【3322】 誰よりもコスプレが双子にしてくれますね  (弥生 2010-10-13 17:56:30)


ごきげんよう、お姉さま方
×××

ある日の事であった。

「祐巳、あ〜、その、なんだ、聞きだい事というか、その、頼みたくないけど、その〜、頼みたいことというか」
と、祐麒がもじもじしながら聞いて来た。
「何か用?祐麒。様子が変だけど?」
「あの〜、出来れば断って欲しいというか、むしろ断って欲しいというか」
「祐麒、男の子ならはっきりいいなさいよ、悩み事?」
「悩み事と言えば悩み事なんだけど…」
「?」

祐巳が怪しんでいると、祐麒は意を決したように言った

「ゆ、祐巳の制服を…1日だけ…貸して欲しいんだ!」

祐麒は心の中で「ああ、言っちまった…軽蔑されてしまった…お終いだ…」と思っていたら

「…一応…聞いて置くけど、何に使うつもり?リリアンにでも潜入するつもり?」
「いや…その…」
もじもじする祐麒
ジト目の祐巳

「花寺の…学園祭で…使うんだ…」

今にも恥ずかしくて泣き出しそうな祐麒を見ていた祐巳は

「いいよ…貸してあげても。その代わり、写真見せてね」
「そんな…うん…わかった…(出来れば断って欲しかった…)」

こうして祐麒は、祐巳の制服を借りて学園祭に臨むこととなった

祐麒の『烏帽子親』である、花寺生徒会長の柏木は、祐麒の双子の姉(この時はそう思っていた)がリリアンに居ることを知り、学園祭の目玉に『女装コンテスト』開くことにきめた。祐麒は猛反対したが、当然聞き入れられる筈もなく、周りも興味津々だったので多数決で決まった。

そして、上記の通りである


学園祭当日

「レディース・アーンド・ジェントルメン!これより、メインイベント『女装コンテスト』を開催致します!」

うぉぉぉぉっ!

盛り上がる観衆達、そして、審査員である、リリアンから来た三薔薇様達も嬉々として喜んでいる様である。

ある者はブサイク、またある者はごつかったりして会場は大盛り上がりである。

「引っ込め〜ブサイク〜」と、物を投げられるのもご愛嬌

『アリス』と呼ばれた生徒の番になると、更に会場はヒートアップした。これには三薔薇様達も「本物の女の子みたい…」と、驚いた様である。

柏木はアリスに、祐麒がかわいいリリアン生に見えるように、と言いつけていたため、アリスは喜んで祐麒をメイクアップした。

そしてトリである祐麒の番となった…

あえて誰が優勝かは言わないが、一つだけ言えることは、祐麒はラブレターを貰うようになったとさ。


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