それを見た瞬間、山口真美は両手両膝を床につけた。
「もういや…こんな学園生活」
「真美さん。あなたにしか頼めないの!
この結果を薔薇さま方に伝えられるのは!」
「で、今回はどんな設問だったのかしら?」
「…説明するより見ていただいたほうが早いので…どうぞ」
そう言いながら真美が差し出したのは…科学の問題。
紅薔薇・黄薔薇・白薔薇の交配と、各世代ごとに誕生した各色の薔薇の本数が表になって書かれていた。
『上記3代にわたる赤・白・黄色の遺伝に関する交配結果から、優性遺伝子・劣性遺伝子を考え、
その後の第1世代から第3世代までで、各世代において誕生する薔薇の色の数を多い順に書け。
なお、親としての第0世代の数は同数とする』
「遺伝に関する問題よね。
…というか、薔薇の色って遺伝子の優劣は無いから、混ざってしまうんじゃない?」
「本来ならば5月にうるさい例の昆虫で出題する予定だったのですが、嫌がられそうなのでボツにしたそうです。
リリアンで最も馴染み深い『薔薇』を使って先生が設問を作ったそうです」
「後でその先生のお名前を教えてね♪」
「………はい」
薔薇さま3人の眼力に、真美では太刀打ちできない。
「で、これがもっとも多かった回答です」
『第1世代 赤>黄>白』
「これは普通に考えて正解でしょう?」
「ええ。出題に対する回答としても。
……現時点での立場としても」
「何が言いたいのかしら? 聖?」
3年はおおむね平和だった。
『第2世代 赤・妹>>>>>黄』
「『白』が無くて『妹』ってどういうこと!?
というか、何故こんなに『>』記号がたくさんあるの!?」
「さ、祥子…落ち着いて…」
2年もヒステリーは起こっているものの、おおむね平和…かもしれない。
『第3世代 黄>∞>赤=白』
「真・美・さ・ん・?」
「私じゃない! 答えを書いたのは私じゃない!」
「じゃあ、その下に
『革命以前 赤=黄=白』
って書いてあるのは何!?」
「知らないってば! 先生に渡されただけだってば!」
「この回答した全員を調べなさい!」
「無理ーーー!!!」
1年は、約1名が暴走しているが、それ以外は平和…なのではなく、発言するタイミングがないらしい。
山百合会は、どんな困難があっても平和な生徒会…には縁遠いのかもしれない。
--------------------
スミマセン! 遺伝子うんぬんのくだりは全くのデタラメです。適当なこじつけです。信じないようにしてください。
某国営放送の教育番組で、遺伝のお話が出て…【No:2750】でMr.K様の投稿があったおかげか、変な電波が。
お目汚し、本当にすみません。m(_ _)m