このお話は
【No:226】 いたいスカートの中 作者:くにぃ
【No:288】 最高峰祐巳と瞳子と乃梨子 作者:くにぃ
の続きです。
ある日の放課後、瞳子が乃梨子とともにマリア様に下校前のお祈りをしていると、いつもの人がやってきた。
「ごきげんよう、瞳子ちゃん。ぱんつ見せて」
「ごきげんよう、祐巳さま。お断りいたします」
「いいから見せて」
「何なんですか、いきなり。バカも休み休みおっしゃってください」
「うふふ、しらばっくれてもダメよ。タヌキばんつの瞳子ちゃん♪」
「乃梨子さん、約束を破ったんですのっ!?」
「違うよ瞳子ちゃん。山百合会の情報網を甘く見ないでね★ コードネーム”写真部のエース”の定点観測網にかかっていたの」
「それって盗撮じゃないですか! しかも常設ですか!」
「何でも最近助手が出来たから網の目が縮まったとか」
「どういう部活動ですの! 瞳子が薔薇さまになった暁には写真部は真っ先に廃部決定ですわ!」
「へぇー、瞳子ちゃん、薔薇さまになるんだ。何色になるのかなー?」
「祐巳さまには関係ありませんわ。どうせ祐巳さまからはキャンディくらいしかいただけませんから!」
「まあまあ瞳子ちゃん。この間のこと(No.288)は謝るから機嫌直してよ。それよりぱんつぱんつ♪」
「往来でぱんつぱんつ連呼しないでください。乃梨子さんも黙ってないで同じつぼみとして何か言ってやってください」
「私もう見られちゃったから」
「なんですって?」
「乃梨子ちゃんはね、志摩子さんに、『乃梨子のぱんつ見てみたいわ』って言われたら喜々として見せてくれたよ」
「だってお姉さまに命令だって言われたから……」
「アホですか! 乃梨子さんはお姉さまの命令なら、ブラもぱんつもその中身も見せるんですか!」
「うん」
「即答ですか!」
「瞳子ちゃん、そんなの普通だよ。私だって芸術とお姉さまのためなら脱ぐよ」
「生憎祐巳さまは瞳子のお姉さまではありませんから、瞳子が見せて差し上げる義理はありません」
「そう?残念ね。見せてくれたら 『ざ』 の付く素敵な物をあげようと思ったのに」
「結構です。どうせ今度も座布団とかザリガニとか財津一郎とか、大方そんなところでしょうから」
「惜しい! 今回はこれ。『エリザベスカラー』(CV大山のぶ代)」
「全然惜しくないじゃないですか。それに今は水田わさびですわ。だいたいこんなものもらってどうしろというのですか」
「瞳子ちゃんのドリルに似合うかなって思って」
「いい加減になさってください。もう失礼しますわ。ごきげんよう」
「わかった! そこまで言うならとっておきの物を見せて上げるから」
「何ですの?とっておきの物って」
「えへへ、実は乃梨子ちゃんにお願いして瞳子ちゃんとお揃いのぱんつを作ってもらったの。それを特別に見せてあ・げ・る♪」
「素敵ですわ祐巳さま☆ ここでは人目がありますから講堂裏へ参りましょう。さ、早く早く」
「切り替え早っ!」
講堂裏へやって来た瞳子たち三人。
「じゃあまず瞳子ちゃんからね」
「……わかりました。では、どうぞ」
「わあ、ほんとにツインテールのタヌキだ。カワイイ!スリスリ」
「ああん祐巳さま。頬ずりなさらないで。ハァハァ」
「はー、堪能した。じゃあごきげんよう♪」
「そんな、祐巳さま。お約束が」
「へっ? あっそうそう、忘れる所だった。ごめんごめん」
「もー、祐巳さまったらお茶目さんなんだから」
「そうだ。いっそのこと取り替えっこしない? ぱんつ」
「ナイスですわ! 是非いたしましょう」
「準備するから向こう向いててね。……瞳子ちゃん、準備できた?」
「いつでもOKですわ」
「じゃあせーので交換ね」
「「せーーのっ!」」
「わーい。瞳子ちゃんの生ぱんつだ。まだ温かーい」
「あの、祐巳さま? なんでこれは未開封のビニール袋に入っているのですか?」
「だって今日のお昼休みに乃梨子ちゃんにもらったばかりの新品なんだもん。私これから由乃さんと志摩子さんに戦利品を見せに行くことになってるから。じゃあごきげんよう」
「そんな、戦利品って。祐巳さま、待ってください!」
「瞳子、とにかくまずぱんつをはけ」
「ひどいですわ、乃梨子さん。知ってらしたんでしょ? どうして教えてくれなかったのですか?」
「どうしてって、あんたがノリノリで口を差し挟むひまなかったじゃん。それと相手はあの祐巳さまだよ。いい加減学習しろ」
「……乃梨子さん。これ、ドリ、いえ、縦ロールのタヌキですわ。瞳子はどちらかというとネコではないかと思うのですが」
「私もそう言ったんだけど、祐巳さまが是非タヌキのお揃いでお願いって言うから」
「……祐巳さま……」
「だから学習しろって」