【3239】 面白さと言ったらツッコミ所が多いから  (福沢家の人々 2010-08-03 16:39:19)


「ねこ耳祐巳の冒険(仮)」第2話


 前回までのあらすじ?

『ねこ耳姉妹子猫の足裏(ねこみみしまいこねこのあしのうら)』なる秘密結社が、

 リリアンの体育館で怪しげな集会を開いていた

 その内容から紅薔薇のつぼみこと、福沢祐巳の身に何かが










「ごきげんにゃう」

「ごきげんにゃう」

 さわやかにゃ挨拶が、澄みきった青空にこだまするにゃ。

 マリア様のお庭に集うねこ耳少女たちが、今日も子猫のようにゃ愛らしい笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていくにゃ。

 汚れを知らにゃい心身を包むのは、ねこのしっぽが可愛く揺れる制服にゃ。

 スカートをしっぽで持ち上げて乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせにゃいように、ゆっくりと2足歩行で歩くのがここでのたしにゃみにゃ。

 もちろん、遅刻ギリギリだからと4本足で走り去るにゃどといった、はしたにゃい生徒にゃど存在していようはずもにゃいにゃ。




 そして・・・、早朝の福沢家。




 チュンチュンチュン

 小鳥のさえずり

 う〜ん〜んっと伸びをしながらベットから床に足を着く

 目覚まし時計を見つめる・・・手を頬に当て、大きなため息をついた。

 セットした時間より5分前。

「あ〜ふぁ〜にゃ〜。5分損したにゃ〜。」




 パジャマの袖から指先が少ししか出ていない、萌え袖状態の右手で顔をゴシゴシ・・・まるで猫が顔を洗うように・・・

 ぼーっとした頭をボリボリ?

「?にゃにか?違和感にゃ・・・。」




 今日のパジャマは、膝丈の上だけを着た彼シャツタイプ、もともと大きめなのだが・・・。

「にゃんだか?パジャマがぶかぶかにゃ」




 部屋を出てキッチンに向かう、

 冷蔵庫を開け・・・牛乳をコップに注ぎ、牛乳を返して扉を閉める。

 足は肩幅に左手は腰に、基本のスタイルで一気に飲み干すと、流し台にコップを置いて。

 洗顔のために洗面台の前・・・?

「洗面台が高くなってるにゃ?」




 蛇口をひねって顔を洗おうと手を伸ばした・・・鏡を見て

「?ずいぶん大きにゃ・・・あ・ほ・毛にゃ・・・」

「くすくすにゃはははは!やだにゃ〜も〜」




 突然笑い出したかと思うと鏡をまじまじと見つめて

「はてにゃ〜?」

「は、はてにゃって」

「にゃはははは」




 ひとしきり笑った後、ふむ?っと考え込むこと数分・・・。

「コホンにゃ」




 自分の頭を触り、頭に生えた耳を触り、お尻を触り、お尻に生えた尻尾を触り・・・。

「耳と尻尾にゃ」

「おまけに、語尾ににゃ」

「にゃはははは」

「にゃ〜(え〜)と、笑っている場合ではにゃいにゃ」




 とりあえず、トイレを済ませて身づくろいにゃ・・・モノローグにまでにゃ。

 しっかりと、パジャマから制服に着替えて髪も整えて洗面所の鏡の前に立ってから、大きく息を吸い込んで

「にゃ〜(キャー)」




 最初に飛んで来たのはお父さん、おかあさん、祐麒とつづくにゃ。

 ひとまわりほど小さくなった体に、ぶかぶかのリリアンの制服、ねこ耳、ねこのしっぽの生えた娘・姉を見れば当然の様に

「な・・・。」

 やっぱり、固まったにゃ。




 再起動を待って、3人に向かって

「にゃ(ね)!」

「う、うん」

「で!」

「にゃ〜(ね〜)」




 祐麒だけ、肩がピクピクしていたのはスルーして4人でリビングへ。

 数分間の沈黙の後

「可愛いから、いいんじゃないの」と、おかあさん・・・




 朝ごはんの準備にキッチンへ向かうおかあさん。

 さっきから新聞ガン見のおとうさんは、

「ま〜あれだ!・・・その〜」




 おとうさんの言葉を遮る様に、祐麒が

「っで!学校どうするんだよ、それで行くのか」

「にゃ〜(うん)」

「そ、そう!」

「お、通じたにゃ」

「しょうがにゃいじゃにゃい」

「やっぱり、語尾ににゃ〜にゃんだ。」

「にゃ〜(うん)みたいにゃ〜」

「くすくすにゃはは」

「祐麒もにゃははににゃってるにゃ〜」




 おかあさんがキッチンから。

「祐麒。祐巳の送り迎えお願いね。お母さんも後からリリアンへ行くから。」

「うん、わかった」

「祐麒もおとうさんも早く着替えて来て、朝ごはんよ」

「祐巳は、こっちへいらしゃい、体を少し見せて頂戴」




 おかあさんは、祐巳の頭に生えた耳を触り、お尻に生えた尻尾を触り・・・。

「ふむ…ぶかぶかね!制服も買わなきゃ・・・うふふ、やっぱり可愛いわ♪」













一つ戻る   一つ進む