【2689】 超電子ダイナモダイナミック秘密組織  (ニュクス 2008-07-05 00:25:42)


【No:2619】→【No:2622】→【No:2632】→【No:2657】→コレ
キャラ任せ感は否めないが、み な ぎ っ て き た !


あらすじ
乃梨子「ついに瞳子までその毒牙に掛けたヘタ令さま。次の標的はいったい誰なのか?あと主にエロス!!」
令「いえ、特にエロスとか無いですよ?」


長かった。本当に長かった。
もう勘弁して下さいと言いたくなるようなイベントの数々をこなし、ずいぶん時間がたった気がしてきた。
うん、そうだ!もうそろそろ帰る時間じゃないかな!?
時計を見てみれば。
「まだお昼前でした………」
「なにをぼやいているの令」
「何でもないよ祥子」
人に夢と書いて儚い、なんだか物哀しいわね……などど独り言を言ってみても事態が好転するはずもなくて。
件のホラーハウスの事件が収拾し、お昼までの時間は自由時間となった。
由乃、祐巳ちゃん、志摩子達はアクセサリーを見に行ったし、一年トリオは三人でウィンドウショッピングだ。
ちなみに、先のホラーハウスでの乃梨子ちゃんの戦果を報告しておかねばなるまい。
先に待っていたみんなと合流した時、乃梨子ちゃんは白化していた。
祥子の言う事には、胸を触りたいと言われたので、触らしてあげたそうだ。
乃梨子ちゃんどんだけストレートなんだよ………。祥子も少しは身の危険を感じないと。
約3分、気が済むまで触らせてあげた結果がこれのようだ。特に色気のある展開にはならなかったらしい。
おっと、乃梨子ちゃんが何か言ってる。
「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
『俺は奴の胸を揉んでいたと思ったら、指が吸いついて離れなくなっていた』。
な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をしたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…巨だとか爆だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…」
もう帰んなよ乃梨子ちゃん…。
とまあ、完全に足腰立たなくなってしまった乃梨子ちゃんを可南子ちゃんが、まるで山賊のように肩に抱えて連れて行ってくれた。
そんなわけで今は祥子とカフェテラスで一休みしているところだ。
「こうやって二人でのんびりするのも久しぶりね」
「そうだね、祐巳ちゃん達が来てから色々あったからね」
「フフ、本当に色々ね」
「私たちが山百合会に入った時からは想像できないくらい、賑やかになったからね」
「そうね。あまり賑やかすぎるのもどうかと思うけれど」
「あれ、祥子は今の山百合会はきらい?」
「……意地悪な聞き方ね」
嫌いなわけないじゃない…と笑っている祥子を見ていると、祐巳ちゃん達が山百合会に入ってくれて本当に良かったと思う。
「……本当に良い笑い方をする様になったね」
「何?」
「何でもないよ祥子」
思わずこぼした言葉は、他の客の喧騒にまぎれて聞こえなかったようだ。


「ハッ、フラグ成立の予感!新手のスタンド使いか?!」
「いいから寝てなさい」ガっ!!
「ガフっ!!」ガク
「ちょ、可南子さん!?首筋に手刀は危険じゃないかしら?!」
「手加減はしてあります。それよりこの色ボケをゴスロリ姿にするの、手伝ってください」
「……それはいいかも。瞳子、ちょっとワクワクしてきましたわ」


突然のシャッター音とフラッシュ。
一瞬何が起こったのかわからなかったが
「やった!!スクープ頂き!!」
の声で状況を理解する。
どうやら新聞部の三奈子さんに写真を撮られたようだ。
休日のショッピングモール。
祥子と二人で仲睦まじくお茶中。
自然な会話の中に忘れていたけれど、私、今、男の子。
となれば…。
「『卒業間近の紅薔薇さまに恋人発覚!!お相手は黄薔薇さま似の王子様系!!』、やったわ!!卒業前にこんな大スクープをモノにできるなんて!!」
大         惨          事         !!
「ちょ、ちょっと待って!!」
「今日の私ついてるぅ〜!!」
凄い速さで逃げていく三奈子さん。カフェの外まで追いかけたものの、群衆に紛れてしった三奈子さんを追いかけられるわけもなく。
「令、三奈子さんは?」
「ハア、ハア、ダメだ。見失った…」
明日のかわら板は、さぞリリアンを賑わすことだろう。
「ど、どうしようか祥子〜」
「情けない声をださないの。構わないわよ、事実無根なのだし。堂々としていれば良いだけなのだから」
「で、でも〜」
すると祥子は、これもまた以前は見せたことのないような微笑みとともに
「それに令とだったら、まあ悪くないかもしれないわね」
と言ったのだった。



                うん、もう、駄目かもしれんね。


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