【2595】 瞳子は別に  (通行人A 2008-04-11 07:29:04)


ケロロのクロスです。
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10.訪問者




次の日、お昼休み
祐巳は薔薇の館に瞳子(マリア祭以来呼び捨て)を連れてきた。

祐巳「志摩子さん、瞳子ちゃんはもともと祥子さまの妹になるつもりはなかったの。
   ちょっと悪ふざけが過ぎたというか。・・・その。
   あーでも、志摩子さんとの約束が潰れたりしたのは瞳子ちゃんが原因じゃないし仲良くしてあげて。」

志摩子「わかったわ。
    でも、そういうって事は、祐巳は原因を知ってるの?」

祐巳「まあ・・・ね。
   部外者がどうこう言っていい問題じゃないからね。
   一段落したらたぶん祥子さまから説明があると思うからそれまで待って。」

瞳子「部外者って、だって祐巳さまは――」

瞳子がそこまで言うと祐巳が瞳子の口を手でふさいで、

祐巳「昔の私はそうかもしれないけど、今は部外者よ。
   それとその事に関してはいつか私の口から言うつもりだから、
   それまで誰にも言わないで、ね?」

瞳子「祐巳さま・・・・、
   わかりました。祐巳さまがそうおっしゃるなら。」

祐巳「ありがとう。
   この足音は令さまと由乃さんね。
   話はこの辺にして仕事に戻りましょう。」

私は祐巳の全部を知ってるわけじゃない。
出会ってまだ約4ヶ月しか経ってないし、
でも祐巳のあんなに悲しそうな目は、始めて見た。

由乃「ごきげんようー・・・って松平瞳子?
   何であんたがここにいるのよ。」

瞳子「私は祐巳さまに呼ばれて来たのですわ。」

由乃「祐巳さん、どういうつもり?
   彼女、祥子さまの妹の座を狙っているのよ。」

瞳子「先ほどからなんですの?
   何故私が祥子さまの妹の座を狙わなくてはなりませんの?」

祐巳「その辺にちょっと誤解があるんだよね。
   もともと、瞳子ちゃんは祥子さまの妹になるつもりはなかったんだよ。」

由乃「え〜、だってあんなに祥子さまにベタベタしてたのに?」

瞳子「途中からは家の事情ですわ。
   ただ、最初の方は祐巳さまを差し置いて妹になった志摩子さまがどれほどの者か知りたかったのですわ。」

令「差し置いてって、祥子のロザリオ断ったの祐巳ちゃんでしょ。」

瞳子「そんな事関係ありませんわ。
   私は、私と祐巳さまと祥子さまの3人でスールの関係になるのがずっと夢でしたのに。
   志摩子さまと乃梨子さんのおかげで砕け散ったのですもの。
   ああ、でも安心していいですわ。
   別に乃梨子さんから祐巳さまを盗ったり、それ以上の関係になったりとかは考えてませんわ。」

祐巳「ごめんね、志摩子さん。
   祥子さまが何の説明もしてないとは思わなくて、
   志摩子さんが傷ついてるのに気付くのが遅れて志摩子さんを傷付けて。」

志摩子「その事はもう良いのだけれど、お2人はどういう関係なのかしら?」

祐巳「それは、そのーー」


『高等部2年藤組藤堂志摩子さん、2年松組福沢祐巳さん、至急職員室に来てください。』


何か言いかけた祐巳の言葉を校内放送が遮った
祐巳と志摩子さまについていった。
職員室に着くと前に1度だけ会ったことのある。
前紅薔薇様の水野蓉子さまがいた。

蓉子「ごきげんよう、皆久しぶりね。
   悪いんだけど志摩子と祐巳ちゃん一緒に来てちょうだい。」

祐巳「何処にですか?」

蓉子「祥子の所よ。」

祐巳「申し訳ありませんが、お断りさせていただきます。」

蓉子「祐巳ちゃん事情はわかってるけどお願い。
   私の顔を立てると思って、ね?」

それを聞いて祐巳の雰囲気が変わった。

祐巳「蓉子さまその事何処で?」

蓉子「祐巳ちゃんが祥子のロザリオを断られて落ち込んでるときに無理やり聞き出したのよ。
   まさかその後、聖が妹として連れてくるとは思わなかったけど。」

祐巳「ええ、まさかあんな所で再会するとは思いませんでしたが、
   でもわかりました。ここは蓉子さまの顔を立てていきます。」

蓉子「ありがとう。
   それじゃあさっそく出発しましょう。」

そのまま3人は祥子さまのところに出発した。


次の日には、祥子さまが復帰されたが、
志摩子さまが祐巳にベタベタするのを見て、
また引きこもったのは、別の話だったりする。


って言うか、

乃梨子「志摩子さま祐巳から離れてください。」

志摩子「嫌よ、それよりも乃梨子ちゃん学校内ではちゃんとお姉さまって言いなさい。」

乃梨子「お姉さまも、志摩子さまを剥がしてください。
    あまりベタベタするのを許さないで下さい。」

志摩子「祐巳さんに当たらないで。」

んぐううぅぅぅぅ
私の戦いはまだまだ続きそうだ。



【No:2601】へ続く


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