【2889】 思い出しちゃって祐巳は見た天国・煉獄・地獄  (bqex 2009-03-13 02:00:40)


 お姉さまに立ち会ってもらって瞳子ちゃんと正式に姉妹になった。
 ここに来るまでの事が思い出される。


初回

 私は志摩子さんの事を相談しに大学部の聖さまのところに行って会合に遅刻してしまった。
 慌てて薔薇の館にたどり着くとお姉さまはおかんむり。
 ひたすら謝る私の耳に声が聞こえた。

「だって、この方おっかしいんだもの」

 お姉さまの親戚の松平瞳子ちゃんだと紹介された。

 アタックしますか?

  -> はい
    いいえ

 アタック開始!

 甘えた声で瞳子ちゃんはお姉さまに言った。

「また、遊びにきていいですか?」

 すかさず私は声をかけた。

「あら、瞳子ちゃん薔薇の館が気に入ったのなら、私の妹になって、薔薇の館の住人にならない?」

「はっ?」

 私は席を立ち、瞳子ちゃんの前に来るとロザリオを取り出した。

「初対面の相手に気軽にロザリオを渡すようなお姉さまはいりません」

「あら、それは私の事を暗に非難しているのかしら?」

 お姉さまがこめかみをぴくぴくさせて、でも、笑顔を作り瞳子ちゃんに聞いた。

「と、瞳子は演劇部に専念するので、やっぱり頻繁には遊びに来られないかも〜。ごきげんよう」

 瞳子ちゃんは逃げ出し、二度と薔薇の館には近づかなかった。

 アタック失敗!

 福沢祐巳は妹を作れなかった!
 あおりをくらって藤堂志摩子は二条乃梨子を妹にするまで10か月かかった!

 やり直しますか?

  -> はい
    いいえ


2回目

 お姉さまとの雨の日のすれ違いは蓉子さまの力を借りて解決し、私達は絆を深めた。

 お姉さまが復帰するのと同時に瞳子ちゃんは薔薇の館のお手伝いを辞めた。

 アタックしますか?

  -> はい
    いいえ


 アタック開始!

 瞳子ちゃんに会うためにクラブハウスにやってきた。
 演劇部の部室前で瞳子ちゃんを捕まえた。

「瞳子ちゃん、お手伝い本当にありがとう」

「いえ、大したことではありませんわ。祥子お姉さまも復帰されましたし」

「ううん。瞳子ちゃんはよくやってくれたよ。でも、このまま演劇部に返しちゃうのはさびしいし、もったいないなあって──」

「あら、話が違うわ」

 部室から演劇部部長の高城典さんがあらわれた。

「瞳子ちゃんは親戚の紅薔薇さまの事情で来られない間限定の助っ人でしょう? これ以上、薔薇の館に入り浸られては演劇部の活動にも支障をきたすわ。それは瞳子ちゃんの意思を無視する事よ」

 典さんは瞳子の手を引いて部室に入ってしまった。
 その後、瞳子ちゃんは典さんのロザリオを受け取ったという。

 アタック失敗!

 福沢祐巳は慰めてくれた敦子を妹にした!
 しかし、それは福沢祐巳が卒業する日だった!

 やり直しますか?

  -> はい
    いいえ

6回目

 2学期が始まり、可南子ちゃんが薔薇の館に出入りするようになったが、可南子ちゃんにはいろいろと問題があって、気まずくなってしまった。
 このままではいやなので、体育祭で可南子ちゃんと賭けをする事にした。

 体育祭の朝、瞳子ちゃんに呼び出された。

 アタックしますか?

  -> はい
    いいえ

 アタック開始!

「妹にしてと言われたらどうするおつもりですかっ!」

「瞳子ちゃん、可南子ちゃんを私の妹にしたくないなら、瞳子ちゃんが私の妹になればいいんじゃない?」

「はっ?」

「すでに妹がいるのに『妹にしてください』なんて言わないだろうし、言ってきてもちゃんと断るから」

「断るための口実のために私を妹にしようだなんて! 失礼します!!」

 瞳子ちゃんはダッシュで逃げた。

「ご、誤解だよ! 瞳子ちゃ〜ん!!」

 瞳子ちゃんは2度と口をきいてくれなかった。

 アタック失敗!

 福沢祐巳はその日フォークダンスで踊った1年生を妹にした!
 しかし、桂さんの苗字はわからなかった!
 ちなみに江利子さまの胸は大きかった!

 やり直しますか?

  -> はい
    いいえ


11回目

 学園祭の手伝いに瞳子ちゃんと可南子ちゃんが来る事になった。
 瞳子ちゃんは一時期演劇部と気まずくなったが、説得の結果、演劇部に復帰した。
 学園祭の当日、瞳子ちゃんと束の間の学園祭デートを楽しんだ。

 アタックしますか?

  -> はい
    いいえ

 アタック開始!

 後夜祭となり、瞳子ちゃんをマリア様の前に連れてきた。

「今日は本当に楽しかった。私ね、ずっとこんな日が続いたらいいなあって思ったんだ」

「はあ」

「瞳子ちゃん、私の妹になって。私じゃダメ?」

「え……」

「ちょっと待った!」

 典さんが現れた。

「演劇部に入部した時から、ずっと妹にしたいと思ってました。私の妹になってください」

「はっ?」

「ちょっと待った!」

 立浪繭さん登場。

「私の四葉のクローバーはあなただと思っています。ぜひ、妹になってください」

「はあっ!?」

「ちょ、ちょっと! 私が先に申しこんだのに」

「先に目をつけたのは私よ!」

「ふん、第3者に割り込まれて揺らぐ程度の絆なんてないも同然よ!」

「なんですって!?」

「あなたは引っ込んでて!」

 壮絶な修羅場が展開され、異変を察知した教職員たちにより、私達3人は取り押さえられ、以後、松平瞳子には近づかないという誓約書を書かされた。

 アタック失敗!

 福沢祐巳は何となく美幸を妹にした!
 バグで支倉令は高田鉄と交際する事になった!

 やり直しますか?

  -> はい
    いいえ



15回目

 学園祭が終わり、由乃さんが妹オーディションをやるといいだした。
 お姉さまは由乃さんの提案に乗り気だった。

「オーディションなんか、必要ない。妹にしたい子がいます、というのであればいますぐここに連れてくるのね」

 アタックしますか?

  -> はい
    いいえ

 アタック開始!

「わかりました、今すぐ連れてきます」

 私はクラブハウスに向かって走った!

「あっ!」

 私は派手に転び、流血の惨事となってしまった。
 そこに可南子ちゃんが通りかかる。

「まあ、祐巳さま! 保健室におつれします」

「ありがとう」

 可南子ちゃんは私に付き添い保健室に、そして、手当が終わると薔薇の館に連れて行ってくれた。

「まあ、祐巳ったら、妹にしたい子って可南子ちゃんの事だったのね」

 違うフラグが立った!
 アタック失敗!

 福沢祐巳は細川可南子を妹にした!
 祐巳がお節介を焼かなかったので内藤笙子は島津由乃の妹になった!

 やり直しますか?

  -> はい
    いいえ



19回目

 薔薇の館でクリスマス会が催された。
 ゲストは蔦子さん、瞳子ちゃん、可南子ちゃん、そして菜々ちゃんである。
 ゲーム大会が終わって、由乃さんたちの事が片付いたころ、帰ろうとしていた瞳子ちゃんと目があった。

 アタックしますか?

  -> はい
    いいえ

 アタック開始!

 廊下で瞳子ちゃんに追いついた。

「瞳子ちゃん、帰るの? 一緒にそこまで歩かない?」

「ええ……」

 その時後ろの扉が開いた。 

「あ、私、お手洗いにいきたいので、そこまで一緒に」

 菜々ちゃん、ここは気を使って。

 視線で威圧すると菜々ちゃんは何かに気づいて部屋に戻った。

「瞳子ちゃん、一緒に──」

 その時後ろの扉が開いた。 

「あれ、瞳子……」

 乃梨子ちゃん、さっきモメた原因をもう一度思い出して。

 オーラで威圧すると乃梨子ちゃんは何かに気づいて部屋に戻った。

「あの、瞳子ちゃん──」

 その時後ろの扉が開いた。 

「暗くなってきてるから、送っていこうか……」

 蔦子さん、あなたはカメラマンでしょう? わきまえて。

 ツインテールで威圧すると蔦子さんは何かに気づいて部屋に戻った。

「瞳子ちゃ──」

 その時後ろの扉が開いた。

「祐巳、渡したい物があるの」

 お姉さま、ここは自重してください。

 曲がったタイで威圧するとお姉さまは何かに気づいて部屋に戻った。

「あの──」

 その時後ろの扉が開いた。

「瞳子ちゃん、さっきの話で言い忘れてたけど、私はお寺の住職の娘じゃなくて、住職の息子で無宗教になった男性の娘で……」

「ええっ!」

 し〜ま〜こ〜さ〜ん!!

 フラグ失敗!

 ヤケになった私はどうせやり直すのだからとロザリオを取り出した。

「瞳子ちゃん、動かないで!!」

「ひっ!」

 ロザリオを瞳子ちゃんのドリルにひっかけないようにかけようと瞳子ちゃんにとびかかる。
 瞳子ちゃんは私の異常な気配に怖じ気づき、一歩下がった。

「危ない!!」

 階段の上から落ちそうになった私達をなんとかしようと志摩子さんが手を伸ばす。

「どうしたの、祐巳!?」

「祐巳さん!」

「祐巳ちゃん!」

「志摩子さん!!」

 志摩子さんの叫び声を聞いて全員が部屋から出てきた。

「うわ〜!!」

「きゃ〜!!」

 私は瞳子と共に階段から転げ落ちた。

 転げ落ちていく瞬間がスローモーションのように感じられる。

 転げながら、私はお姉さまが見ていると確信しながら瞳子ちゃんにロザリオをかけた。



 アタック成功!

 福沢祐巳は松平瞳子を妹にした!

 エンディング(E)




 ああ、最近は一応クリアは出来るのに、またバッドエンド。
 どのフラグを立てればエンディング(A)になるんだろう。


  ->もう一度チャレンジする
   おしまい


一つ戻る   一つ進む