もしも桂さんが勇者だったら
最初から【No:3054】
->セーブしたところから【No:3060】【No:3063】【No:3070】【No:3073】【No:3081】【No:3085】【No:3098】【No:3104】【No:3114】【No:3116】【No:3118】(黄)【No:3119】(白)【No:3120】(紅)【No:3124】【No:3136】【No:3140】【No:3155】
祐巳さんは宣言した。
「『温室に呼び出し』! で『いたっ!』発動! 『カマドウマの領域』を発動させる!」
桂はスキル打ち消しスキルを使った。
「『お蔵入りパン事件』で『いたっ!』取り消し! いつもの『これまでのあらすじ』もやらないでいきなりスキル発動しないでっ!!」
「ああ、それなら。瞳子」
祐巳さんの合図で瞳子ちゃんが言う。
「【これまでのあらすじ】。桂さまは勇者として蔦子さま、真美さま、ちさとさまとともに山百合会と戦っています。以上」
「手抜きっ! それは手抜きっ!」
桂の突っ込みに瞳子ちゃんが少し考えてから補足する。
「じゃあ……対戦相手の薔薇さま方は大変恐ろしい方々で、紅薔薇さまは目をつけた後輩を呼び出してはシメて舎弟にし、白薔薇さまは右も左もわからない後輩をモノにし、黄薔薇さまは中の人から『由乃も大人になろうよ』と言われたり、原作者に『ごめんね〜。今回も由乃が……』と言われるような方々です」
「こらあっ!」
由乃さんが叫ぶ。
「でも、事実じゃないですか」
ボソッと菜々ちゃんが呟き、由乃さんは菜々ちゃんに竹刀で殴りかかるがあっさりとあしらわれる。
「ん? いつもの『銀杏の中の桜』と『黄薔薇真剣勝負』はやらないの?」
ちさとが聞く。
「仕方ないわよ。私たちは二度もあなたたちに負けたからレベルがグググッと下がってしまったのだもの」
由乃さんがため息をついていう。
「そうそう。祐巳さんなんてレベル69もダウンしたのよ」
志摩子さんが暴露する。
「違う、68だってば!」
祐巳さんがすかさず否定する。
「こらッ! こんなところで懐かしい小ネタを使わないっ!」
桂は厳しく突っ込む。
「そのネタは辛いんだからっ!! 絶対に使わせないっ!!」
びしっ! と桂は祐巳さんを指差した。
「おおっ! 桂さんが怒っているっ! ついに桂さんがやる気になったっ!?」
由乃さんが言う。
「えっ、『神無月の巫女』の小ネタ程度でやる気になってくれるんだったら、あんなまどろっこしいことしなかったのに」
祐巳さんが驚く。
「あんなまどろっこしいことって?」
桂はピクリと眉を上げる。
「瑞絵ちゃん、笙子ちゃん、日出実ちゃんを襲ったり、『紅いカード』を瞳子に発動させて過去に送り込んだり、一緒に過去に出向いてこっそり桂さんたちが勝てるようにカードを配置したり、他にもいろいろ仕込んだり、かな」
祐巳さんは隠すことなく、むしろ堂々と言ってのけた。
「じゃあ、美冬さまを襲ったのも?」
「ううん、ウァレンティーヌスはちょっと気にくわないからどさくさにまぎれて」
「……」
一同、沈黙。
「と、とにかく、どうしてそんな事を?」
気を取り直して桂は聞く。
「桂さん、私たちと戦いたくないようなこと、言ってたじゃない? それって、私たちとしては非常に困るのよ。だから」
祐巳さんはそう言うと唇の端を微かに上げた。
「どうして!?」
「それを知りたかったら、私たちを倒して」
「く……結局はこのパターンになるのね」
桂は諦めた。
「『ファーストブレイク』」
桂は割り込みスキルで先手をとる。
「『いたっ!』で『カマドウマの領域』を展開!」「『黄薔薇☆絵日記』でなかったことに!」「『お蔵入りパン事件』」「『黄薔薇☆絵日記』」「『お蔵入りパン事件』」「『お蔵入りパン事件』」「『お蔵入りパン事件』」「『リベンジ』で『お蔵入りパン事件』を復活させて使用!」「こちらも『リベンジ』で『お蔵入りパン事件』を復活させる!」
これで全員が今回使用できるスキル打ち消しスキルを使いきったはずだった。
「『お蔵入りパン事件』」
宣言したのは瞳子ちゃんだった。
「そうか! 前回瞳子ちゃんは勇者パーティーに加わって戦っていたからレベルダウンの対象外なのね!」
「しまったああぁっ!」
スキル打ち消しスキルを使いきっていた一同。
その時だった。
「ちょっと待ってください! こちらも『お蔵入りパン事件』を使用します!」
そう言って駆けつけたのは日出実ちゃんだった。
「日出実!」
「お姉さま、答えを聞かせてください。あの時、お姉さまは私にキスをしたんですか?」
日出実ちゃんは【No:3104】の『真美×日出実は本編でキスをしたのか?』疑惑についての決着を求めてきた。
「日出実、あなたと私はキスをした、しなかった程度で崩れ去るような絆しか作ってこなかったとでもいうの?」
真美は静かに答えた。
「私は、だから……」
日出実ちゃんは動揺していた。
「私は『今まで』はキスなんかしていないっ! ……これからは、知らないけど……」
真美は赤くなって最後は消え入るように言った。
日出実ちゃんも赤くなってうつむいた。
「お、お姉さま……」
もじもじとしながら、お互いの方を見ないようにして頬を染める新聞部姉妹。
「無用の百合など入れちゃって、白薔薇姉妹だけでもうっとうしいって言うのに」
由乃さんがブツブツ言う。
「あら、由乃さん。何か?」
志摩子さんが静かに微笑む。
急に由乃さんはがたがたと震えだして、首を左右に強く降る。
「な、何でもないわよっ! ……これ以上誰もスキル打ち消しスキルは使わないのね。じゃあ、まだターンの最初の攻撃が始まっていない今、私が『ファーストブレイク』で割り込んで……」
由乃さんが宣言しかけた時、何者かが割り込んできた。
「『お蔵入りパン事件!』」
笙子ちゃんだった。
「蔦子さま!」
「笙子ちゃん」
「蔦子さま、あの……」
蔦子さんは笙子ちゃんの唇に人差し指を当てて言った。
「笙子ちゃん。全ての敵を倒し終わった後、大切な話があるから、部室で二人で」
「は、はいっ!!」
「蔦子さん、『死にフラグ』立てないで〜」
キラキラとした目で明後日の方を見つめる笙子と対照的に、ちさとはがっくりとうつむいた。
「さて、誰も割り込まないならターンの最初は私!」
蔦子さんが山百合会の方に向き直る。
「『フライト』でこちらのパーティー全員を飛行状態に!」
勇者パーティーが全員飛行状態になる。
「フン、そんなものは我々が練習の時によく相手にする手。新スキル『日光月光』を『バーサーカー』で全体攻撃に変更! 1Pでもダメージを与えたら飛行状態は解除させることが可能!」
菜々ちゃんが前に出て攻撃する。
「『四つ葉のクローバー』で薔薇さま専用スキル使用! 『両手に水道管』でダメージをすべて引き受ける!」
日出実がダメージをすべて引き受けた。
ダメージ軽減スキル『プロテクト』を使用するが、さすがにダメージを受け、飛行状態は解除される。
「『黄薔薇注意報』で全体攻撃!」
「『プロテクト』!」
お互いに地味にHPを削り合うが、決定打が出ない。
黄薔薇姉妹の攻撃力、白薔薇姉妹の防御力、そして、紅薔薇姉妹のゲーマー魂が三位一体となって勇者パーティーを襲っていた。
「召喚獣召喚スキル『サモン・ピグマリオン』! 追加スキル『静かなる夜のまぼろし』の効果で召喚獣八体召喚!」
瞳子ちゃんのスキルで八体の召喚獣祐巳が現れる。
「どうする!? このままじゃ、負ける!」
「なにか、何か見落としている事はない!?」
四人は考えた。
そして、思い出した。
「立浪繭さ〜ん! 私たち、レベル50突破して随分たつので、【No:3116】の伏線回収に来てくださ〜い!」
「え!?」
瞳子ちゃんが動揺する。
「やっと呼んでくれたわね!」
待ちくたびれていた様子で繭さんが現れた。
「ここで私が教えるスキルは『三つ葉のクローバー』! 何らかのスキルが発動している時にこのスキルを発動すると発動中のスキルの使用者は『三つ葉のクローバー』の発動者として扱われるというスキル横取りスキルなの! このスキルの凄いところは、判定は器用値判定、しかも、MPがあれば何度でも使用可能という点! 欠点は消費MPが50PというMPの無駄遣いスキルである点よ!」
「ありがとう! 繭さん!」
繭さんは髪飾りを光らせて退場した。
桂、蔦子、真美、ちさとは『三つ葉のクローバー』を習得した!
「な、なんのっ! MPによらない攻撃をすればいいだけの事っ! 召喚獣による八連続攻撃を味わってください!」
だが、四人は再び動いた。
「高城典さ〜ん! 【No:3116】の伏線回収に来てくださ〜い!」
「なにゅい〜っ!!」
瞳子ちゃんはさらに動揺した。
「お呼びかしら?」
無駄にカッコイイポーズで、無駄に逆光で、無駄に高いところから典さんは登場した!
「ただちに戦闘に加わってください!」
「いいわよ」
「ルール的に、瞳子ちゃんの召喚獣より典さんの敏捷値が高ければ、ただちに典さんが行動出来る……よし! 典さんの方が速いっ!!」
典は前に出た。
「『サモン・ピグマリオン』で召喚獣召喚! 『静かなる夜のまぼろし』で八体に!」
典さんは素早く召喚獣瞳子を八体召喚する。
「ひいっ!!」
「召喚獣の行動は同じであれば、召喚者の敏捷値に依存する! つまり、典さんの敏捷値が瞳子ちゃんの敏捷値を上回っていれば召喚獣瞳子の方が早く行動可能! ……これも典さんの方が早いっ!!」
「ぐふあっ!!」
「行きなさいっ! 私の瞳子ちゃん!」
典さんの呼びだした召喚獣瞳子が瞳子ちゃんの呼びだした召喚獣祐巳にピッタリと抱きついた。
「全部召喚獣自爆スキル『バーストブレイク』使用!」
「あああああっ!」
召喚獣瞳子のHPと召喚獣祐巳のHPはピッタリ同じだった。
瞳子ちゃんの召喚獣は全て巻き込まれて戦闘不能になった。
「なんか、複雑……」
典さんはため息をついた。
「うう、変なスキルを使ったら横取りされる……いや、横取りされないスキルを使えばいい!」
由乃さんが動いた。
「特定の敵への攻撃力を増す『ライバルがいいの』で桂さんを指名! そして普通に攻撃! これを仮に横取りしても桂さん以外への攻撃は半分になる!」
由乃さんが桂に向かって攻撃する。
「そのスキルなら、かばっても行動済みにならない『カバーリング』を使えば簡単に防げますよ」
桂の前に立ちはだかったのは、可南子ちゃんだった。
「か、可南子ちゃん!?」
「山百合会の皆様、そろそろけりをつけたいのでしょう? 協力します」
不敵に可南子ちゃんが笑う。
「ちょっと、どうして私たちは呼んでくれないのよ! 水臭いじゃないの!」
環さん、百ちゃんが駆け付ける!
「私の事も、忘れないでくださーい!」
恭子ちゃんが現れる。……誰って言うの、やめなさい。
「私だって、手伝うわ!」
水奏さん、登場。
「いつになったら私たちのターンが来るのかしら?」
「あら、あなたは怪しいわね。ふふふ」
敦子ちゃん、美幸ちゃんが乱入してきた。
「みんな……」
全員が言う。
「さあ! 山百合会を倒してしまいましょう!!」
一人の生徒が前に進み出た。
「お姉さま、今のお姉さまに必要なものをとってまいりました」
「瑞絵」
瑞絵が立っていた。
「これは『波留先輩のラケット』です! これこそが史上最強の武器、エクスカリバーよりも村雨よりも強い、お姉さまに託された武器です」
「先輩……」
桂がラケットに手を伸ばすと、波留先輩の思いが伝わってきた!
『桂ちゃん! 「マリみて」実写化は「無印」だから、たぶん出番あるよ!』
「ちょ、ちょっと、『たぶん』ってなんですか!? 映画オリジナルキャラに入れ替わってるとか、『コミック版』の悪夢を思い起こさせないでくださいっ!!」
コミック版で桂は誰かと入れ替わっていて出番がなかった。
『私、祥子さま役の人と名前似てるよ! って、いうか。私だったらどうしようっ!!』
「ちょ、ちょっと! それだけはありませんから落ち着いてくださいっ!!」
『映画化と 言う名のはるが ここに来た』
「なんでいきなり俳句なんですか!?」
『全てを出しつくしてますか? ……ダメか。じゃあ、桜を見てみろよ。桜はなあ、この、一年の、この時のために、全てを出してるから美しいんだ。大丈夫! 君も美しくなれるよ。だって、桜だから』
「だから、私は桂ですって!」
『さあ、桂ちゃん! 今こそこのラケットを使って、全員修造だよっ!!』
「修造は結構です! ……でも、ラケットは使わせていただきます」
桂は『波留のラケット』を装備した。
「では、これで攻撃を……って重いっ! 重すぎるっ! 波留先輩のラケットこんなに重かったっけっ!?」
『桂、飾ってないでちゃんと使うのよ〜』
桂の頭の中に桂のお姉さまの声が聞こえる。
どうやら別の重みも加わって重くなっているようだ。
「頑張れ頑張れ桂さん!」
「頑張れ頑張れ桂さま!」
桂はみんなの応援を受けて攻撃を始めた。
駆け付けてくれた多くの仲間たちも攻撃を始める。
山百合会の面々は徐々に追い詰められていく。
「もう切り札がない以上、お姉さまを『カバーリング』!!」
「菜々っ!」
菜々ちゃんが由乃さんをかばって戦闘不能になる。
「『四つ葉のクローバー』で『両手に水道管』使用! HP0Pで『推理小説同好会』使用! 『あんた、その前に謝れよッ!』で攻撃をはじくっ!!」
乃梨子ちゃんが全てのダメージを引き受けて、戦闘不能になりながら反撃する。
「『両手に水道管』使用! 祐巳さん、由乃さん、後はお願いっ!!」
志摩子さんも離脱する。
「『カウンターショット』!」
「しまったっ! 押しきれなかったっ!! 祐巳さん、任せたっ!!」
由乃さんが落ち、ついに紅薔薇姉妹のみになった。
そして、桂の番になった。
「防御力無視攻撃『ピンポイントショット』に今ある神秘の力『並薔薇ポイント』をすべて使用! ターゲットは……瞳子ちゃん!」
「なっ!」
「それに『剣道交流試合の日』で回避を不可能にする!」
「まだ、そんなスキルを残していたとはっ!」
桂の攻撃はまっすぐ瞳子ちゃんを捕らえた。ハズだった。
「姉妹スキル『姉は包んで守るもの』で瞳子をかばう!」
祐巳さんが割り込んできた。
「そ、そんなことなさったら、お姉さまっ!?」
「うん。HP、OPになる」
祐巳さん、戦闘不能。
「……お姉さまが敗北したので、行動を放棄し、降参します」
瞳子ちゃん投降。
桂たちはついに山百合会を倒した。
「祐巳さん、どうして? どうしてこんな事を? 最後だって、祐巳さんと瞳子ちゃんならもっと粘れたでしょう?」
「ばれた?」
祐巳さんは笑う。
「ねえ、約束でしょう? 教えて!」
「うん」
桂に促され祐巳さんは話し始めた。
「この学園にある危機、それと山百合会はずっと戦い続けてきた。毎年毎年、妹たちを厳しく鍛え上げ、そのためだけに三薔薇は存在するというくらいに」
志摩子さんが引き継ぐように話し始める。
「しかし、その危機を私たち三薔薇は倒せずに毎年毎年封印して、次の世代に残すことしかできなかったのよ」
「どうして?」
由乃さんが答える。
「その危機を倒すために必要なスキルを習得できるのは、伝説の勇者『並薔薇さま』だけなのよ」
「な、『並薔薇さま』!?」
誰かがごくり、と息を飲んだような音がした。
「そして、その伝説の勇者『並薔薇さま』の条件は『三年連続で三薔薇に勝つこと』なのよ」
「そ、そんなっ!?」
祐巳さんが言う。
「私たちはどんなに強くなっても、危機を倒すことなく次の世代まで封印してつなぐだけの役割でしかない。リリアン女学園最強であっても、本当に敵を倒せるのは『並薔薇』の力を持つもの。おかしな話よね。強くなって真実に近づけば近づくほど危機を倒す事からは遠のいていく」
「山百合会だって『並薔薇さま』任せにしようだなんて思ってはいなかった。『並薔薇さま』の資質を持つ祐巳さんを山百合会に引き入れて英才教育を施したり、由乃さんがロザリオを返して一時的に山百合会を離脱したりしたわ」
「祐巳さんが瞳子ちゃんにギリギリまでロザリオを渡さなかったのも、理論上『並薔薇さま』の資格を持つ瞳子ちゃんの活躍に期待したから。でも、全部ダメだった」
祐巳さん、志摩子さん、由乃さんは桂の手をとった。
「桂さん、お願い。リリアンを救って」
「え」
「あなたは伝説の勇者『並薔薇さま』、リリアンを救うことができる唯一の存在『並薔薇さま』なのよ」
「で、でもっ、私一人の力で山百合会の事を倒したわけじゃないし……」
「大丈夫。桂さんなら絶対に出来る」
「あの……」
「『並薔薇さま』にしか習得出来ないスキルは『薔薇の館』の会議室兼サロンの机の上にわかるようにおいてあるわ。さあ」
「三人とも……じゃあ、始めから……」
祐巳さん、由乃さん、志摩子さんは笑って何も言わない。
「桂さん、こうなったらその危機を倒そう」
蔦子が四人の手の上に自分の手を重ねて言う。
「ここまで来て、逃げるわけにはいかないわよね?」
同じように手を重ねて真美が言う。
「最後までご一緒させて」
ちさとが手を重ねて言う。
「みんな……」
桂が仲間を見回すと、力強く全員うなずいた。
「ありがとう、みんな。私、最後までやってみる!」
「頑張れ、桂さん」
「私たちも応援してる」
「あ、そうだ。大事なものを忘れるところだった」
祐巳さんが言う。
「ドロップ品よ」
「あ」
《今回のドロップ品》
未来の白地図(勇者限定スキル)このスキルを得たものは任意のスキルをただちに使用できる。ただし、効果が発動するのは10ターン後である。一日1回限定。
補足:神様のように世界を思い通りに出来る、かな?
本物(誰でも覚えられるスキル)このスキルを得たものは『並薔薇ポイント』『紅薔薇ポイント』『白薔薇ポイント』『黄薔薇ポイント』を使用するとき、半分のコストで倍の効果を得られる。
補足:甘い香りがしたような錯覚までさせる、かも。
サムライ(誰でも覚えられるスキル)このスキルを得たものは隠しクラス『武士』にクラスチェンジ出来る。
補足:なんちゃって武士、なんて言っちゃって悪かったかな?
桂たちは薔薇の館についた。
最終決戦の地、パンデモニウム。
ゆっくりと扉を開けて、ギシギシと階段を鳴らして二階に向かうと三人の言っていた『スキル』の巻物があった。
《今回ゲットしたスキル》
クリスマス(並薔薇さま専用スキル)このスキルは使用する度に効果が変わる。いわゆる『パルプンテ』(笑)。習得するためには以下の条件をクリアする事。
三年連続で『薔薇さま』に勝利すること。
また、スキル『クリスマス』を習得したものが使用する以下のスキルの効果は以下のように書き変わる。
『降誕祭の奇跡』パーティー全員のHPが0になった時、パーティー全員のHPを最大HPにまで引き上げる。一日1回使用可能。
『いばらの森』全体攻撃スキル。1Pでもダメージを与えると特殊効果『呪縛』状態に出来、『呪縛』された敵はHPを保持したまま一切の行動を行う事が出来ない。他者による『呪縛』の解除は可能。
『黒いリボン』薔薇の館に帰還すると一日に回数限定で使用するスキルの使用回数がリセットできる。ただし、連載中に3回まで使用可能。
『未来の白地図』このスキルを得たものは任意のスキルをただちに使用できる。効果の発動はこのスキル発動時に任意に設定可能。一日1回限定。
『静かなる夜のまぼろし』常時召喚獣をSL体召喚していることに出来る。
『白き花びら』任意の者の行動を任意に操る事が出来る。白薔薇のつぼみ以外でも使用可能。連載中1回使用。
「おお、なんだかもの凄くパワーアップした気分」
「どうなんだろう、実際?」
「さて、最終決戦と行きますか」
「そうだね」
四人は回復し、ステータスをチェックした。
「さっそく、『黒いリボン』で回数限定スキルを回復。っと」
「装備品もいいね」
「じゃあ、最終決戦と行きますか」
「その前に、最後のセーブを」
->やっぱり分岐するのかよ黄薔薇編【No:3166】
->マルチエンディングかよ白薔薇編【No:3167】
->密かにネタバレするのか紅薔薇編【No:3168】
次回、三連続で来るのかよ。自重しろ(ごめんなさい)