【2876】 即断即決直感勝負  (名無しのゴンゾウ 2009-03-09 15:05:06)


「あなた姉はいて?」

「……いいえ」

「なら、わたしの妹になりなさい」

「お断りします」

「冷たいのね……」

「ごきげんよう」



突然の質問に思わず「はい」と答えそうになる。

ここは私立リリアン女学園、姉といえば契りを交わしたグラン・スールを指すのだ、新入生の私にいるはずがない。

そもそも挨拶も無しにこんな質問をする生徒など居ようはずもない。教室についたら目を醒まそう。



   ※※一部を除きすべてオリキャラです、ご注意ください※※




美和子さん、彩乃さん、亜由美さん、夕子さん

うん、何とか覚えられそう。

でも、残念だけれど、みんな同じに見える。お姉ちゃんの言うとおり。

一人くらい特徴的な髪型の子がいれば助かるのに。



殆どが中学からの生徒ということもあって、わたしは転校生扱い。

いろいろ教えてくれるのは嬉しいけれど、情報の洪水になりかけてることには誰も気づいてないらしい。

おまけに朝の先輩に関して一切有力な情報がない、あのひとは誰?

  ダダダダダ……

「たまきさん、スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせないように、でしょ?」

『黄薔薇の蕾、振られる』

質問に学園新聞で答えないでください。

ていうか何で今朝の出来事が記事になってるんですか。

 「リリアンかわら版の号外の迅速さは有名よ」

その前に個人のことを記事にするんですか。

 「薔薇ファミリーのことがメインよ」

黄薔薇の蕾って誰ですか。

 「剣道部のエース候補、成松聡子さまよ」

何で皆さんそんな好奇心丸出しの瞳で見つめてくるんですか。

 「だって入学早々黄薔薇の蕾を振ったのでしょう?」

十重二十重に取り囲まないでくださいっ!

 「逃がさないわよ」

ここはお嬢様学校じゃなかったんですか!

 「世間ではそう云われてるみたいね」

だまされた!お姉ちゃんのばか!!

 「そんなはしたない言葉遣いをしてはいけません」


ぴんぽんぱんぽーん

「三年松組江里口陽菜さん、至急職員室まで来てください」


……誰?

 「……聡子さまのお姉さま」

……わたし、悪いこと、した?

 「……同情はするわ……」

……何でわたしを妹にしようとしたのかな。

 「こっちが知りたいくらいよ」

……冷たい

 「だってみんなの憧れの黄薔薇の蕾を振ったんだもの」

……解放してくれない?

 「駄目、ここにいる全員が納得するまでは」

いぢわるぅ



……夕日がきれー……



……まだぁ?……



……帰してぇ……



……シスターに怒られた



良い子はもう寝「明日朝七時に剣道場に集合!」る時間です……

え?



しつこいなぁ


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