【2838】 あなたをこえたくてリリアン美少女百選手に入れる  (ニュクス 2009-02-15 23:23:47)


【No:2619】→【No:2622】→【No:2632】→【No:2657】→【No:2689】→【No:2719】→コレ

前回のあらすじ
聖より告げられた衝撃の真実!まさか我が姉がこの事件の黒幕だったとは、すでに「そうじゃないのかな〜」と思っていた令の心に深い悲しみが満ちる!
そして、残された男子化の期間の長さにまだ見ぬハプニングの予感!
それではつづきを……。

「ねぇ蓉子」
「ん?何よ江利子」
「こないだウチの兄貴が作った試薬の話したじゃない」
「あぁ、確かホルモンバランスを崩すことで性転換をおこすって薬だっけ?」
「正直眉唾物だったけど……。ねぇ蓉子」
「だから何よ」
「……あれ、本物だったみたい…」
「!?…誰に飲ましたの!?」
「誰って、そりゃあ……」



謎の紐ビキニから話を聞いた後よく考えた結果、令は割り切って現状を受け入れる事にした。
永遠にこのままというわけじゃない。時間とともにこの身体は元に戻る。
ならばこの状況を楽しんでも罰はあたらないと思う。
それが体の一部が光り輝く姉への、唯一の抵抗だと思うし。
ミスターリリアンと呼ばれたこの私、別に男の子として行動するのに不安があるわけでわ無い。
行事では常に男役だし家の道場の男の門下生からは「俺たちより男らしい」とか言われてるし男の子に告白されたことなんて一度も無いのに下級生や同級生や先輩に告白されたのは一度や二度じゃないし!!
……あれ、可笑しいな。目から塩水が…。
おっと自虐的になってる場合じゃない。こう言う時にしかできないことをやってみよう。
ここは某ショッピングモール。周りは高校生から大学生らしい女の子が多い。普通こういうことに男の子が一人で買い物以外の理由は大体1つ。
難破だ。
違う、ナンパだ。これだけ女の子がいて普通の男の子ならナンパをしないわけが無い!(偏見)
現にさっきも、いかにも遊んでそうな男たちが志摩子や由乃に声をかけていた。
まあ、可南子ちゃんのメンチ一発で石化してたけど。
山百合会のメンバーは、皆容姿に恵まれているのでこういったナンパは珍しくない。
その中で私は、ほとんど声を掛けられることがない。
ナンパ男は私を見て言うのだ。「何だ彼氏連れかよ」と。
……ま、まあ女の子から逆ナンされることはしょっちゅうあるけどね!
………あれ、可笑しいな。また目から塩水が…。
とまあ、私にとってナンパとは一種の憧れなのだ。
私だって女の子、「君可愛いね」と声を掛けられて嬉しくないわけが無いのだ。
しかし私は今男の子。いつも異常に男の子に声を掛けられることは無いだろう。
もし声をかけてくるようなら、ウホッな展開を期待しなければならないだろう。
それなら自分からナンパをすればよいのではないか。
ナンパする側になる事で、男の子がナンパしたいと思う女の子が分かれば今後の諸々に繋がるのではないかと。
幸い他のメンバーは午後の自由時間で、各々の用事に向かったし。
声をかける女の子はそこらじゅうにいる。
男の子になった私は、控えめにみても格好良いほうだと思うし。
レッツチャレンジ!!


「あの、今良いですか?」
声をかけたのは、眼鏡をかけた大学生風の美人だ。
整った顔が眼鏡と相まって知的美人といった風貌と呈している。
なんだか疲れたような顔で歩いていたので、思わず声をかけてしまった。
「……な、なにかしら」
顔を赤くしながらボーっとみていたが、返事をしてくれた。
「大丈夫ですか?なんだかお疲れのようですが…」
「え、いえ、別に疲れているわけじゃないのだけど、ちょっと悩みがあって…」
お、こっちに反応してくれた。
「宜しければ、そのお悩みを聞かせてくれませんか?」
「え、でも」
「誰かに話すだけで、軽くなる悩みもあります。もちろん無理にとは言いませんが、いかがでしょうか」
ちょっといきなりすぎたかなと思ったが、彼女は少し考えて
「……じゃあ、聞いてもらおうかな…」
といってくれた。


うまく行き過ぎている気がして少し不安になりはしたが、すぐ近くにあったカフェ(祥子と行った所とは別の)に入り軽く自己紹介を済ました。
彼女の名前は加藤景さんというらしい。
聞いてみればリリアンのすぐ近くの大学に通っているとのこと。
紅茶が運ばれてくるのを待って、景さんはポツポツと喋りだした。
「…同じ大学に通ってる女性のことでいろいろあってね。ちょっと気が滅入ってたの。それで今日は気分転換に遊びに来たのだけど」
「そうですか…」
「大学に入って暫くして、その子は私に声をかけて来たの。最初から馴れ馴れしい感じだったけど、悪い子じゃなかったからすぐに仲良くなったわ」
そのときのことを思い出したのだろう。すこしやわらかい表情になっていた。
「自分勝手でわがままで自由奔放で、私に無いものをたくさんもってた。だからケンカもしたけど、それでも思ったわ。全然違う二人だから、お互いを補い合う本当の意味での友達になれるって」
「それは…とても良いことですね」
自分にも共感するものがある。まるで私と由乃みたいだから。
と、その瞬間景さんの顔が一気に歪む。
「でも……でも、違ったのよ」
「え?」
「わたしにとって彼女は友達だった…。でも、彼女にとって私は恋愛対象だったのよ!!」
「ええ?!」
「それも肉体関係希望メインで!!」
「えええええええええ!!!??」
「それはある日突然はじまったわ……。ある時は講義中の私の太ももを撫で回したり…。ある時は人前で後ろから抱き着いて、あまつさえ耳たぶを甘噛みしてみたり…!ある時は私が寝ているベッドに裸で乱入してみたり!!!」
「そ、そうなんですか…」
「でも今日でそんな日々とはお別れ!私に恋人が出来ればきっと諦めてくれるわ!」
といって私の両手をガッシリ掴み
「令さん、好きです!一目見たときから感じていたわ、この人が私の運命の人なのだと!」
「ええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!?????」
とのたまったのだった。

                          つづく


一つ戻る   一つ進む