【2670】 とらぬ狸の皮算用  (通行人A 2008-06-30 23:05:57)


マリア様のなく頃に
〜時始編〜


ひぐらしのなく頃にのクロスシリーズです。


第1部【No:2477】→【No:2479】→【No:2481】→【No:2482】→【No:2484】
  →【No:2487】→【No:2488】→【No:2490】→【No:2492】→【No:2499】
  →【No:2503】→【No:2505】→【No:2506】→【No:2507】


第2部【No:2527】→【No:2544】→【No:2578】→【No:2578】→【No:2587】
  →【No:2643】→【No:2648】


第3部【No:2656】の続編です。


企画SS
 【No:2598】


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


第3部   秋


第1章   花寺学院学園祭





第2話   事件





花寺の合戦が始まって、
少しした頃、
お姉さまが濡れタオルを探していたので、
私が取ってくる事にした。



生徒会室に着くと、アリスが待機していた。

祐巳「アーリス」

アリス「祐巳さん。あれ、どうしたの?」

祐巳「忘れ物」

そう言って、タオルを取り出した。
その後、アリスと少しおしゃべりをして、生徒会室を出た。



タオルがぬるくなっていたので、
水道の水で冷やしてお姉さまに持っていこうとしたら、

男1「おい、福沢」

祐巳「え?」

振り返ると、そこには4人の男子生徒がいて、
男たちは、私の両手両足を押さえつけ、
口にガムテープを貼られ、
アイマスクをかぶせられて、
手足を縄のようなもので縛られて、
箱のようなものに入れられ、
どこかに連れて行かれた。



祐巳「あー、やっぱり祐麒と間違えたんだ。」

男1「本当に、お詫びの言葉も見つかりません」

4人の生徒がそう言って頭を下げた。

祐巳「で?
   何で推理小説同好会が生徒会役員を誘拐しようとしたの?」

そういえば、さっきもらったキャンディーの包みに
推理小説同好会って書いてあったっけ

男1「この推理小説同好会は、
   以前はれっきとした部だったのですが、
   このところ、めっきり部員が減ってしまいまして、
   現在部員は8人、
   うち4人は名前だけの幽霊部員のようなもので、
   実質部員はここにいる4人になってしまいました。」

祐巳「あれ?じゃあキャンディー配っていたのは?」

男1「あれは、卒業した先輩が同情して、
   ボランティアをかってでてくれたんです。
   それでですね、今年度から、
   部室に割り当てられたのは教室の半分で、
   予算ももらえなくなりまして」

祐巳「それで生徒会の誰かを誘拐しようと思ったの?」

男1「違います!
   実はですね、
   学園祭中にわが部が生徒会をギャフンと言わせる事が出来たら、
   部への昇格がかなうんです」

祐巳「誘拐された人がギャフンと言わないと思うけど?」

男1「言いますよ。だって、これ」

そう言って1冊の本を差し出した。

男1「この本は、発行するたびに生徒会に贈っていますから、
   物語の通りに事件が起こったなら、
   作品自体が大掛かりな予告状となるわけです。
   手にしていながら、
   読まなかったばかりに
   事件を食い止められなかった生徒会役員たちは
   必ずや言うはずです。
   ギャフン、と」

祐巳「なら、失敗って事でしょう。
   もう帰っていいわよね」

男1「そうしたいのは山々ですが。
   あなたがここから出て行くのを見られたら
   我々は破滅です」



10分経過



祐巳「うーーーーん、
   そうだ!
   ねえ、パンダの着ぐるみ着て、
   キャンディー配ってたOBの人、ここに連れてきて」

男2「はい?
   いったいどうして」

祐巳「さっさと行く!!」

男4「は、はいっ」



それから、十数分が過ぎた頃、
パンダの頭を抱えた柏木さんが会員に連れられてやってきた。

柏木「お前らなんて事を・・・
   この野郎」

そういって会員の1人に
掴みかかった柏木さんをなんとか説得して

祐巳「落ち着きましたか?
   それでは協力してください。」

柏木「わかった、僕は何をすれば良い?」

祐巳「とりあえず、その着ぐるみを貸してください。」

柏木「それは構わないけど・・・・
   なるほどそういうことか」

私は着ぐるみを着て、

祐巳「柏木さん、貸し1つで良いですよ」

そう言って教室を出た。



教室を出て、少し行ったところで、
教室に向かって走っている梨花と祐麒とすれ違った。
梨花は私とすれ違うと、
立ち止まって私のほうを不審そうに見てきたが、
すぐに、祐麒を追って教室に向かっていった。

祐巳「ふぅ〜、気付かれたかと思った。」



そのまま廊下を歩いていると、
なんだか人だかりが出来ていた。
そこを通るのが校庭までの近道なので、
そこを無理やり抜けると、
そこで見たのは、
尻餅をついている乃梨子ちゃんと、
その乃梨子ちゃんに向かって、
鉈を振り上げている男だった。




分岐ポイント

助ける   時始め編【No:2735】へ続く

動けない  狂始め編【No:2698】へ進む



一つ戻る   一つ進む