もしも桂さんが勇者だったら
最初から【No:3054】
->セーブしたところから【No:3060】【No:3063】【No:3070】【No:3073】【No:3081】【No:3085】【No:3098】【No:3104】【No:3114】【No:3116】
【これまでのあらすじ】
桂は勇者として、蔦子、真美、ちさととともにリリアンを救うため山百合会と戦う事になった。
レベル40に達した桂たちはいよいよつぼみ(ブゥトン)と対決できるようになった。
黄薔薇編【No:3118】
->白薔薇編【これ】
紅薔薇編【No:3120】
「やっぱ、対戦するなら白薔薇のつぼみからでしょう。あれだけ因縁があって無視するわけにはいかないわ」
「でも、乃梨子ちゃんって強そうだよね」
ちさとが言う。
「強いかもしれないけど、瑞絵にした事は許せないし。それに、いつかは戦わなくてはならないもの」
桂の決意に全員が頷いた。
「集団でいるとたぶんまだ倒せないような気がするから、この際上級生のプライドはかなぐり捨てて、一人でいるところを『不意打ち』そして、一気に倒す!」
作戦がまとまった。
四人は万全の状態であることを確認すると移動し、隠れた。
「乃梨子ちゃんは確か今日は向こうの掃除担当だから、この辺で隠れていれば……」
「あっ、きたよ」
四人の間に緊張が流れる。
目の前を一人の下級生が通っていく。
目的の人物、二条乃梨子ちゃんだった。
四人は一斉に『不意打ち』を開始した!
「『並薔薇ポイント』を使って攻撃!」
「『スマッシュ』!」
「『ブライトアロー』+『マジックサークル』!」
「『伊舎那』!」
四人の不意打ちに対し、乃梨子ちゃんは。
「『白ポンチョ』発動。これはあらゆるダメージをなかったことにするスキルです」
と解説しながら全てのダメージを消しさった。
「更に攻撃されたことで『側にくっついて離れない』も発動しました」
四人が体勢を立て直す間もなく、地面に×印が現れて『薔薇のシャープ』を持って登場した人物がいた。
白薔薇さまこと藤堂志摩子さんだった。
「ごきげんよう。勇者パーティーの皆さん」
いつものように優しそうに微笑みながら志摩子さんは乃梨子ちゃんの隣に立って桂たちと対峙した。
「まあ、さっき会ったばかりでごきげんようは変だったかしら? でも、桂さん以外は今日はじめてよね」
ぽん、と両手を叩いて志摩子さんは言った。
「ご、ごきげんよう」
蔦子、真美、ちさとが挨拶する。
微笑みで挨拶に返すと、志摩子さんは桂に向かって言った。
「桂さん、前回瑞絵ちゃんの虎耳虎シッポ取ったでしょう?」
優しく志摩子さんが言う。
「前回? 菜々ちゃんと戦う話?」
「桂さま、せっかくうp主がゲーム風の演出にこだわって三話連続で上げてるのに、それちゃあ何もかもぶち壊しですよ」
乃梨子ちゃんは冷静に突っ込んだ。
「お姉さま、ぐだぐだにならないうちに始めましょうか」
BGMがボスっぽいものに変わった。
「戦闘前の特殊スキル『銀杏の中の桜』発動! 精神値での対決に失敗すると『魅了』、つまりスキルが使えなくなるわ」
志摩子さんがスキルを発動させた。
白いバラの幻影がいくつも現れて、その中心に志摩子さんの極上の微笑みがあった。
「『花寺』で『白』選んでるけど念のため『並薔薇』使って……1Pで成功!」
花寺とは『花寺エディション』スキルのことで、スキル習得時に選ばなかった『紅』薔薇、『白』薔薇のスキルにペナルティが与えられてしまうのだ。
神秘の力『並薔薇ポイント』を使って桂は抵抗に成功する。
「同じく『白』選んだから1Pで……成功!」
ちさとも『並薔薇ポイント』を消費して抵抗に成功する。
「まだ『花寺』取ってないけど1P使って……成功!」
真美も抵抗に成功する。
「うう、素で見とれてた……あー、私、『紅』取ったんだよね……失敗!」
蔦子は抵抗に失敗してしまう。
「モンクの状態異常回復スキル『清廉』を使って回復!」
『清廉』はスキルが使えない状態でも直後であれば回復出来る。
「『エネミー識別』!」
蔦子がエネミー識別をした結果が以下のものである。
ロサ・ギガンティアII
レベル:97
クラス:白薔薇さま
HP:330MP:254筋力:55器用:54敏捷:25精神:71知力:2白薔薇:45
特殊能力:
『白薔薇さま』白薔薇スキルと薔薇さま専用スキルを全てSL10で使用できる。
『薔薇の館の住人』リリアンエディション、花寺エディションのスキルを習得した時のペナルティを受けない。
スキル(数字はスキルレベル):(プリースト)ヒール8キュア1レイズ1プロテクト8ホーリーウェポン8ヘイスト8ブレス8
(スレイヤー)スマッシュ8コンバットマスター8バーサーカー1カバーリング1ソードダンス8リアルバウト4サクリファイス5
(モンク)地蔵8文殊8
(姉妹)姉は包んで守るもの1妹は支え1側にくっついて離れない1可愛い乃梨子が側にいる1
アイテム:
乃梨ちゃんパペット:攻撃力+15。ダメージを与えるとランダムで『麻痺』を与えることがある。
補足:おかっぱ少女のパペットにしか見えない片手剣。昔イベントでもらえたらしい。
白薔薇応援タスキ:体力が1/10になると怒涛の応援が聞こえ、武器の命中がすべてクリティカルになる。
補足:『藤堂志摩子』と書かれているタスキ。タヌキじゃない。
ロサ・ギガンティア・アン・ブゥトンII
レベル:93
クラス:白薔薇のつぼみ
HP:166MP:242筋力:2器用:1敏捷:15精神:90知力:90白薔薇:45
特殊能力:
『白薔薇のつぼみ』白薔薇スキルを全てSL10で使用できる。
『薔薇の館の住人』
スキル:(プリースト)ヒール8キュア1レイズ1プロテクト8ホーリーウェポン8ヘイスト8ブレス8リリアンの陣1源氏1
(イリュージョニスト)リベンジ1ダンスマカブル8不在者チャンス1剣道交流試合の日1
(メイジ)ウォーターブレイド1ダークストーム8バイオレンスブリザード8フライト1マジックレジスト8ブラスト1マジックサークル8
(姉妹)妹は支え1側にくっついて離れない1大好きなお姉さま1
アイテム:
ギンナン拾いVer2:攻撃力+40,地属性。
補足:どう考えたって火ばさみにしか見えない。
白薔薇のロザリオ:防御力+50
補足:借りてたはずなのに、返さないでねって言われたあれだ。
「うわっ! さすがに強いわ」
「白薔薇スキルに薔薇さま専用スキルまで使いこなすか」
「当たり前ですよ?」
乃梨子ちゃんは何をいまさらというように言い返す。
「でも、敏捷値はこっちが早いから……『シャドウ』+『サプライズ』で志摩子さんを攻撃!」
桂の姿が消える。
「回避……あら、失敗」
志摩子さんは回避に失敗する。
「命中したので『略してOK大作戦(仮)』でダメージを増やす」
志摩子さんはまったくスキルを使わずにそのまま35Pのダメージを受ける。
「次は私の番だけど、待機するわ」
志摩子さんは待機を宣言し、ちさとの番になる。
「『スマッシュ』+『バーサーカー』。命中に『並薔薇』を1P使用!」
神秘の力『並薔薇ポイント』のおかげもあってちさとの攻撃はクリティカルになった。
「お姉さま、ごめんなさい。避けられませんでした」
乃梨子ちゃんが回避に失敗する。
「いいのよ。私はファンブルだったから」
志摩子さんはファンブル(自動失敗)で回避に失敗する。
「ダメージに『ご贈答用ハム』と『並薔薇』5Pを乗せる!」
「お姉さま、ダメージは一人当たり100Pになります」
冷静に乃梨子ちゃんが計算する。
「ぴったりなの?」
「ぴったりになりました」
志摩子さんの確認に乃梨子ちゃんがそう答える。
「じゃあ、『カバーリング』して、そのダメージは私が引き受けましょう」
志摩子さんは一気にHPを200P減らす。現在志摩子さんのHPは95Pである。
「あれ? どうして『転倒』状態にならないの?」
「白薔薇スキル『授業時間を犠牲に』の効果のおかげで状態異常にならないからです」
乃梨子ちゃんが解説する。
「『ファイアウェポン』+『ブラスト』+『マジックサークル』」
勇者パーティーの攻撃力が45P上昇する。
「『伊舎那』で志摩子さんに攻撃!」
真美の攻撃に志摩子さんがこう反応する。
「乃梨子、『伊舎那』ってどんな仏様だったかしら?」
「『伊舎那』は伊舎那天のことでしょう。一面三目二臂の忿怒相、持物は右手に三叉戟、左手に杯で、牛に乗る姿につくられます」
乃梨子ちゃんはウィキペディアのようにさらさらと解説してくれる。
「さすが乃梨子ね」
志摩子さんが感心する。
「って、スキルに反応しようよ!」
桂は思わず突っ込みを入れる。
「あら、そうだったわね」
さすがに志摩子さんは回避に成功する。
「……命中率アップのスキル取るんだった」
次は乃梨子ちゃんの番になる。
「『フライト』&『ブラスト』」
乃梨子ちゃんがスキルを使うと志摩子さんと乃梨子ちゃんの背中に羽根が現れて、二人はふわりと飛んだ。
「お姉さまの番です」
「ええ。『ソードダンス』を『バーサーカー』と合わせて使用」
「『ソードダンス』って、何?」
桂が聞くと志摩子さんは親切に教えてくれた。
「『ソードダンス』は飛行状態での攻撃時に筋力値のSL倍のダメージを与えられるスキルよ」
それは固定ダメージスキルという恐ろしいものだった。
「命中判定が……あら、『ファンブル』。慈愛の証『白薔薇ポイント』使用でやり直すわ。……ああ、これなら全員クリティカルでなければ回避できないわね」
さらっと恐ろしいことを言う志摩子さん。
「『お蔵入りパン事件』で『ソードダンス』を取り消し!」
桂は慌ててスキルを使った。黙っていたら一人当たり440Pのダメージを食らうことになるのだ。
次はその桂の番である。
「『隠密状態』は続いてるので、『サプライズ』」
「あら、また『ファンブル』だわ」
志摩子さん、絶不調らしい。
「『ダイレクトヒット』で追加ダメージ!」
志摩子さんはHPが残り46Pまで減る。
志摩子さんはまたもや待機を宣言した。
「ここで志摩子さんを確実に倒す! 『スマッシュ』+『バーサーカー』!!」
ここでちさとにクリティカルが出る。
志摩子さんは避けられない。
乃梨子ちゃんも回避できなかった。
「ここでダメージ追加スキル『レイニーブルー』を!」
蔦子が畳みかける。
「『羊の中の狼』でダメージを全て消します」
乃梨子ちゃんの宣言で大ダメージが一瞬で無に帰した。
「な……」
「防御の白薔薇は伊達ではありません」
乃梨子ちゃんが冷静に言う。
「まだまだ! 『伊舎那』で志摩子さんをしつこく攻撃!」
ギリギリで志摩子さんはかわした。
「『ブライトアロー』+『ブラスト』+『マジックサークル』!」
蔦子のスキルが炸裂する。
「『ビスケットの扉前』」
「『ビスケットの扉前』。このスキルはいかなるスキル、攻撃、トラップも回避可能!」
二人は華麗に攻撃をかわした。
乃梨子ちゃんの番になった。
「『二人で六人分』を勇者パーティーの皆さんに。このスキルで皆さんの回避率は1/3になります」
よりによって乃梨子ちゃんのスキルはクリティカルで決まり、よりによって蔦子と真美はそのスキルをかわせなかった。
「あ〜、回避率の低い二人が」
「では、私の番ね。『サクリファイス』でHPを20減らして……発動したわね」
──お姉さま、がんばってください。応援しています。絶対、大丈夫です。私、信じていますから。ファイト!
急に乃梨子ちゃんの声で怒涛の応援が聞こえてきた。
「アイテム『白薔薇応援タスキ』が発動したのよ。これで武器の命中が自動的にクリティカルになるわ」
志摩子さんの武器、『乃梨ちゃんパペット』がニタアと笑った気がした。
「でもっ! 志摩子さんの今のHPは16P! ちょっとでもダメージを与えたら絶対に勝てる!」
「与えられたら、の話ですがね」
冷静に乃梨子ちゃんが突っ込む。
「志摩子さんに『サプライズ』!」
「白薔薇スキル『あんたその前に謝れよッ』でダメージをはじき返す!」
──お姉さま、がんばってください。応援しています。絶対、大丈夫です。私、信じていますから。ファイト!
同じ条件であれば、リアクション側の方が有利に判定される。
志摩子さんのリアクションは全てクリティカルの武器を使って行われる以上、そのリアクションは必ず成功する。
『乃梨ちゃんパペット』が桂のダメージをそおれとはね返す。
桂は隠密状態を解除され、更に6Pのダメージ!
志摩子さんは今度は待機しなかった。
「『ソードダンス』を『バーサーカー』で」
──お姉さま、がんばってください。応援しています。絶対、大丈夫です。私、信じていますから。ファイト!
誰も避ける事なんかできない。
その時蔦子が宣言した。
「薔薇さま専用スキル使用可能スキル『四つ葉のクローバー』でダメージ集約スキル『両手に水道管』使用! 『推理小説同好会』でHP0行動。回数限定スキル復活スキル『リベンジ』で『四つ葉のクローバー』を復活させて、『ハートの鍵穴』でこのダメージを反射! それをタイミングの違うスキル使用可能スキル『不在者チャンス』で『ブラスト』を使って拡大する!」
蔦子、渾身の反撃である。
「『不在者チャンス』使用。『リベンジ』で復活させた『羊の中の狼』使用」
乃梨子ちゃんは白薔薇姉妹へのダメージをなかったことにした。
蔦子は戦闘不能になった。
「『ライバルがいいの』を乃梨子ちゃんに! 『スマッシュ』で乃梨子ちゃんを攻撃!」
ちさとは志摩子さんの攻略を諦め、乃梨子ちゃんにターゲットを変更した。
「『カバーリング』して『あんたその前に謝れよッ』」
──お姉さま、がんばってください。応援しています。絶対、大丈夫です。私、信じていますから。ファイト!
ちさとは37Pのダメージ!
「『レイズ』で蔦子さんを復活させる!」
真美のスキルで蔦子は何とか復活した。
復活したばかりの蔦子は行動済み扱いとなり、乃梨子ちゃんの番になる。
「『リリアンの陣』でHPを30減らして回避難易度を30上昇させる! そして、全体攻撃の『バイオレンスブリザード』&『マジックサークル』!! 『白薔薇ポイント』も5P使用します」
クリティカルだった。
「『並薔薇ポイント』を全部使用! 『守りの指輪』効果で『プロテクト』を全員に!」
真美の渾身の攻撃でダメージを48Pにまで抑え込む。
また、蔦子は戦闘不能になる。
桂の番になる。
「あのさ、『スティール』で、あの人形かタスキ奪うのにチャレンジするのと、『パンダの着ぐるみ』に何らかの効果を期待して使用するのとどっちが生き残る確率が高いと思う?」
桂は真美とちさとに相談する。
「そういえば、『パンダの着ぐるみ』って効果が変わったからとっておいたけど、『アイテム鑑定』やってなかったわね」
「じゃあ、鑑定してみましょうか」
《アイテム鑑定の結果》
パンダの着ぐるみ(売れば3200G)このアイテムを使用する時に指名したパーティーメンバーを戦闘不能にする。戦闘不能にしたパーティーメンバーの数だけ、敵を戦闘不能にする事が出来る。このアイテムは使い捨てである。
補足:ここまでやらせなきゃいけないなんて、という局面で使われる。
「『パンダの着ぐるみ』使用!」
迷わず桂は宣言した。
「うわーっ! なんて勇者なのっ! 信じてついていくパーティーメンバーを切り捨てるだなんてっ!」
「桂さんも人を踏み台にしていくのねっ!」
真美とちさとは抗議する。
「何言ってるのよっ! いっつもみんな『桂さん、「チョコレートコート」で攻撃あてたいから攻撃食らって』とか『桂さん、ここでダメージ受けないと大変なことになるからダメージ受けといて』とか言ってガンガン攻撃したり、盾にしたりしてるじゃないのっ!! それに、あなた達、漫画版だのアニメ版だのじゃ人の出番取って出演してるじゃないっ!! どっちが踏み台にされてるっていうのよっ!!」
どさくさにまぎれて怒りを爆発させる桂だった。
「後半とか意味がわかりません」
「とぼけないでよっ! 2期目の最終回で真美さんが私の台詞取った時、全国の桂ファンは涙にくれたのよ!」
アニメの話らしい。
「桂さま、お怒りの所申し訳ありませんが、『パンダの着ぐるみ』を使う際の生贄を指名してください」
あくまで冷静に乃梨子ちゃんが言う。
「決まってるわよ! 真美さんとちさとさんを戦闘不能にする! そして、現在の敵パーティーは二人だから、これで私たちの勝利よ!」
真美とちさとは戦闘不能になった。
志摩子さんと乃梨子ちゃんも戦闘不能になった。
が。
「戦闘不能になりましたので、プリーストのスキル『ブレス』で復活!」
乃梨子ちゃんは復活した。
「は?」
「私も『ブレス』使用。桂さん。プリーストのスキル『ブレス』は1日1回だけ、戦闘不能になった直後に使用するとSL×10の体力で復活するの。スキルや『白薔薇応援タスキ』の効果はなくなってしまったけれど、『ブレス』は復活後行動済み扱いにならないという利点もあるの」
復活した志摩子さんは静かにそう教えてくれた。
「な、なんですってーっ!!」
「そりゃあそうでしょう。私たちはHPを減らすスキルばかりですから、こういう保険の一つや二つ持ってますよ」
次は志摩子さんの番だが、待機を宣言して乃梨子ちゃんを先に行動させる。
「『フライト』。お姉さま、もう少しです」
「ありがとう乃梨子。『ソードダンス』を桂さんに。命中判定には『白薔薇ポイント』を10P使用」
その攻撃はクリティカルし、そして、桂は避ける事が出来なかった。
「桂さん、最後だから言っておくわ」
「な、何を!?」
「イッペン、死ンデミル?」
「!!」
桂は戦闘不能となった。
戦闘は白薔薇姉妹の勝利となった。
「こ、こういう時こそ『降誕祭の──』」
「強制セーブ!」
志摩子さんが強制セーブしたおかげで、桂たちはやり直す事が出来なくなった。
向こうからやってくる人が見えた。
「……祐巳さん」
祐巳さんと瞳子ちゃんの紅薔薇姉妹だった。
「志摩子さん。ご苦労さま。あとは私が」
「そう。じゃあ、あとはお願いするわね」
志摩子さんと乃梨子ちゃんは立ち去る。
「さて、桂さんたちは山百合会の幹部に負けたので『ペナルティ』だね。まあ、『前』の『忘れる』っていう『ペナルティ』でどうして私たちに勝てなかったのかまで忘れちゃったみたいだけど──」
前?
忘れる?
一体何を言っているんだ、祐巳さんは。
「今回は、う〜ん。そうだ。二度と逆らえないくらいの『ペナルティ』にしようか」
何かとてもヤバそうなことを言っている。
なんとかしないとマズイことになる。
わかってはいるが、桂たちはもう何も出来ないのだ。
祐巳さんがスキルか何かを使っている気配がする。
その時だった。
「アイテム『紅いカード』発動!!」
瞳子ちゃんだった。
目の前が真っ赤になって。
そして、何もかもわからなくなった。
->だから、何が起こったんだあっ!!【No:3124】
いや、もう、興味ないし