【3208】 緊急事態ですとある事情で見せたら勿体ない  (福沢家の人々 2010-07-18 18:16:20)


それは、友と交わした

     遥かな約束の物語。


「青銅の時代」の終焉から1200年

大陸では新たに勃興した「神聖帝国」がその勢力を広げ、

あまねく辺境の地を、かっての「古代王国」領域までも呑み込みつつあった。


そんな中、帝国の侵攻を受けた「エリン島」では、ゲール族の少女「リアンノン」が、

魔王「アロウン」復活の儀式の為、今まさに、生贄にされようとしていた。


様々な要因が重なり、儀式自体は失敗してしまったかのように見えたが、結局、魔王「アロウン」は復活してしまう・・・。










かって・・・黄金の時代があり、

         白銀の時代があり

            青銅の時代があった。









そして、東京都武蔵野の丘の上にあるという「私立リリアン女学園高等部」でも・・・・、










「ごきげんよう」

「ごきげんよう」

さわやかな挨拶が、澄みきった青空にこだまする。

マリア様のお庭に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。 汚れを知らない心身を包むのは、深い色の制服。

スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせないように、ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ。

もちろん、遅刻ギリギリで走り去るなどといった、はしたない生徒など存在していようはずもない。










そしてここに









ここは、リリアン女学園の中庭立つ薔薇の館の2階

「ごきげん・・・・?」

ビスケットの扉のノブに手をかけ、扉を半分んだけ開けた所で、固まる少女が一人

白薔薇こと、藤堂志摩子









志摩子さんは、1人の少女を見詰て固まっていた・・・・

よく知る少女、見間違えるはずなどない、親友の1人であり、山百合会の仲間

紅薔薇こと、福沢祐巳である。









だが!身長がいつもの半分くらい、リリアンの制服と違う服装。

白を基調にモスグリーンのラインと紺色の縁取りをされた半そでのシャツにボレロ

シャツの中にモスグリーのハイネック

大きなねこみみを思わせる装飾のついた帽子にゴーグルを首に下げ厚めの手袋

前後左右に良く使い込まれた皮製の鞄を腰につけて

黒いスパッツに薄茶色のハイソックスと白いショートブーツに紺の縁取り

ハイソックスと同色系のハンドウォーマー

自身よりも大きなハンマーを背負っている・・・









藤堂志摩子は、固まっていたビスケットの扉のノブに手をかけ、扉を半分んだけ開けた所で

執務室の中には、祐巳さんがいた・・・









「ごきげんよう♪、志摩子さん♪みてみて♪ボクこんなに一杯♪ガラクタ拾ってきたんだ〜♪さすがだね♪リリアン女学園♪ガラクタも良質〜♪金物ならいいもの♪お作りしますよ♪」

志摩子に見せるように、1つのガラクタを持ち上げて、デコピンの要領でパチンと叩く、









「綺麗な音がするだろ♪混ざりもののない♪良質な金属を使っている証拠さ♪これだけ有れば新しい♪なべや包丁♪すぐに作ってあげられるよ〜♪」









「また!なべや包丁か?」

どこからともなく魔王の声が・・・










「あわわ〜」










「ぶ・・・武器、ですよ〜ね(滝汗)・・・アロウンさま〜」









東京都武蔵野の丘の上にあるという「私立リリアン女学園高等部」は、今日も平和な日常であった、っておい!










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