【2917】 馬鹿でくだらない事を  (クロス 2009-04-01 14:21:50)


【No:2916】の続き

祐巳「って、はははじゃないです!!」

聖 蓉子「!?」

祐巳「そのお菓子!!」

蓉子「えっ!? このお菓子のこと?」

祐巳「そうです!! そのお菓子はお姉さまのために作ってきたお菓子なんですよ!!」

聖「そうなの!? 私はてっきり後でみんなで食べるのかと」

祐巳「違いますよ!! うわーん!! せっかくうまく焼けたのに!!」

聖「ごめんね、祐巳ちゃん」

祐巳「ごめんで済めば警察は要らないんですよ!! 聖様のばかーー!!」

聖「ほんとにごめん!!」

祐巳「許しませんよ!! うわーんうわーん!!」

聖「じゃあ、どうしたら許してくれるの?」

祐巳「うわーんうわーん!!」

聖「ゆ、祐巳ちゃん。泣き止んで」

祐巳「うわーんうわーん!!」

聖「ほら、私のお菓子あげるから」

祐巳「うわーい、お菓子だー」ぱく

祐巳「うーん、甘くておいしいよ〜」

祐巳「幸せ〜」

聖「うんうん、祐巳ちゃんが泣き止んでよかったよかった」

祐巳「何を言ってるんですか。私はまだ許してませんよ」むしゃむしゃ

蓉子「それについては大丈夫よ」

祐巳「えっ!?」

蓉子「だって、私…」ばりっ ばりばりばり


祥子「小笠原祥子よ」

聖「祥子!!」

祐巳「お姉さま!!」

祥子「祐巳! このお菓子、ほんとにおいしいわ。今度、私の家に来なさい、たっぷりとお礼するわ」

祐巳「えっ!? あ、はい!! 喜んでもらって何よりです!!」

聖「よかったね、祐巳ちゃん」

祐巳「はい!!」

祥子「本当にうれしいわ。祐巳ったら最近瞳子ちゃんばっかに構って…」

祥子「私のことなんかどうでもいいのかと思ったわ」

祐巳「そ、そんなことあるわけありません!! わたしは瞳子もお姉さまも大事ですよ」

祥子「冗談よ。祐巳は瞳子ちゃんと姉妹になって日が浅いんだから仕様がないわ」

祥子「私もさびしいけれど、そこらへんはわきまえてるわ」

祐巳「お姉さま……」

祥子「でもね、祐巳。瞳子ちゃんと何かあったら初めに私に言いなさい」

祥子「そのときは祐巳のことを両手を広げて待ってるわ」

祐巳「あ、ありがとうございます」

祥子「お礼なんかいいのよ。だって、私はあなたのお姉さまなのよ」

祐巳「………」

祐巳「お姉さま」

祥子「何かしら、祐巳?」

祐巳「お姉さまはなんて親切なお方なんでしょうか」

祥子「まあ、祐巳ったら何を」

祐巳「なんて言うと思いますか」

祥子「!?」

祐巳「・・・」ばりっ ばりばりばり


瞳子「残念ですが、祥子様。お姉さまは私のものですわ」

祥子「と、瞳子ちゃん!!」

瞳子「まったく……わきまえてると聞いてあきれますわ」

瞳子「結局はお姉さまに構ってもらいたいんじゃないですか」

祥子「くっ!」

瞳子「まあ、そんなこと言っても瞳子とお姉さまの間に喧嘩なんってありえませんわ」

瞳子「ましてや、もしそうなってもあのお姉さまが祥子様を頼るわけないじゃないですか」

祥子「どうしてそういえるのかしら?」

瞳子「瞳子とお姉さまの間に祥子様の入り込む隙がないってことですわ」

瞳子「きっとお姉さまと喧嘩してもお姉さまはすぐに瞳子に誤ってくださいますから」

瞳子「瞳子がそれを許して、喧嘩終了ですわ」

祥子「そ、そううまくいくかしら?」

瞳子「いきますわ。瞳子とお姉さまの絆は強靭の中でも強靭ですから」

祥子「私と祐巳のだって…」

瞳子「そのお菓子」

祥子「?」

瞳子「わざわざ、構ってもらえない祥子様のために瞳子がお願いしたのですよ」

祥子「!!」

瞳子「わかってもらえましたか?」

祥子「…瞳子ちゃん、調子乗ってると後が怖いわよ」

瞳子「今の瞳子はお姉さまと姉妹になれて無敵ですから怖いものなんてありませんわ」

祥子「ふーん、そう。怖いものはないのね」

瞳子「祥子様の醜い嫉妬は怖いですわ」

祥子「!! 誰が醜い嫉妬ですって!!」

瞳子「あら、お気づきになられてないのですか? 祥子様は今嫉妬まみれですわ」

祥子「と・う・こ・ちゃーーーーーーーん!!! 覚悟はできてるんだろうな!!!!」

瞳子「望むところですわ」

ばっ がちっ 

ばしばしばしばしばしばし

ばんばんばんばんばんばん

がしがしがしがしがしがし

がんがんがんがんがんがん

しゅたっ !? !?

聖「もうやめてー!!」

祥子 瞳子「聖様…」

聖「・・・」ばりっ ばりばりばり

祥子 瞳子「!?」


祐巳「お姉さま! 瞳子! 喧嘩はやめて!!」

祥子「わかったわ、祐巳」

瞳子「わかりましたわ、お姉さま」

祐巳「みんな仲良くしなくちゃだめですよ」

祥子 瞳子「はーい」

祐巳「よかった。これにて一件落着」

祐巳 祥子 瞳子「はははははは」









令「という夢を見たんだ」

由乃「ふーん、そうなんだ(だめだ、こいつ…何とかしないと……)」


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