【2764】 目から汗が出てくる  (通行人A 2008-10-06 20:56:16)


宇宙人もみてる


ケロロのクロスです。
違う作品もクロスしています。
今後幾つか加入予定です。


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  の続編です


過去特別編
  【No:2628】


企画SS
  【No:2598】


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26.   祐巳の居ない7日間






1日目


あれから1ヶ月、
花寺の文化祭や体育祭は何事もなく無事に終わった。
大きな出来事をしいてあげるなら
瞳子が志摩子さまの妹になったことぐらいだろう。


そして今日はお姉さまとせいかさまが修学旅行に出発される。
祐麒さんは一昨日から京都に修学旅行で仏像見学に行かれ、
いいな〜などと思っているがそれはどうでもいいとして
お姉さまが居ない間カエルどもは、とばりが預かってくれるらしく
私は家に1人で居るのもあれなので祐麒さんが帰るまで
菫子さんの家に戻ることになった。


場所は変わって私は瞳子と祥子さま、令さまと一緒に
M駅までお姉さまたちをお見送りに来ている。
祥子さまはお姉さまたちにお土産にローマ饅頭とフィレンツェ煎餅などという
ツッコミを入れたくなる注文をしていた。


お見送りを終えた私たちは、遅刻ギリギリで教室に駆け込んだ。
その日は特にやることが無かったので山百合会の活動は中止となった。






2日目


私を呼ぶ声がする。
私は睡魔に従って夢の続きを見ようとしたが、
不意に枕を引き抜かれ頭を打った。
私はそのまま状況を把握する。
どうやら菫子さんが私を起こしに来たようだ。
だから私は1つボケをかましてみる。


乃梨子「知らない天井だ」


そう言うと菫子さんが引き抜いた枕を私の顔に叩きつけ、


菫子「馬鹿やってないで顔洗って、歯ぁ磨いてきな。
   遅刻するよ。」


そういえばお姉さまの家に住む前は
こんなに早くから起きていたっけなどと考えながら仕度をして家を出た。






3日目


私は今、この2人は本当にお姉さまと
血が繋がっているのだろうかと真剣に考えている。


2年生が修学旅行に行っていても学校はある以上
山百合会が処理しなくてはいけない書類は当然ある。
だが今、山百合会で仕事をしているのは実質私1人だ。
令さまの由乃さま欠乏症はもう諦めた。
でもまさか瞳子と祥子さままで志摩子さま欠乏症になるとは思わなかった。
しかもまだ修学旅行は半分も終わっていないのに。


この人たちを抑えていたお姉さま方や前薔薇様方は凄いと改めて実感した。






5日目


今日、祐麒さんが帰ってくるので私も福沢家に戻る。


学校に少し近くなるのでその分多めに寝れるので、待ち遠しかった。
だがそれも空想に終わった。
今までは朝食をお姉さまとせいかさまが作ってくれていたが居ないので
私たちが作ることが発覚した。


おまけに夜、祐麒さんに告白された。
返事は丁重にお断りしたが、
今後を考えると何だか気まずくて一睡も出来なかった。






6日目


私は何か悪いことをしただろうかと真剣に考えた。
目の前にはこの6日間で処理しきれずに溜まった書類の山
薔薇の館には誰も来ない。
家に帰るととても気まずい。


ここで泣かなかった自分を褒めてあげたいと思った。


乃梨子「お姉さま、早く帰ってきてください」


私の呟きは誰にも聞かれることなく空気に溶け込んだ。






7日目


私はこの日をどれほど待ちわびただろう。


私は学校が終わると空港まで急いだ。
お姉さまに聞いた帰国予定時間より少し早めに着いた。


しばらくしてお姉さまが出てきた。
解散の挨拶が済むのを確認すると私はお姉さまのもとに駆けていき
お姉さまに抱きついた。
その時の安心感からか、緊張の糸が緩んだからか私は泣いてしまった。
お姉さまは最初は混乱していたが、すぐに落ち着き私の頭を撫でてくれた。
その光景は1週間も会えなくて泣いている子供の様に(間違ってはいないが)
周りには見えていた。
当然私自身はそんなの気にしている余裕が無かったので
後日その事がリリアンかわら版に載ったのを見て赤面した。


またお姉さまに泣いた理由を聞かれて、
最初誤魔化していたが、誤魔化しきれず
山百合会の事を洗いざらいはかされた(祐麒さんとの事は何とかはかずにすんだ)。


次の日、祐麒さんの頭のこぶとお姉さまから出る殺気から
どうやらお姉さまにはお見通しだったようだ。
またさらに翌日の代休明けには、
瞳子たち3人にお姉さまのカミナリが落ちたのは言うまでもない






後日談


祐巳「ローマ饅頭とフィレンツェ煎餅は買えませんでしたが・・・・」


そう言ってローマ煎餅とフィレンツェ饅頭を出した。
それを見た1・3年生組は唖然とした。







【No:2794】へ続く



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