がちゃSレイニー、NO.239から黄薔薇分岐で書いてみました。
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由乃の対策とは「正攻法」であった。
「やっぱり親友として、二人でとことん話してみなくちゃはじまらないのよ。令ちゃん、見ててもいいけど絶対口を挟まないでね」
「うん。わかったよ」
翌日、あらかじめ人払いしておいた薔薇の館にて。
「祐巳さん。わたしたち親友よね」
「え?うん」
「よかった。ならそのつもりで聞いてほしいんだけど、祐巳さんは卑怯だと思う」
「な、なんで」
「わたしがいうと説得力に欠けるかもしれないけど、ただ慎重なのは美徳じゃないわよ。だいたい祐巳さんは自分から誰かの気持ちを確認したことがあるの?」
「…」
「考えてみれば、祐巳さんとお付き合いさせてもらってるのは、祥子さまに聖さま、あとは蔦子さんとわたしよね。みんな無理やり押しかけたようなものだし、もしかして迷惑だったかしら」
「そんなことないよ、絶対」
「なら、瞳子ちゃんはどうしてだめなの?」
「だって、勘違いだもの、絶対。本当に好きなのはお姉さまのことだから」
「わたしはもし菜々が令ちゃん目当てだとしても、全然気にしないわよ。令ちゃん相手なら絶対ひっくり返して見せるもの」
「由乃さん、前と言ってること違うよ」
「そうね。でも本当よ」
「わたしじゃお姉さまにかなうはずないよ」
「だめだったら、解消すればいいじゃない」
「いやだよ。そんなことになったら」
(悲しいじゃない…)
「そうか。わたし、捨てられるのがこわいんだ、だから」
(距離をとってたんだ)
「由乃さん。わたし、瞳子ちゃんを探してくる」
「そう?」
「妹にするとかは全然決めてないんだけど、まず、謝らなくちゃ」
「健闘を祈ってるわ」
「ありがとう、由乃さん」