私はあなたを待っている。いつまでも、いつまでも。
この胸の高鳴りは抑えられそうにない…。
あなたのことを思うだけで、真っ暗な世界は輝きを放ち世界を彩る。
この素晴らしき世界、あなたも感じているでしょうか?
ふと聞こえてくる呼び出し音。心臓は爆発しそうになるけど誰かが出たらしい。会話が聞こえてくる。
ほっとしたような……残念なような……複雑な心境。
しばらくしても会話は続いている。私の心はもやもやしてきた。
もしあなたが電話をしてきたら? もしあなたが電話が繋がらなくてがっかりしたら?
申し訳なさが私の心を支配し、世界はまた黒く染まる。
会話が終わったようで静寂が戻った。
勉強をしてみても、読書をしてみても、私の心は落ち着かない。
そわそわと電話とにらめっこ。
そんな事をしていると、また呼び出し音が鳴った。
先ほどとは違い家族はみんな外出中。私が出るしかない。
あなたじゃなかったらどうしよう? あなただったらどうしよう?
相反する気持ちが私の動きを縛りつけ、受話器の上で手が動かなくなってしまう。
深く深呼吸。
しばらくそれを繰り返し私の心は落ち着きを取り戻した。
受話器を手にとって耳に近づけた。
「もしもし」
『』
世界が輝きを放った。
私はこの時間を大切にしたい。
だってあなたは大切な人だから。