」
「そりゃそうだけどね」
「それに、あの子があれで幸せなら、私は何でも構わないし」
「……そうだね」
「さて、そんなことより今は逃げないと」
「まさか二人の日記をリリアンかわら版にリークしていたことが、容子にばれるなんてね」
「次はどこに行きましょうか、メリケン娘」
「南の方にでも、行きますか。デコポン」
二人の道に光あらんことを………………………………………………END