【3092】 戦隊ロザリオン  (bqex 2009-11-17 00:29:03)


 私立リリアン女学園。神に見守られ、幼稚舎から大学までの一貫教育が受けられるこの乙女の園を守る少女たちがいた。
 それが山百合戦隊ロザリオンである!

♪山百合戦隊ロザリオンのテーマ

 深い色の制服に 汚れ知らない心身包み
 姉に貰ったロザリオかけて 今日もリリアン守るため
 行くぞ我らの 山百合戦隊ロザリオン
 悪を蹴散らせ 愛と正義のプティ・スール
 レッド! ホワイト! イエロー!
 正義の戦士ロザリオン!
 戦え我らのロザリオン!
 山百合戦隊ロザリオン!



第1話 誕生、山百合戦隊ロザリオン!

 蓉子と江利子がロザリオを構えてカッコよく立っている。

蓉子・江利子「ロザリオン・チェンジ!」

 それぞれ、赤、黄色の光に包まれる。

蓉子「(ポーズを決めて)ロザリオン・レッド!」

江利子「(ポーズを決めて)ロザリオン・イエロー!」

聖「……」

蓉子「……」

江利子「……」

蓉子「なんでやらないのよ、ホワイト」

江利子「3人で変身しないと最後のキメ台詞の練習できないでしょう?」

聖「……って、いうかさ。それ、やらなきゃ駄目?」

蓉子・江利子「ハアァ!?」

 『何言ってるんだ、お前?』というような目で睨みつける蓉子と江利子。

蓉子「これも込みでお姉さまから受け取ったロザリオでしょう?」

江利子「ごちゃごちゃ言わないでとっとと変身しなさいよ」

聖「いや、でも」

蓉子「たしかに物事を暴力で解決するのはよくないかもしれない。でも、力をすべて悪というのであれば、敢えて悪となってでも私はこのリリアンを守るっ!」

江利子「戦う事は恐ろしいわ。でも、その恐ろしさを抱きながらも前に進む勇気も必要なのよっ!」

聖「って、いうか。あなたたちに羞恥心ってものはないのか!? 恥ずかしいでしょう! こんなのそもそも。小学生かっ! 今どき小学生の男子でもやらん事を高校1年生が何の疑問もい抱かずにやるって、ドラえもんのママ並の適応力をみせなさんなっ!」

蓉子「あのね、それこそ小学生じゃないんだから、好き嫌いでものを言わないで論理的で合理的なちゃんとした理由を言いなさい、ちゃんとした理由を。恥ずかしいはちゃんとした理由なんかじゃないわよ!」

江利子「まあ、拗ねてないで変身しなさいよ。帰りに飴買ってあげるから」

聖「するかっ!」

 聖、走り去る。

蓉子「……やっぱり、ホワイトじゃなくてブルーがよかったのかしら?」

江利子「難しい年頃ね」

生徒「きゃあーっ!」

蓉子「あ、敵」

江利子「行きましょう」

 三人の戦いはまだ始まったばかり。
 行け、我らがロザリオン!
 戦え、山百合戦隊ロザリオン!






第8話 新生! ロザリオン!

 祥子と令がロザリオを構えてカッコよく立っている。

祥子・令「ロザリオン・チェンジ!」

 それぞれ、赤、黄色の光に包まれる。

祥子「(ポーズを決めて)ロザリオン・レッド!」

令「(ポーズを決めて)ロザリオン・イエロー!」

蓉子「完璧よ。さすが新レッドね」

江利子「上出来よ。よく出来たわ、新イエロー」

祥子「お姉さまの教え方がいいからですわ」

令「ありがとうございます。お姉さま」

聖「ちょっとちょっと」

蓉子・江利子「何?」

聖「何? はこっちの台詞よ。何なのよ、この子たちは?」

蓉子「私たちは今日妹が出来たの」

聖「それは知ってるけど」

江利子「わからないかなあ。ロザリオンの変身アイテムを持つ人間が変わったって事は、ロザリオンが変わったって事よ」

聖「え?」

蓉子「今日で私たちは山百合戦隊ロザリオンを卒業して、『リリアン戦隊サンバラカン』になるべく合体ロボの操縦の研修とか受けなきゃならないのよ」

江利子「と、いうわけで、新しいロザリオンメンバーと頑張ってね、ホワイト」

聖「なんで私はまだロザリオンなわけ?」

蓉子「ロザリオ持ってるからでしょう? ロザリオンを卒業したかったらとっとと妹を見つけてロザリオを渡すのね」

江利子「じゃあね」

 蓉子、江利子はスキップして去っていく。

聖「……やってられないよ、こんなの」

 聖、ふてくされて帰る。

令「え、ホワイト?」

生徒「きゃあーっ!」

令「あ、敵」

祥子「行きましょう」

 新メンバーを加えて新たな戦いに身を投じる三人。
 行け、我らがロザリオン!
 戦え、山百合戦隊ロザリオン!






第12話 ロザリオン危機一髪!

 聖、髪を切って面変わりして登場。

令「あの、失礼ですがどちらさまでしょうか?」

聖「ホワイトだっ! ロ・ザ・リ・オ・ン・ホ・ワ・イ・ト!」

令「ホワイトだったのかっ!」

祥子「ホワイトは私のクラスメイトの栞さんにふられたのよ」

令「今どきふられて髪を切るなんて結構古風なんですね」

聖「うるさいっ!」

祥子「馬鹿ね、イエロー。空気読みなさいよ。ホワイトは見かけによらず繊細で純情な女だから、ちょっとふられただけでこの体たらくなんだから、面と向かってそんな事言っちゃ傷つくわよ」

聖「レッドの言葉がグッサグッサ刺さって繊細な心が傷ついてるわっ!」

 聖、祥子に殴りかかる。

令「お、落ち着いてください!」

 なんとか思いとどまる聖。

令「あの、それで本日は何かご用でしょうか?」

祥子「本当にイエローは鈍いわね。気を紛らわせるためにロザリオンでもやろうかなって思ってここに来たのが見え見えじゃない」

聖「お前は少し黙れよっ!!」

祥子「しかし、残念でしたわ、ホワイト。もうここにあなたの居場所はありませんわ」

聖「なんだって?」

祥子「イエロー、行くわよ」

令「ああ」

 祥子と令がロザリオを構えてカッコよく立つ。

祥子・令「ロザリオン・チェンジ!」

 それぞれ、赤、黄色の光に包まれる。

祥子「(ポーズを決めて)リリキュア・レッド!」

令「(ポーズを決めて)リリキュア・イエロー!」

祥子・令「ふたりはリリキュア!」

聖「りりきゅあ〜?」

祥子「そうです。私たちはホワイトがいないせいでずっとふたりで活動する羽目になったんです。あの決めポーズ、二人じゃ間抜けすぎるんで、ついでにロザリオンはちょっとダサいんで、リリキュアでずっとやってきました。そしてこれからも」

令「いやあ、レッドがどうしてもって言うもので」

聖「イエロー! 何故お前が照れるっ! 勝手にロザリオンを変えるなっ! ロザリオンをなめるなっ!」

祥子「あら、ロザリオンをなめているのはどちらかしら? だって、ホワイトは一度もロザリオンに変身した事すらないじゃありませんか」

聖「くっ!」

祥子「たまたま一つ年上だからって先輩風吹かせないでください。悔しかったらロザリオンとして実績を作ってからものを言ってください」

聖「く〜っ!!」

生徒「きゃあーっ!」

令「あ、敵」

祥子「行きましょう」

聖「待ちなさいって!」

 果たしてホワイトはふたりとの溝を埋めることが出来るのか!?
 行け、我らがロザリオン!
 戦え、山百合戦隊ロザリオン!






第14話 ロザリオン・イエロー騒動!

 祥子と聖、令がロザリオを構えてカッコよく立っている。

祥子・聖・令「ロザリオン・チェンジ!」

 それぞれ、赤、白、黄色の光に包まれる。

祥子「(ポーズを決めて)ロザリオン・レッド!」

聖「(ポーズを決めて)ロザリオン・ホワイト!」

令「(ポーズを決めて)ロザリオン・イエロー!」

由乃「(ポーズを決めて)ロザリオン・イエロー!」

聖「ちょおぉーっと待った!」

祥子「何でしょうか?」

聖「いや、レッドは問題ない。問題なのは」

 聖、令と由乃に向きなおる。

聖「なんでイエローが二人もいるんだ!?」

由乃「私、昨日先代ロザリオン・イエローこと支倉令さまよりロザリオを頂き、令さまの妹となりました新ロザリオン・イエローこと島津由乃と申します。以後、よろしくお願いします」

 由乃、一礼する。

聖「これはこれはご丁寧に。私、ロザリオン・ホワイトこと佐藤聖です。……って、自己紹介はいい! 新イエローが加入したら普通、先代イエローは抜けるんじゃないのっ!?」

令「いやあ。実は新イエローには新しく買ったロザリオをやったので私もロザリオを持っているんです」

聖「持ってるとか持ってないとかの問題じゃないっ! イエローは二人もいらんわ!」

祥子「レッドなら二人いてもいいんですか?」

聖「レッド、お前は喋るな!」

令「いえ、お言葉ですが、新イエローは──」

由乃「うっ! 発作が! 持病の心臓の発作が!」

聖「そういうのがあるなら先に言え!」

生徒「きゃあーっ!」

令「あ、敵」

聖「くっ、こんな時に!」

祥子「やっぱりリリキュアにしましょうよ」

聖「こんな時に何言ってるんだ、レッド!」

由乃「見える! お花畑が見える!」

聖「そっちに行っちゃ駄目だ! 行くなら保健室に行って!」

令「新イエローは私が保健室に連れていきます!」

祥子「私はリリキュアとして戦います!」

聖「リリキュアはもういいっ!」

 こうして新たな仲間を加えた彼女たちの戦いは続く。
 行け、我らがロザリオン!
 戦え、山百合戦隊ロザリオン!






第19話 新たなるロザリオン・ホワイト!

 祥子と志摩子、由乃がロザリオを構えてカッコよく立っている。

祥子・志摩子・由乃「ロザリオン・チェンジ!」

 それぞれ、赤、白、黄色の光に包まれる。

祥子「(ポーズを決めて)ロザリオン・レッド!」

志摩子「(ポーズを決めて)ロザリオン・ホワイト!」

由乃「(ポーズを決めて)ロザリオン・イエロー!」

令「(ポーズを決めて)ロザリオン・イエロー!」

志摩子「……あの」

由乃「何? ホワイト」

志摩子「私、ロザリオンは三人だって聞いていたのだけど、どうしてイエローが二人いらっしゃるの?」

由乃「スーツアクター」

志摩子「は?」

由乃「ほら、こういう戦隊ものって仮面とかかぶってるからわからないでしょう? 昔はピンクもアクションシーンは男がやってたのよ。まあ、そういう事」

志摩子「……いいの? そんな事で」

由乃「いいの。それより、今日はレッド、随分とご機嫌斜めじゃない?」

志摩子「実は今日の昼休みが終わって、授業が始まる直前にお姉さまにロザリオを頂いたのだけど、結果的にレッドを断る事になってしまったのよ」

由乃「なるほど。それでか」

志摩子「レッド。私はレッドのそういう大人気ないところが嫌だとか、世間ずれしてるところがついていけないとか、我儘すぎて疲れるとかで断ったわけではなく、単に前のホワイトが好きだっただけです。あ、でも私が謝ったところでレッドに妹が出来るわけではないので謝罪はしません」

祥子「うっわ〜、これね! これがいわゆる『チョ〜ムカツク』って感情なのねっ!」

令「レッド、落ち着いて」

祥子「悪いけど、今日はロザリオンが出来る状態じゃないから帰らせてもらうわ!」

 祥子、「きーっ」と叫びながらハンカチを引き裂いて帰る。

生徒「きゃあーっ!」

令「あ、敵」

由乃「発作が! 心臓の発作がっ!」

志摩子「イエローが大変!」

由乃「川が! 川が見える!」

令「イエロー、そっちへ行っちゃ駄目だ! 今私が保健室に連れて行ってあげるからね」

 令、由乃を抱きかかえる。

令「ホワイト、敵をお願い」

志摩子「ええっ!? 今日初めて変身したのに!」

生徒「きゃあーっ!」

志摩子「ど、どうすればいいのっ!?」

令「適当でいいから、適当で」

志摩子「無茶苦茶言わないでください〜!」

 新たな一歩を踏み出した彼女たちの苦悩は続く。
 行け、我らがロザリオン!
 戦え、山百合戦隊ロザリオン!






第22話 ロザリオンレボリューション!

 祐巳と志摩子がロザリオを構えてカッコよく立っている。

祐巳・志摩子「ロザリオン・チェンジ!」

 それぞれ、赤、白の光に包まれる。

祐巳「(ポーズを決めて)ロザリオン・レッド!」

志摩子「(ポーズを決めて)ロザリオン・ホワイト!」

祐巳「……」

志摩子「……」

祐巳「あの、今日が初めてだから、勘違いかもしれないのだけど」

志摩子「なあに?」

祐巳「確か、ロザリオンって三人じゃなかった?」

志摩子「それがね……」

 志摩子が隅の方を指さし、祐巳がよおく見る。

令「いえろぉ……いえろぉ……しくしく」

祐巳「うわっ! びっくりしたっ! 全然オーラもなくて泣いてるから全然気付かなかった。で、何があったの?」

志摩子「喧嘩になって、新イエローがロザリオを返したんですって」

祐巳「ええっ!?」

令「うう……いえろぉ……」

志摩子「もう、これからどうしたらいいものか」

祐巳「ホワイト!」

 祐巳、志摩子の手を取る。

志摩子「はい?」

祐巳「ホワイトまでどっかいかないでね。私、ホワイトがいなくなっちゃ嫌!」

志摩子「レッド……」

祐巳「だって、二人じゃないとリリキュアにもなれないじゃない」

志摩子「……はい?」

祐巳「私がリリキュアキネンシス、ホワイトがリリキュアギガンティア。で、ふたりはリリキュア・スプラッシュスター」

志摩子「レッド、ちょっとそれは……」

祐巳「あ、スプラッシュスターは嫌だった? じゃあ、マックスハートとかは?」

志摩子「いや、そういう問題ではなく……」

生徒「きゃあーっ!」

志摩子「あ、敵! 行かなきゃ!」

祐巳「じゃあ、『Yes! リリキュア』なんてどうかな? ホワイト〜っ!」

 とりあえず危機をしのいだ彼女たち。しかし、ロザリオンの危機は続く!
 行け、我らがロザリオン!
 戦え、山百合戦隊ロザリオン!






第25話 敵か味方か!? ロザリオン・ブラック!

 祐巳と志摩子、由乃がロザリオを構えてカッコよく立っている。

祐巳・志摩子・由乃「ロザリオン・チェンジ!」

 それぞれ、赤、白、黄色の光に包まれる。

祐巳「(ポーズを決めて)ロザリオン・レッド!」

志摩子「(ポーズを決めて)ロザリオン・ホワイト!」

由乃「(ポーズを決めて)ロザリオン・イエロー!」

静「(ポーズを決めて)ロザリオン・ブラック!」

祐巳・志摩子・由乃「誰っ!?」

静「カニーナよカニーナ。今はただのカニーナだけど、場合によってはサンバラカン・カニーナを名乗る事になるかもしれない者よ」

祐巳「ああ、確か山百合会の選挙に立候補された方ですよね? でも、今は正式メンバーと認めるわけには……」

由乃「たあーっ!」

 由乃、静に飛び蹴りをくらわすが余裕でかわす。

祐巳「い、イエロー。急に飛び蹴りは──」

由乃「やかましい! レッドこそ、敵となじんでるんじゃないわよ!」

静「失礼ね。将来の仲間かもしれない人間にそんな口を利くなんて」

志摩子「カニーナさん、決定してから来てください」

静「そうね。でも、世の中に絶対なんて事はないのだから、あなたもせいぜい練習しておくといいわ」

志摩子「何がですか?」

静「サンバラカンの方とロザリオンのかけもちはきついから、あなたには引き続きロザリオンメンバーとして頑張ってもらうつもりだけど、私の下で働いてもらうからにはロザリオン・ホワイトなんて名乗らせないわ。そうね。ロザリオン・腹黒(ブラック)なんてどうかしら?」

志摩子「(ぶちん!)」

静「では、ごきげんよう」

志摩子「お待ちください! これだけはこの場で言っておきます」

静「何かしら?」

志摩子「私のお姉さまは佐藤聖さまただ一人です。蟹怪人なんか姉にする気は毛頭ございません」

静「誰が蟹怪人だ、コラッ!」

 蟹怪人カニーナとの死闘が幕を開けた!
 行け、我らがロザリオン!
 戦え、山百合戦隊ロザリオン!






第30話 ホワイト、孤軍奮闘!

 乃梨子がロザリオを構えてカッコよく立っている。

乃梨子「ロザリオン・チェンジ!」

 白の光に包まれる。

乃梨子「(ポーズを決めて)ロザリオン・ホワイト!」

志摩子「さすが新ホワイトね。教える事は何もないわ」

乃梨子「私立の高校の生徒会ってすごいね。こんな事までするなんて」

 感動しながら衣装を見る乃梨子。

乃梨子「ところで志摩子さん」

志摩子「なあに?」

乃梨子「ロザリオンって『戦隊』って言ってたけど、他のメンバーはいないの?」

 ドキン!

志摩子「ホワイト。今はいろいろあって微妙な時期だからちょっとその辺は触れないでほしいの」

乃梨子「そうなの? じゃあ、仕方ないけど。でも、今、敵に襲われたら私はどうすればいいの?」

志摩子「その時は──」

生徒「きゃあーっ!」

乃梨子「し、志摩子さん」

志摩子「大丈夫。こんな時のために秘密の呪文を覚えたのよ。ロザリオをかざして『ロサ・ロサ・ギガ・ギガ・ギガンティア』と唱えたら……」

乃梨子「志摩子さん。もしかして、そのロザリオって、私が今持ってるやつ?」

志摩子「……」(←図星)

乃梨子「……」

志摩子「うわあっ! ホワイト、どうしたらいいのかしらっ!?」

乃梨子「って、本当にそうなのっ!?」

 絶体絶命のピンチを迎えたホワイトの未来はいかに!?
 行け、我らがロザリオン!
 戦え、山百合戦隊ロザリオン!






第37話 悪の将軍現る!

 祐巳と由乃、乃梨子がロザリオを構えてカッコよく立っている。

祐巳・由乃・乃梨子「ロザリオン・チェンジ!」

 それぞれ、赤、黄色、白の光に包まれる。

祐巳「(ポーズを決めて)ロザリオン・レッド!」

由乃「(ポーズを決めて)ロザリオン・イエロー!」

乃梨子「(ポーズを決めて)ロザリオン・ホワイト!」

祐巳・由乃・乃梨子「輝く三つの正義の力、山百合戦隊ロザリオン!」

??「ロザリオン。あなた達もそこまでよ!」

由乃「何奴?」

 逆光で無駄にカッコよく瞳子と可南子が現れる。

瞳子「我こそは悪の組織『キョアクー』の将軍怪人ツインドリル!」

可南子「我こそは悪の結社『ヒドー』の将軍怪人ハリガーネ!」

祐巳「な、なんですって!?」

由乃「よりによって2つの悪の団体がいっぺんに襲ってくるだなんて!」

乃梨子「こうなったら、リリアン戦隊サンバラカンに援軍を要請しなくては──」

瞳子「ふっふっふっ。キョアクーの前に恐怖したか、ロザリオンよ」

可南子「待ちなさい、ドリルチビ! ロザリオンは我々ヒドーに対しておののいているのよ。誰がキョアクーなんてケチな団体恐れるもんですか」

瞳子「寝言は寝て言いなさい、ストーカーハリガネ! そんなヒドーなんて田舎のちっぽけな団体ごときロザリオンの敵ではないわ。恐れているのはこのキョアクー──」

可南子「調子に乗るのはよしなさいな、ドリルチビ。キョアクーなんて電車賃も弁当代も出ない団体にロザリオンが倒せるもんですか」

瞳子「馬鹿を言うのはやめなさい、ストーカーハリガネ。構成員三人しかいないのに結社なんて名乗っちゃう惨め過ぎる団体ヒドーにロザリオンは荷が勝ちすぎるのではなくって?」

可南子「三人じゃない五人よ! 時給20円しか出さないケチな団体に倒されるロザリオンじゃないわよ!」

瞳子「失礼ね! 最近5円上がったのよっ! ヒドーこそロザリオンに倒されるだけの団体のくせにハッタリ言うのはやめなさいって言ってるのよ!」

祐巳「……」

乃梨子「……あのさ、喧嘩なら向こうでやってくれる?」

 無視してつかみ合いの喧嘩を始める瞳子、可南子。

由乃「今日、水戸黄門の再放送録画し忘れちゃったから、帰っていいかな?」

祐巳「えー、私も帰りたいよう」

乃梨子「行きましょうか」

 巨悪、非道な敵の前になすすべのない三人の明日はどっちだ!
 行け、我らがロザリオン!
 戦え、山百合戦隊ロザリオン!






第44話 唸れ、渾身のレッドインフェルノ!

 祐巳と由乃、乃梨子がロザリオを構えてカッコよく立っている。

祐巳・由乃・乃梨子「ロザリオン・チェンジ!」

 それぞれ、赤、黄色、白の光に包まれる。

祐巳「(ポーズを決めて)ロザリオン・レッド!」

由乃「(ポーズを決めて)ロザリオン・イエロー!」

乃梨子「(ポーズを決めて)ロザリオン・ホワイト!」

祐巳・由乃・乃梨子「輝く三つの正義の力、山百合戦隊ロザリオン!」

瞳子「追い詰めたわ、ロザリオン」

祐巳「ドリルチビ! キョアクーを離れて私たちと一緒に戦って!」

瞳子「誰がドリルチビですのっ! 私はツインドリルだって何度も何度も言ってますわっ!」

由乃「意固地になるのはやめなさいよ、ツインコロネ」

瞳子「だから、ツインドリルだって言ってるでしょう!?」

乃梨子「本当はレッドの事、好きなんでしょう? ツインド……ツインバネ」

瞳子「そこっ! 無理してわざと間違えない!」

乃梨子「ばれた?」

瞳子「ふん、そこまで言うのであれば力で示しなさい! 私のドリルで天を突く!!」

祐巳「ロザリオン・レッドインフェルノーっ!!」

 瞳子、祐巳、ちょこちょこっとお互いに駆け寄る。
 瞳子、祐巳、頭を激しく振ってお互いのおさげを激しくぶつけあう。
 瞳子、祐巳、離れる。

瞳子「はあっ、はあっ……これほどのものとは……」

祐巳「はあっ、はあっ……このままじゃやられる」

由乃「……あのさ、竹刀でちゃっちゃと決着付けていい?」

乃梨子「ハリセンもいいでしょうか?」

瞳子「これは名誉と命を賭けた一対一の勝負! 邪魔するならそっちから片づける!」

祐巳「ここは私に任せて! みんなで必ず生きて帰るんだからっ!」

 再びおさげをぶつけ合う瞳子、祐巳。

乃梨子「……どこに帰る気なんでしょうね?」

由乃「……自宅?」

瞳子「たあーっ!」

祐巳「やあーっ!」

 キョアクーの将軍、怪人ツインドリルとの最終決戦の行方やいかに!?
 行け、我らがロザリオン!
 戦え、山百合戦隊ロザリオン!






第46話 新レッド見参!

 由乃、乃梨子と瞳子がロザリオを構えてカッコよく立っている。

由乃・乃梨子・瞳子「ロザリオン・チェンジ!」

 それぞれ、黄色、白、赤の光に包まれる。

由乃「(ポーズを決めて)ロザリオン・イエロー!」

乃梨子「(ポーズを決めて)ロザリオン・ホワイト!」

瞳子「(ポーズを決めて)ロザリオン・レッド!」

由乃・乃梨子・瞳子「輝く三つの正義の力、山百合戦隊ロザリオン!」

祐巳「さすがレッド! これで後は安心して任せられるよ」

瞳子「ロザリオン・レッドの名に恥じぬよう精一杯務めさせていただきます」

祐巳「じゃあ、無理しちゃ駄目よ」

 祐巳、立ち去る。

乃梨子「ところで、キョアクーはどうなったの?」

??「ふ、ふふ、ふう。悪のはびこる限り、キョアクーは滅びない!」

由乃「いや、今の全然悪っぽくなかったけど」

乃梨子「今のは高笑いというより下手くそな口笛でしたね」

??「そ、そうですかあ?」

乃梨子「で、あなたは一体?」

笙子「悪の組織キョアクーの幹部にして、現在『ロザリオがもらえそうでもらえないランキング1位』の怪人フワフワです」

由乃「ああ。キョアクーのメガネ総帥の子分ね」

乃梨子「で、子分は何の用?」

笙子「フワフワです。単刀直入に言います。ロザリオン・レッドに話があってきました」

瞳子「ロザリオン・レッドインフェルノーっ!」

 瞳子、いきなりおさげを笙子にぶつける。

笙子「ひいいぃ! まだ本題を言ってないのに攻撃するなんて、ひどい!」

瞳子「じゃあ、『キョアクーに戻るように』以外の言葉で用件を説明していただけるかしら?」

笙子「……私たちの組織の新構成員にならない?」

瞳子「断る」

笙子「やっぱり」

瞳子「わかってるならとっとと帰りなさいよ」

笙子「子供のお使いじゃないんだから、ただで帰れませんよ」

瞳子「じゃあ、写真撮ってあげるから、帰りなさい」

笙子「い、嫌あっ! それはもっと嫌あっ!」

 笙子、泣きながら帰る。

由乃「何だったのかしら、今の?」

乃梨子「さあ?」

 キョアクーの幹部を一蹴した新レッド。だが、まだ戦いは終わったわけではない。
 行け、我らがロザリオン!
 戦え、山百合戦隊ロザリオン!






第50話 新たなる旅立ち!

 乃梨子と瞳子、菜々がロザリオを構えてカッコよく立っている。

乃梨子・瞳子・菜々「ロザリオン・チェンジ!」

 それぞれ、白、赤、黄色の光に包まれる。

乃梨子「(ポーズを決めて)ロザリオン・ホワイト!」

瞳子「(ポーズを決めて)ロザリオン・レッド!」

菜々「(ポーズを決めて)ロザリオン・イエロー!」

乃梨子・瞳子・菜々「輝く三つの正義の力、山百合戦隊ロザリオン!」

菜々「こ、こんな感じですか?」

乃梨子「うん。さすが菜々ちゃんは呑み込みが早い」

瞳子「さて、ここで突然だけど重大発表があるそうよ」

菜々「なんですか?」

瞳子「お姉さま方、どうぞ!」

 蓉子、江利子、聖、祥子、令、志摩子、祐巳、由乃が登場する。

菜々「こ、これは一体!?」

蓉子「皆さんに愛された『山百合戦隊ロザリオン』は今日で最終回なのよ」

菜々「ええっ! 私、今日入ったばかりなのにっ!」

江利子「悲しむ事はないわ。卒業は一区切りつけただけで新しい旅立ちの一歩目よ」

聖「それに、ここまで見てくれていたよい子の皆さんとのお別れであって、私たちは誰もいなくなったりしないよ」

祥子「私たちは皆さんの心の中に永遠に生き続けているわ」

令「そして、ロザリオンはリリアンを守るためにリリアンがある限りメンバーチェンジをしながら戦い続けるんだよ」

志摩子「そう。だから、悲しまないで。みんなとは笑顔でお別れしましょう」

菜々「うう、何か釈然としない」

祐巳「残念だけど、敵は滅んでないからね。この世に悪がある限り、ロザリオンは必要とされているのよ」

由乃「さあ、新しい門出にそんなしんみりとした顔するもんじゃないわ。胸を張ってお別れしましょう」

乃梨子「ロザリオン・ホワイトはリリアンがある限り永遠に不滅です! そろそろ交代するような気がするけれど」

瞳子「ロザリオン・レッドもずっと皆さんのために戦っていきます! 意外と私の方が早く交代したりして」

由乃「ほら、イエローも」

菜々「ロザリオン・イエローはその一歩を踏み出したばかりです。皆さんの熱い応援があれば皆さんの前にまた姿を現すかもしれません。これからも応援よろしくお願いします!」

 全員、一礼する。

 リリアン女学園に平和をもたらしたロザリオンの戦いは終わらない。
 行け、我らがロザリオン!
 戦え、山百合戦隊ロザリオン!

   −了−


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