【2602】 にゃんこさんの言葉もぷといとにゅしかない真っ黄色を着てみて  (ニュクス 2008-04-18 23:22:20)


無茶なクロスオーバーどんと来い!
某弾幕シューティングとのクロスオーバー、第二弾でございます。
【No:2575】→これ

こんにちは、支倉令です。今日も元気に幻想郷にやって来ました。
藍さんのところに遊びにきた、つもりだったんですが…。
私、ピンチです。

「うわ!うわわ!ちょ、待って!」
「そーなのかー!」
追われています。そうとも、追われていますとも。
追いかけてくるのは小学生くらいの女の子。聖様に見せたら「おじょうちゃんパンツ何色?」とか聞きそうな感じのかわいい子。
紫さんのお屋敷に行く途中、何するでもなく立っていたこの女の子に声を掛けた。
すると一言「お い し そ う」の言葉と共に飛びかかられたのだ。
そのおいしそうが聖様的な意味なのか、そうでない意味なのかで随分と危険の度合いが変わってくるが、ともかく私は逃げたしたと言うわけだ。
「な、何で追いかけてくるの?!」
「だってルーミア、ずっと何も食べてなくておなかペコペコなの。だからちょっとだけ食べさせて〜」
「や、それ無理だから!」
無邪気に笑うそれは、すごいスピードで追ってくる。
もう4、5キロは全力で走った気がする。いくらなんでも体力の限界だ。
と、目の端に碧がはしった。
「またあなたなの!こないだこそ霊夢に懲らしめられたばかりでしょう」
見れば碧袴の巫女少女が、ルーミアと名乗った女の子を組み敷いていた。
見る見るうちに縛り上げると、巫女がこちらのほうを向いて……ってあれ?どこかで見たことがあるような…。
「大丈夫でしたか?……え?うそ!令さん?!」
「もしかして早苗ちゃん?」


「驚きました。まさか令さんが幻想郷に来てたなんて…」
「私も驚いたよ。早苗ちゃんこっちに来てたんだ。引っ越したって聞いてたから」
「はい。別れの挨拶もできずにごめんなさいでした。神奈子様がせかすから、慌ててこっちに来ることになったんです」
「まあ、おかしいとは思ったんだけどね。神社ごと引っ越すなんて聞いたこと無いし」
東風谷早苗、1年前まで私の家の近くにあった守矢神社に住んでいた子だ。
よく家の道場に遊びに来てたっけ。
神奈子さんは確か、彼女の保護者だった。
「でも、また会えてうれしいです。変わらず令さんは美しくて凛々しくて素敵で無敵です!」
「あはは、ありがとう。早苗ちゃんは変ったね。前よりも綺麗になったよ」
「や、やだそんな」
照れてる照れてる。昔から私に懐いてくれてたっけ。由乃とは別の意味で可愛い妹みたいだったなぁ。
そういえばもう一人、一緒に遊びに来る子がいたっけ。
「諏訪子ちゃんは?一緒にこっちにきたんでしょう?」
「ええ、神社にいますよ。良ければこれからよっていきせんか?あっと、忘れてた。令さん、この子どうしましょうか」
そうだった。このルーミアって子、早苗ちゃんに聞いたところ幽霊や悪鬼の類だそうだ。
たまにこうして、人間を襲うらしい。
「えっと、ルーミアちゃん?何で人間を襲うのかな?」
「わかんない……」
「聞いても無駄ですよ。この子は理由もなくただ存在しているだけですから」
早苗ちゃんが言う。でもそれなら何とかならないかな…。
「じゃあねルーミアちゃん。お姉さんと約束しない?」
「約束?」
「うん。人間を襲わないでくれたら、お姉さんがいい物あげる。はいこれ」
「何これ?」
「食べてみて」
朝早起きして作ったお菓子だ。藍さんたちに持っていくつもりだったけど、まあ仕方ないか。
「…甘い。美味しい」
「約束を守ってくれたら、私がこっちに来るたびに作って来てあげる。それじゃだめかな?」
「本当に持って来てくれるの?」
「うん」
「………わかった!約束守るの!」
「ありがとう、ルーミアちゃん」
「うん!おねーさん大好き!」
と、思い切り抱きつきてくるルーミアちゃんを、やさしく抱き返してあげる令ちゃんなのでした。

「やっぱり令さんって素敵…。優しくって暖かくって、私の、運命の人……」
そんな令に、熱すぎる視線を送る早苗であった。



次回予告

紅魔館に迷い込んでしまった令。そこで令は運命の出会いを果たす。
そして動き出す幻想郷の聖さまこと、魔法少女 霧雨 魔理沙。
はたして令は、貞操を守り切ることができるのか。

次回 「パット長、降臨」     あまり期待しないように。


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