【2720】 ドリーム  (通行人A 2008-07-25 21:38:39)


マリア様のなく頃に
〜償始め編〜


『ひぐらしのなく頃に』のクロスシリーズです。


第1部【No:2715】の続編です。


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〜時始め編〜連載中


第1部【No:2477】→【No:2479】→【No:2481】→【No:2482】→【No:2484】
  →【No:2487】→【No:2488】→【No:2490】→【No:2492】→【No:2499】
  →【No:2503】→【No:2505】→【No:2506】→【No:2507】


第2部【No:2527】→【No:2544】→【No:2578】→【No:2578】→【No:2587】
  →【No:2643】→【No:2648】


第3部【No:2656】→【No:2670】


企画SS
 【No:2598】


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〜狂始め編〜完結


第1部【No:2670】→【No:2698】→【No:2711】→【No:2713】→【No:2714】


エピローグ【No:2715】


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今回の作品は途中で視点が乃梨子→梨花に切り替わります


第1部   戸惑い





第1章   廻る世界





第1話   違い





私が目を覚ますとそこは見慣れた天井だった。
ここはあの世・・・には見えないよね
あれは夢・・・だったのかな?
実際にそうなら私は圭兄を●して焼け●んだはず・・・
だからあれは夢、きっと夢
でも・・・今でも私の手に残っている血の感触は何なの?

菫子「リコ、いつまで寝てるんだい遅刻するよ。」

乃梨子「はーーい」

私は学校の支度をして家を出た。



学校に着くまでずっと夢のことを考えていた。
夢とはいえ梨花や圭兄と会うのが気まずすぎる。
そういう事ばかり考えていたから
学校に付くまで気付かなかった・・・その異変に。

乃梨子「何これ・・・」

学校について最初に目にしたのは葉が生い茂る銀杏並木だった。
私の記憶では今は2月のはず葉っぱが生えているはず無い。

乃梨子「なんで誰も不審に思わないの?」

私の鞄に1枚の花びらが乗った。
私は駆け出していた1本だけの桜の木の本へ
そしてたどり着いた先には満開に咲き誇る大きな桜の木が立っていた。

?「あら、ごきげんよう」

そう言って挨拶をしてきたのは祐巳さまだった。

乃梨子「あ・・祐巳さま、ごきげんよう
    これ、どうしたんですか・・・」

祐巳「あれ?
   なんで私の名前知ってるの?」

乃梨子「何言ってるんですか、当たり前じゃないですか!
    そんな事より何で桜が咲いている事に
    疑問を持たないのですか!!」

祐巳「あ、もしかして中等部出身?
   リリアンかわら版を見たのかな?」

乃梨子「ふざけてるんですか?
    私は外部受験です!!
    それより私の質問をはぐらかさないで下さい」

祐巳「質問って?」

乃梨子「ですから桜についてです!」

祐巳「そんなに不思議?
   春に桜が咲いているのは・・・
   日本中どこでもそうだと思うんだけど・・・」

乃梨子「そりゃあ不思議で・・・はい?
    あの、祐巳さま今なんて・・・」

祐巳「日本中どこでもそうだと思うんだけど?」

乃梨子「いえ、その前です」

祐巳「そんなに不思議?」

乃梨子「その後」

祐巳「春に桜が咲いているのは?」

乃梨子「それです、春ってどういうことですか?
    確かに2月は暦の上では春ですが桜が咲くなんて」

祐巳「あなた、入学式で緊張してるのはわかるけれど
   少し落ち着きなさい」

よもや祐巳さまに落ち着きなさいって言われるとは
いや、それより入学式?

乃梨子「あの、祐巳さま入学式って?」

祐巳「私の事を『さま』をつけて呼ぶって事は1年生なのよね・・・」

乃梨子「そうですけど」

祐巳「今日、4月3日はあなたたち1年生の入学式じゃない」

乃梨子「4月・・・3日?」

祐巳「あ、もうこんな時間、妹を迎えに行かないと・・・
   そういえばまだ名前教えてもらってなかったわね
   あなた、お名前は?」

乃梨子「二条乃梨子です」

祐巳「乃梨子ちゃんね・・・
   私は藤堂祐巳またどこかで会えるといいわね
   それでは、ごきげんよう」

乃梨子「ごきげんよう」

4月3日?
『藤堂』祐巳?

乃梨子「何がどうなっているのーーーー!!!」






私が目を覚ますと、入学式の日だった。
どうやらあの6月を越えた次の世界に来れたようだ。
ただこの世界では私と圭一は恋人同士ではないらしく
私が押しかけたらしい
それはかなりショックだが、
圭一は今のところフリーなので時間をかけて落とせばいい
ただ前の世界で乃梨子の気持ちを知った以上
あまりゆうちょうにもしてられない。
とりあえず今は温室に向かっている。
お姉さまとは前の世界で入学式のこの時間に温室でであったのだ。


私は温室の扉を開いた、そこにお姉さまは居なかった。
そこに居たのは志摩子さまだった。

志摩子「あれ?ごきげんよう」

志摩子さまってこんな喋り方だっけ

梨花「ごきげんよう」

志摩子「あなた、1年生?」

梨花「はい、1年の古手梨花です。」

志摩子「私は福沢志摩子、よろしくね」

『福沢』?
どういうこと?

【コンコン】

何かを叩く音がしてそっちを振り向くと、
お姉さまが開いた温室のドアによりかかって、

祐巳「お取り込み中?」

そう聞いてきた。

志摩子「あ、お姉ちゃん」

梨花「お姉ちゃん?」

祐巳「志摩子、少し急がないと祥子さまがまた五月蝿いよ」

志摩子「あははは、じゃあ急ごうか
    またね、梨花ちゃん」

そう言って志摩子さまとお姉さまは早足で去っていった。
お姉さまは私に目もくれなかった




【No:2751】へ続く


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