【3173】 転校生祐巳  (bqex 2010-05-13 00:33:25)


『マリア様の野球娘。』(『マリア様がみてる』×『大正野球娘。』のクロスオーバー)
【No:3146】【これ】【No:3176】【No:3182】【No:3195】【No:3200】【No:3211】
(試合開始)【No:3219】【No:3224】【No:3230】【No:3235】(【No:3236】)【No:3240】【No:3242】【No:3254】(完結)

【ここまでのあらすじ】
 平成時代のリリアン女学園に通う福沢祐巳は小笠原祥子の危機と聞かされ謎の少女に協力を約束してしまう。
 謎の少女に連れてこられた先は時空を超えた大正時代の東邦星華女学院。ここで小笠原晶子のいる桜花会とともに野球をする事になってしまった。



 大正時代。
 浅黄中学との練習試合を終えて桜花会の面々と祐巳は東邦星華の旧寮に戻ってきた。
 旧寮は現在桜花会の貸し切りで、合宿の拠点になっている。
 みんなは初めての試合にぐったりとしていたが、祐巳は別の事を考えていた。

(あ〜、着替えたい)

 祐巳のいた平成時代の季節は冬だった。しかし、連れてこられた大正時代は真夏。制服は借りたものだが、下着は冬のそれで、3回しかプレーしなかったとはいえ汗をかいた。
 この汗べっとりの下着を脱ぎ棄てて今すぐお風呂にでも入りたいのだが、替えがない。
 家に帰って即行お風呂に入りたいのだけれど、どうやって帰ればいいのかがわからない。
 そんなとき、入り口に着物姿の女性、祐巳をこちらの世界に連れてきた彼女の姿があった。

「祐巳さん。ちょっといい」

 彼女に引っ張られて祐巳は隅の方に連れて行かれる。

「祐巳さん、私、言い忘れていたけれど、まさか、時空を超えて平成から大正時代に来ただなんて言ってないでしょうね?」

「言ってませんよ。それより──」

「よかったわ。これからも言っちゃ駄目よ。あ、もちろん、大正十四年より未来のこともね。もうすぐ大正が終わるとか、大人になったらきっと戦争に巻き込まれるとかね」

 祐巳のききたいことを遮って勝手に彼女はまくしたてるように喋る。

「言っても誰も信じませんよ」

「念のため、よ。言ってないならいいわ。はい、これ」

 といって彼女は手提げ袋を渡してきた。

「何ですか? これ?」

 祐巳は袋の中を覗き込む。

「着替えとか日用品。下着とか歯ブラシとか一週間の生活に必要なもの」

「ありがとうございます……って、まさか……」

 祐巳は嫌な予感しかしなかった。

「一週間経ったら、ちゃんと平成に帰すわよ。とにかく、一週間、一週間彼女たちと頑張って」

 彼女は拝むように言う。

「何言ってるんですか。明日から二学期末のテストだってあるんですよ! もう、一週間って言ったら……ああああ」

 その場に祐巳はへたりこんだ。
 頭の中に浮かんだのは先日祥子さまとかわした約束。

 期末試験が終わったら二人で遊園地でデートする約束。

 遊園地デートはホワイトデーと祐巳の誕生日のお祝いを兼ねて春から約束していたものだったが、諸事情で延び延びになり、それが原因で一時は姉妹解消寸前までいった二人だったが、いろいろあって絆は深まった。
 しかし、それ以来遊園地に行くという話はほどんどでなくなっていて、祥子さまに切り出された時も祐巳はすぐに反応できなかった。
 その約束を果たすため、今日はそのスケジュールを決定する予定だったのだ。

「テストだったら、風邪をひいたといって試験休みに追試を受ければ大丈夫でしょう?」

 彼女は祐巳の約束を知らずにそんな事をいうが、祐巳にとっては『デートはなし』の最後通牒。

「祐巳さん、しっかりしてよ。試合が出来ないと祥子さんの危機は回避できないのよ」

 そこで祐巳ははっとした。
 もし、彼女のいうことが本当であれば祥子さまは生まれてこないかもしれないのだ。

「あのっ」

 祐巳は立ち上がって彼女に聞いた。

「ここ、本当に大正時代なんですか?」

「そうよ」

 彼女は答える。

「ここで桜花会の人たちと野球をやれば祥子さまは生まれてくるんですよね?」

「ええ。浅香中学との試合が成立すれば」

 彼女はいった。

「……わかりました」

 仕方がない。祥子さまとデートしたくても祥子さまが生まれてこなければデートはできないのだ。祐巳は泣く泣くそういいきかせた。

「じゃあ、後はよろしく。一週間後にね」

 彼女は立ち去ろうとする。

「待ってください。失礼ですが、あなたのお名前を聞いていませんでした。教えていただけませんか?」

 ようやく気になることを聞けた祐巳。

「……そうね、どうしても呼び名が必要なら……ありさと呼んで」

 微笑むとありささんは消えてしまった。

「……いっちゃった」

「祐巳さん、どうしたの?」

 背後で声がした。
 鏡子さんだった。隣には胡蝶さんもいた。

「ああ、ごめんなさい。あれ、それは」

 カレーだった。10皿もある。

「ヤッコのカレーです。小梅さんが頼んでくれまして、今ついたところだったんですよ」

「手伝うよ。鏡子さん、怪我してるのに大変でしょう」

 祐巳はそういうとカレーを持つのを手伝った。

「ありがとう、祐巳さん」

 鏡子さんが礼をいう。

「大変だね。こんな時に怪我だなんて」

「ちょっと、痛めてしまって……お医者さまの話では試合の日には間に合うかもしれないといわれていますが……」

 目を伏せるように鏡子さんがいう。

「そっか。治るといいね」

「え?」

 鏡子さんが聞き返す。

「試合。本当は出たいんでしょう?」

「うん。でも、どうして?」

 祐巳は鏡子さんの手を取った。

「鏡子さんの手。マメだらけになってるじゃない。これ、素振りでしょう? こんなに努力してきたのに、本番の試合に出られないのは辛いよね」

 鏡子さんの目から涙がこぼれた。

「きょ、鏡子さん!? ごめん! 泣かせるつもりじゃ──」

「そうじゃないの、祐巳さん。実はね、私、皆さまのお仲間に加えていただいて、本当に嬉しくて、それで、張り切り過ぎて、練習のしすぎで手を痛めてしまったの……私、空回って……今日練習試合があるってわかってたのにみんなに迷惑かけた……」

 そっと祐巳は鏡子の涙を指で拭くと言った。

「みんな鏡子さんの事を迷惑だなんて思ってないよ」

「でも」

「逆の立場だったらって考えてみて。一生懸命頑張った人を迷惑だなんて思わないでしょう? それに、みんな鏡子さんの分まで頑張ることになっても辛くなんかないんだから」

「どうしてっ」

「だって、仲間だもの」

 はっとした表情で鏡子さんは祐巳の顔を見た。

「実はね。偉そうなことを言ってるけど、私にも似たような経験があって。張り切り過ぎて、倒れちゃったことがあるの。その時に、『好きな人の仕事をやるのって、全然苦じゃない』って言われてね。自分が逆の立場だったらその通りだなって」

 鏡子の目から大粒の涙がこぼれていく。

「だから、鏡子さんが今することは怪我をしっかり治すことだよ」

 涙を流しながら、鏡子さんは何度も頷いた。


 鏡子さんが落ち着くのを待って、みんなを呼んできた。
 よろよろと一同が席に着く。
 祐巳も席に着いた。
 片方の隣は鏡子さん。反対側の隣は静さんだった。

「まず、食べましょう」

 大正時代のカレーはどこか懐かしい味だった。

「美味しい!」

 疲れているところに食欲をそそるカレーの香り。あっという間に平らげていくお嬢さまたち。

「カレーはやっぱりいいな。あのふすまと違って米だ」

 環さんが言う。

「ふすま?」

 祐巳は聞き返す。

「パンのことを言っているのよ」

 さらり、と静さんが補足する。

「まさか、祐巳さん。開け閉めする方のふすまのことをおっしゃってるんじゃないでしょうね?」

 ちらりと祐巳の顔を見て静さんが聞く。

「そ、そんなことは」

 思っていました。とは言えない祐巳だった。

「たまちゃんはこんな言い方をするけれど、パンを気に入っていて毎朝二枚は食べるの」

 雪さんに暴露され、環さんは余計なことを、とブーブー言う。

「そうなんだ」

「桜花会は洋風の生活をすることにしているから、三食とも洋食よ。祐巳さんは平気?」

 小梅さんが確認するように聞いてくる。

「うん。家だと毎朝パンだし」

「そうなんだ。うちは洋食屋だけど、毎朝洋食は食べないわね」

 感心するように小梅さんが言う。

「ハイカラなのね」

「そ、そうかな」

 平成の世の中に来たら全然珍しくない朝食パン派。
 でも、もしかしらたこんな風に意識的に毎朝洋食を食べようという人達がいなかったらなかった習慣なのかもしれない。
 イタリアに修学旅行に行ったときとはまたちょっと違うカルチャーショックがあった。
 食べ終えて元気が出てきたのか乃枝さんが一同を見回して話し始めた。眼鏡の奥のきりりとした瞳、凛とした声。ひと言ひと言がみんなの気を引き締めていく。

「……次の日曜日が本番よ。みんなしっかりしてね」

 全員がうなずく。

「さて、と」

 乃枝さんがちらりと祐巳を見た。

「祐巳さんは、敵を知り己を知れば百戦危うからずと言うのをご存知かしら?」

 まあ、こうなることは予想していた。むしろ、試合という緊急事態を差し引いても今までこの話題が俎上に上らなかったことの方が不思議なくらいだった。
 つまり。

「祐巳さんはどちらからいらしたの?」

「えーと、ちょっと遠くの方から」

「遠く? 外地か?」

 環さんが聞き返す。

「ん、まあ、そんなところかしら」

 外地がどこかは知らないが異世界には違いない。

「ご家族は? ああ、弟さんがいたのよね」

 巴さんが聞く。

「えーと、両親と弟の四人家族」

「お父さまはどのような方で?」

 巴さんが再び聞く。

「建築家。一応」

 福沢設計事務所の社長さんだから、間違ってはいない。

「まあ! では海外へは建築を学びに?」

 胡蝶さんが聞く。

「ま、まあ。そんな感じ」

「あら、ご家族はどうなさったの?」

 雪さんが再び聞く。

「ちょ、ちょっといろいろありまして、私だけが」

 この世界に連れてこられました。

「まあ、私と一緒!」

 そう言ったのは鏡子さんだった。
 鏡子さんの場合は本当に海外に家族がいるのだろう。

「野球がお上手ですけれど、結構なさっていたのかしら?」

 晶子さんが聞く。

「ちょっとキャッチボールしたくらいで」

「でも、試合じゃ活躍してたわ。祐巳さんには素質があるのかも」

 小梅さんが笑顔でいう。

「あ、えと」

「祐巳さんが困ってるわよ」

 静さんが突っ込む。

「あ、ごめんなさい」

「ううん。いいのよ、別に」

 好奇心旺盛な少女たちに囲まれて、祐巳への質問攻めが終わらない。

(ああ、なんかボロが出そう……)


 しばらくたって、質問攻めにするのにも飽きた少女たちに開放され、祐巳はようやくお風呂に入った。
 合宿中の部屋は二人で一部屋を使っていた。しかし、メンバーは九人。乃枝さんが一人で一部屋を使っていた。

「やはり、川島の部屋が空いているのだから、福沢は川島の部屋でいいだろう」

「そうね。乃枝だけ一人っていうのもね」

「ごめんなさい。急に押しかける格好になってしまって」

 祐巳はブツブツ言っている乃枝さんに頭を下げた。

「仕方がないわ。あと一週間の辛抱だし」

 いらっしゃいと乃枝さんは祐巳を招き入れた。
 そこは、カーテンから寝具から皆薄いブルーで統一されていた。

「青はね、心を落ち着けて、頭の回転をよくする色なのよ。加えて、睡眠もよくとれるわ」

「へえ、そうなんだ」

 祐巳が感心していると、乃枝さんは二人だけの部屋なのにそっと祐巳に近づいて小声でこういった。

「明日の朝、ちょっと奇妙な光景を見るかもしれないけれど、それは絶対に他言無用よ。いい?」

 乃枝さんはベッドにもぐりこむと眠ってしまった。
 一方の祐巳は寝付けなかった。
 祥子さまから貰ったロザリオを眺めて、今日あったことを思い出す。

(大正時代か……とんでもないことになっちゃったな……)

 乃枝さんを起こさないように気をつけて明かりをつけると、祐巳はリリアンの制服から生徒手帳を取り出した。
 そして、今日の出来事を日記に残した。
 書いていくと心が落ち着いてきた。

(さて、私も寝ますか)

 明かりを消して、祐巳は目を閉じた。


 翌朝。

 ──ジリリリリリリリ……

 大音量の目覚まし時計の音に祐巳は飛び起きた。
 ところが、乃枝さんは目覚めない。

(よく寝ていられるなあ……)

 ──ジリリリリリリリ……

 目覚めてこない乃枝さんに祐巳は不安になった。

(もしかして、具合が悪いとか?)

 恐る恐る乃枝さんのベッドに近づくと、乃枝さんは芋虫のようにベッドからずりりと出てきた。
 そして、おもむろに。
 ベッドの下にあった水の入った洗面器に顔面を突っ込んだ。

「の、乃枝さん!?」

 ばしゃあっ、と水音を立てて乃枝さんは顔を上げると、平然と言った。

「ちょっと奇妙な光景を見るかも、って忠告したはずよ?」

 ちょっとどころか祐巳の記憶の中でもベストファイブに入る珍妙な光景だったが、そのことは言ってはいけないと祐巳は瞬時に悟った。
 なぜなら。一瞬だけ合った乃枝さんの目。
 祐巳さん、あなたが思っていることは口に出してはいけないわ。口に出すんじゃないわよ、おのれ、口に出そうものなら親友とはいえ切り捨てるぞ。という雰囲気の、平成時代の親友が気まずくなった時のあの目つきにそっくりだったからだ。

(はは、は……)

 食堂では予告通り朝食にパンが並んでいた。
 小梅さんお手製のママレードをいつものようにつけると、クスリと晶子さんが笑う。

「え? 何?」

「いえ。あなたたち、そんなに仲が良くなっただなんて」

 不思議に思って祐巳が辺りを見ると、隣に座っていた乃枝さんが同じようにママレードをパンにつけて食べていた。

「二人とも、パンにママレードをつけないで、ママレードにパンをつけているようなものね」

 巴さんがからかって言う。

「いいのよ。脳は糖分で動いているのだから、頭脳労働担当の私には必要なの。それに、糖分は身体を動かす前にもいいのだから」

 乃枝さんが釈明する。

「それにしたって、それはつけすぎだろ」

 環さんが突っ込む。

「まあまあ。環さんの分もあるから」

 小梅さんが言う。

「鈴川。私は自分の分が惜しくて言ってるわけでは」

「はいはい」

 雪さんがくすくす笑いながらそう言うと、環さんは面白くない、というようにパンをかじる。
 気にしない様子で、雪さんはバターを乗せたパンにオムレツを乗っけて食べている。
 晶子さんはサンドウィッチのようにサラダをはさんで食べていた。

「朝からサンドウィッチが食べられるっていいわ」

 しみじみと晶子さんが言う。

「どうして?」

 祐巳が聞く。

「かぶりついていただくなんて、はしたないこと出来るわけないじゃない」

 苦笑しながら晶子さんが答える。

「じゃあさ、ナイフとフォークを使って食べたらどうかな?」

「もう、祐巳さんたら!」

 心底愉快というように晶子さんは笑う。

「でも、それは名案ね。もし、家で我慢が出来なくなったらそうやっていただくことにするわ」

 もし、この時の祐巳の言葉がなかったら、平成の小笠原家のサンドウィッチの横にナイフとフォークはなかったかもしれない。

【No:3176】へ続く


【マリア様がみてる派へのフォロー】

川島乃枝(かわしまのえ):三つ編み眼鏡の優等生。本当は美少女。その頭脳と洞察力と行動力で桜花会を勝利に導こうとする参謀。その努力は『嫌な予感しかしない』ようないかがわしい形になって皆を巻き込む。マッドサイエンティストかもしれない。祐巳と中の人は一緒だが、チャンネルが違うので混線はしない(笑)

月映巴(つくばえともえ):薙刀の達人にして運動神経抜群の少女。双子の妹静と対の男雛であり、寮全体の王子様的存在でもある。小梅とお近づきになりたくて参加したのは内緒(笑)アニメ版では信じられないヘタレ補正がなされ、新聞部に所属して「静ぁ」というだけの人に……。中の人は築山三奈子と一緒だが、中の人の責任ではない。

月映静(つくばえしずか):双子の姉巴が大好きすぎて、近づく奴は許さん。的少女。巴と対の女雛である。運動センスはいいらしい。大好きなお姉さまを小梅に取られて現在ツン期真っ盛り。リリアンに行ったらきっと『キャラが被る』であろう。原作、アニメ版ともこれといった活躍の機会は少ない。中の人は軽部逸絵と一緒。この静さまはアリアは歌わない(こら)

宗谷雪(そうやゆき):小梅たちのクラスの級長。おっとりしているように見えて実はしたたか。感情をあまり外に出さないので自分の中では盛り上がっていてもみんなからは気付かれない。環と同衾するためにくじを仕込むなど自重しない。(ちなみに、引いた色は白!)アニメ版では野球経験者にされていた。中の人が志摩子と同じチャンネルを使用するため脳内再生すると混線確実。雪かわいいよ雪。

石垣環(いしがきたまき):人見知りから仏頂面で人付き合いを避けていたおかっぱ娘だが、雪に落とされて以来だんだん可愛くなってきた。普段は冷静。彼女を夢中にさせるアイドルは偏奇館先生である。愛称たまちゃん。残念ながらおにぎりをほおばることもなければ、剣道をやることもない。(バンブーブレードネタはやめなさい)アニメ版では野球経験者。

菊坂胡蝶(きくさかこちょう):巴の後輩。小梅に憧れて、小梅と同じ匂い袋を使うようになってしまった小梅フリーク。小梅を隠し撮りするたびに写り込んでいないか心配だ。いや、ハリガネではないのだが。アニメ版では陸上部からスカウトされたことになっていて、また、鏡子と一部設定が入れ替わっている。

桜見鏡子(さくらみきょうこ):巴の後輩。家族は海外にいる。原作では「なかなかやる」と認められているが、アニメ版では一部胡蝶と設定が入れ替わっていて、いまいち活躍できなかった。現段階ではこれからの活躍に期待したいとしか書けない。


【大正野球娘。派へのフォロー】

ありさ:短編集『リトルホラーズ』で『私の巣』の収録を見送った原作者が(適当に)書き下ろした『ホントの嘘』に登場したキャラクター。『こんな奴、リリアンにいるかあっ!』と突っ込んだらその通りの衝撃のラストを迎えた。時空を超えたとしか思えない描写がある二人目のキャラクターであり、まさかの大抜擢である。

『姉妹』(スール)
リリアン女学園高等部に存在するシステム。一人の先輩が一人の後輩を姉が妹を導くがごとく指導する制度。姉(グラン・スール)のことを『お姉さま』、妹(プティ・スール)のことを呼び捨てにする。晶子が姉で小梅が妹なんだろうなのあれを本当に平成になってもやっている。


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