ごきげんよう、お姉さま方。
***
とある病室。
「やっと手術も終わったね、由乃。」
「そうだね令ちゃん。」
「これでやっと一人前になれるんだね。」
「うん。今まではどんなに血を吸いたくても、吸おうと思う度に発作を起こしてたからね。」
「そうだったね。」
「そのたびに令ちゃんのお世話になって。」
「それは言わない約束だよ、由乃。早速試してみる?」
「うん。ゴメンね、令ちゃん。」
カプッ チュー...
「あ、ああ...由乃...」
バタッ
「由乃...吸いすぎ...」
ガクッ
「ゴメンね令ちゃん。でも、美味しかったー。あっと、先生呼ばないと。」
ビー
「はーい、何かありましたか?」
「またやりすぎたので令ちゃん診て下さい。」
「もう、お盛んね。今行くから。」
「お願いしまーす。」
***
「ふむ、命に別状は無いようだ。吸いすぎには注意するように言って置いたはずだが?」
「ごめんなさい。『試してみる』って言われたものでつい。」
「気を付けなさい。でももう大丈夫のようだ。今ので傷も塞がったようだし。」
「本当ですか?」
「2、3日様子を見てからの退院となるが、まだ学校には行かないように。」
「えー。」
「辻褄が合わんだろう。」
「ぶー。」
「いつもの輸血パック出しとくから、それで我慢しなさい。。」
「はーい、先生。」
「ではお大事に。くれぐれも吸いすぎには注意するように。」
「ありがとうございました。」
「ふぅ、これでやっと入院生活ともオサラバじゃ〜。今まですぐ隣に美味しそうな子羊が沢山いたのに、手を出せないもどかしさといったらありゃしない。令ちゃんが下の子達に手を出してないから、やっと初物を美味しく頂ける〜。はー、待ち遠しいな〜。祐巳さんと志摩子さん美味しそう〜。真実さんや、蔦子さんや......」
「うう...よ、由乃ぉ...」
「あれ?まだいたの?令ちゃん。もう帰っていいよ。用済んだし。」
「ひ、ひどい...」
「でも私が死んだら今世紀最後の異能者だったから良かったじゃない。」
「そうだけど...」
「私、もう眠くなったしもう寝るね。オヤスミ令ちゃん。」
「おやすみ由乃...はぁ帰ろう...『偉大な先人達』に...お姉さま方に何て報告しょう...『由乃は元気いっぱいです』とでも言っておこう...うん...そうしよう。」