【3207】 私だけに言っている私は魔女になって第六天魔王  (福沢家の人々 2010-07-17 16:19:25)


「ごきげんよう」

「ごきげんよう」

さわやかな挨拶が、澄みきった青空にこだまする。

マリア様のお庭に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。 汚れを知らない心身を包むのは、深い色の制服。

スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせないように、ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ。

もちろん、遅刻ギリギリで走り去るなどといった、はしたない生徒など存在していようはずもない。


そしてここに、










ここは、リリアン女学園の中庭立つ薔薇の館の2階

「ごきげん・・・・」

ビスケットの扉のノブに手をかけ扉を半分んだけ開けて固まる少女が一人

白薔薇こと、藤堂志摩子


志摩子さんは、執務室の中を見詰て固まっていた・・・・










さかのぼること数分前・・・

「ごきげんよ〜う」

薔薇の館の執務室にまだだれも居なかった

「あれ!」

「まだ誰も来てないのね」

「あれ?なんだろう?」

紅薔薇こと、福沢祐巳




祐巳は、執務室の中央に有るテーブルの上に一冊の本が有るのに気づいた

イ○ローページ大で茶色いハードカバー、ロザリオを模したかのような鎖で十字に閉じられている一冊の本・・・

祐巳は本の中央のクロス(十字架)にそっと触れてみた




「?だれかの忘れ物?」

表紙には見たこともない文字・・・




「取り合えず、窓を開けてっと・・・」

窓に向かうため本に背を向ける祐巳

そのとき、

カタ!ガタ!ガタ!

「ひ!」

背後からの音に驚き振り返る祐巳

そこには、さっきまで表紙を上にして置かれていた本が祐巳に表紙を向けながら宙に浮んでいた。

青白く光だしロザリオを模したかのような鎖が弾けとんだ

「ほえ〜」

祐巳は変な声を上げながらもその光景を見ていた・・・いや!見ていなければいけない気がした。





本は鎖を弾き飛ばしページをぱたぱた開いて行きながら何か言っているかのようだった

それは、耳に聞こえると言うよりも直接祐巳の脳内に響き渡るかのように、

「起動しました。」

「マスター認証完了」

「マ○見てデスクトップアクセサリーインストール完了」

「再起動します」

ウイイガギガギカタカタガチャ・・・

ピコン

「ごきげんよ〜」

「?え!お姉さまの声?・・・ver1.10?」

カリカリカリ

「守護騎士システム起動」

青白い光がいっそう大きくなって

ピカー




藤堂志摩子は、固まっていたビスケットの扉のノブに手をかけ扉を半分んだけ開けて

執務室の中には、祐巳さんの前で跪く黒い全身タイツの見知らぬ女性が3人と男性?が1匹・・・


いや!その中に1人だけ見知った女性が1人

「乃梨・・・子」






「我が主、ご命令を」










ごめんなさい、ごめんなさい、中の人が〜、中の人が〜




ふと!思いついてしまったのですはい!


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