【2618】 インサイダー  (通行人A 2008-05-13 10:16:03)


宇宙人もみてる


ケロロのクロスです。
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企画SS
【No:2598】
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今回の作品は途中で視点が乃梨子から祐巳に切り替わります。





16.招待状





昨日の晩、西園寺遊人について叩いたことは伏せてお姉さまにメールをした。
残念なことに、あの男の言う通りお姉さまの婚約者らしい。
もっとも、お姉さまは家を出た時点で婚約は解消されたと思っていたらしいけれど。
それと、予定より1日早く来ても大丈夫という知らせが届いた。


今朝、祥子さまたちにそのことを伝えると、
むしろ早く来て欲しいとの事でお姉さまにそう返事をした。


そして今、
私の前に4人(右から京極貴恵子・西園寺ゆかり・綾小路菊代・瞳子)の来訪者が居る。
その内の1人はカナダに行くと言っていた瞳子だった。

乃梨子「瞳子、カナダは?」

瞳子はソッポを向いて、

瞳子「気が変わりましたの。」

ゆかり「あなたが、祐巳お姉さまの妹の二条乃梨子さまでしょうか?」

乃梨子「そうですけど、何か?」

ゆかり「昨日は兄が失礼致しました。」

乃梨子「兄?」

ゆかり「西園寺遊人です。」

乃梨子「あいつの妹さん?」

ゆかり「そうですわ。
    ところで祐巳お姉さまはいらしてないのですか?」

乃梨子「明日には来るって言ってましたが」

ゆかり「そうですか。」

妹の方は兄と違っていい人そう

菊代「そうそう、聞きましたよ。
   乃梨子さま、遊人さまに平手打ちをしたとか」

乃梨子「え、えぇ」

貴恵子「さすがは祐巳お姉さまの妹ですわね。」

乃梨子「え?」

ゆかり「粗暴ではしたない。」

そう言って3人はクスクス笑い出した。
いい人だなんてとんでもないこの人たちは敵だ。

乃梨子「お姉さまは関係ないでしょ!!」

暴れる私を令さまが羽交い絞めにして抑えた。

ゆかり「まあ怖い。
    貴恵子さま、菊代さま叩かれる前に帰りましょう。」

そう言って、3人は早足で帰っていった。

その昼、私たちの元に4枚の招待状が届いた。
宛名は

『小笠原祥子さま』

『藤堂志摩子さま』

『二条乃梨子さま』

そして

『小笠原祐巳さま』

そう書かれていた。





昨日の晩、乃梨子からメールが来た。
2人が出会うことは予想が出来たがまさかこんなにはやく出会うとは思ってなかった。
それと、まさか婚約が解消されてなかったとは・・・
しかし、乃梨子、あの人の事叩いてないよね?
あの人、一度恨むとしつこいからな〜


私は、とばりを玄関まで見送り、部屋でどう動くか考えていた。
そこに、1通のメールが来た。
乃梨子から、
5日の夜に西園寺家で行われるパーティーの招待状が届いて、
その宛名が祥子さま・志摩子さん・乃梨子・私であること、
しかも小笠原の姓で届くとは、挑戦状のつもりかな?
しかも小笠原の姓の事で今由乃さんたちにどういう事か質問されて困っていると書いてあったので、
すべて話していいとメールした。


やるべきことが決まったので、私は小笠原本家に電話をした。


本家に着くと、応接室に案内された。
すでに清子さまは来ていた。

清子「お久しぶりね」

祐巳「まだ、1ヶ月半しかたってませんよ」

清子「充分久しぶりだと思うのだけれど、
   それで今日はどうしたの?」

祐巳「ここに置いていった私のバイオリンと剣道の道具一式を引き取りに、
   それと、車と運転手を今日の夕方までそれと明日貸してください。
   そして明日から7日まで小笠原の姓を使わせてください。」

清子「最初の願いはあれは元々祐巳ちゃんのだからいいけど、
   残りの2つは、
   私としてはもちろんいいけれど理由を教えてくれないかしら?」

祐巳「2つ目の願いですが、
   今日行きたい所があるのですが徒歩だと帰りが遅くなるので、
   明日の方は、予定がずれまして明日から別荘に行くことになりまして、
   バイオリンと4泊の旅行道具を一緒に持って行くと、
   バイオリンを傷つけてしまうかもしれないので。」

清子「別荘にバイオリンを持っていくの?」

私はメールの内容を簡潔に伝えた

清子「そう、だから3つ目の小笠原の姓を使いたいなのね。」

祐巳「はい、それで話は戻りますが、
   私の記憶違いがなければその日は西園寺の大奥様のお誕生日ですよね?」

清子「・・・、そういえばそうね。すっかり忘れていたわ。」

祐巳「そこで音楽で何かするように言って何も知らされていない私たちを落としいれようとすると思います。
   大奥様も確かリリアン出身なので、
   マリア様の心をやろうと思いまして、
   祥子のピアノと
   私のバイオリンで伴奏を、
   妹の乃梨子は楽器が出来ないので歌を、
   志摩子さんはピアノや薔薇様を送る会でやったマリア様の心で日舞とかも考えたのですが、
   リリアンに入ったばかりの乃梨子に1人で歌わせるのは酷なので、
   志摩子さんにも歌ってもらおうかと、
   大奥様は、家柄や血筋、過去など気にせず、
   今現在のその人の内面を見て判断する立派なお人ですから、
   心からやれば認めていただけると思いますので。」

清子「そうね、あなたも西園寺家の中で唯一慕っていた方ですものね。」

祐巳「はい、それで見返りですが」

清子「見返り?」

祐巳「はい、こちらだけ要求するだけというわけにはいかないので、
   庶民の私に出来る限りの事で私の願いと同じで4つ」

清子「4つ?」

祐巳「はい、今日と明日では目的が違いますので別々に数えて」

清子「いいの?
   そうね〜・・・・じゃあ
   1つ目は私たちの事を昔のように呼んでちょうだい。
   あの人と義父様と祥子さんには呼んでもいいかは自分で聞いてね?」

祐巳「で、ですが」

まさかそう来るとは、いえよく考えればわかったはずミスったな〜

清子「呼ぶだけだもの出来るでしょう。」

私が言葉に詰まると笑顔で

清子「よろしくね〜」

と言った。

清子「2つ目は今晩ご飯一緒に食べましょう。
   もちろん祐巳ちゃんの手料理で、
   祥子さんに聞いたのだけれど家ではいつも祐巳ちゃんが作ってるって
   もちろん用事が終わった後でいいわよ帰りもちゃんと送るわ」

祐巳「わかりました。庶民的なものでよければ何人分ですか?」

清子「あの人と義父様がどうするかわからないからあとで連絡してみるわ。
   3つ目と4つ目は東方院の事なのだけれど」

祐巳「えっと、どっちのですか?」

清子「あぁ、せいかちゃんの方」

祐巳「せいかがどうかしたのですか?」

小笠原家には東方院が2人居る。
この家の執事長で融さまの幼馴染の誠二郎と、
その娘で私と同い年の元私専属メイドのせいか
専属といっても当時まだ小学生なのでごっこ遊び程度のものだったが、

清子「今みきちゃんたち海外に行ってて留守でしょうその間だけでも、
   祐巳ちゃんの家にメイドとして置いておいてほしいの」

祐巳「?」

清子「祐巳ちゃんの事が心配というのもあるのだけれど、
   あの子能力はあるのだけれど祐巳ちゃん以外の専属になりたくないって辞令を蹴ってるのよ。」

祐巳「私としてはいいですよ。
   片付ければ使える部屋なら2・3個ありますし、
   家事を手伝ってもらえるのは助かりますから。」

清子「そう、よかった。
   4つ目は、あの子に学校に行くように説得してほしいの。
   学力的には高校卒業レベルまでいってるから、
   2年生に編入させられるのだけれど」

祐巳「何で行かないのですか?」

清子「メイドの自分には関係ないって、私としてはもっと年相応に楽しんでほしいのだけれど、
   あの子祐巳ちゃんの言うことなら素直に聞くと思うの学費はこっちで出すから説得してくれない?」

祐巳「説得できるかどうかはともかく、言うだけは言ってみます。」

清子「お願いね」

祐巳「そろそろ行かないとまずいですね。」

清子「呼ぶからちょっと待ってね。」


呼んだのは私が生まれる前から働いている松井だった。

清子「それじゃあまた夜にね、いってらっしゃい」

祐巳「行ってきます・・・お母様」


私が車に乗ると、松井が

松井「お久しぶりです。祐巳お嬢様」

祐巳「久しぶり、元気そうね」

松井「おかげさまで、どちらまでお送りすればよろしいでしょうか。」

祐巳「私が以前通ってた剣道の道場、覚えてる?」

松井「もちろんです。」

祐巳「そこまでお願い。」

松井「かしこまりました。有馬道場ですね?」

祐巳「ええ」

こうして私たちは有馬道場に向かった。



【No:2621】へ続く


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