【2768】 天使のたしなみ姉妹最高!  (若杉奈留美 2008-10-11 08:42:41)


「激闘!マナーの鉄娘」シリーズ。
最終章突入です。

今までのお話はこちらから【No:2644】→【No:2651】→【No:2653】→【No:2693】→【No:2737】

(最終章その1・究極の家事マナー5種競技!)


「その後のレジスタンスの動向は?」
「今のところなりをひそめてますが」
「了解。何かあれば容赦なく消しなさい。私が許すわ」
「了解」

第3戦で家庭の主婦に代わって家事全部を行うはずだったのが、
レジスタンスに思わぬ邪魔をされた山百合会。
これを受けて、主催者は試合会場を一般家庭から特設ステージに移すことを決めた。
それにともない試合の内容も一部変更された。

「家事マナー5種競技?」

その内容は次のとおりである。

・アイロンがけ(ワイシャツ・Tシャツ各100枚)タイムトライアル
・祝儀・不祝儀のし袋の表書き早書き対決
・穴あき靴下100枚早つくろい対決
・敬語穴埋めペーパーテスト
・野菜の飾り切り3種早作り対決

「…ふふ。ついに紅薔薇家が活躍する時がきたのね」

世話薔薇総統の口角が大きく上がる。
その横で次世代エロ薔薇がため息をついていた。

「しょぼっ!どれもこれもしょぼいのばっか…ぐはっ!」

エロ薔薇こと真里菜はちあきの肘鉄を食らい、地面に崩れ落ちた。

「せめてホットケーキ早作りとかあったら…」

真里菜の妹の暴走パティシエ、純子が嘆き。

「あの〜…どれもできないんですけど…」

がっくり落ち込む智子に、

「大丈夫です。お姉さまに出ろなんて言いませんから」

さらに追い討ちをかける次期世話薔薇総統。

「ひどい〜!さゆみさ〜ん、美咲がいじめる〜!」
「事実だし」

飲んだくれ汚ブゥトンの嘆願を、さゆみは一蹴してしまった。

「なんか浮き足立ってるね」
「ようやく終わるからテンション上がってるんだよ」

すっかり蚊帳の外な理沙と涼子。
菜々に至っては居眠りしている。

「菜々さま、寝てる場合じゃないですよ」
「…う〜ん…」
「だめだ。まるで起きる気ゼロだ」

そんなこんながありながらも、最後の試合への準備…と、大いなる陰謀の計画が、
着々と進んでいたのであった。


「…まさかうちが舞台になるなんて」
「予想外の事態だったわね…」
「申し訳ありません」
「あなたは悪くないわ。連中が一般家庭を狙うなんて誰も思わないもの」
「でも今度こそは…」
「私たちが」

「「「天下を取るのよ!!!」」」



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