山百合会より映像が流出、動画サイトで閲覧可能になっていた。気がついた祥子さまは激怒、犯人探しが始まった。
「図書館のコンピューターが使われたそうよ。ここまでわかったらもう時間の問題よね」
志摩子の言葉に乃梨子は激しく動揺していた。
「乃梨子、どうしたの?」
「……なんでもありません」
「私はあなたのお姉さまだから、妹のことは知っておかなくてはならないのよ」
「……私がやりました」
衝撃の告白を受け乃梨子への事情聴取が始まった。
「私がやらなければあの動画が闇から闇へ消えてしまうのかと思うと耐えられなくて」
同時に乃梨子の無罪を支持する署名活動が始まった。
「生徒の八割が支持しているんです。罪に問うべきではありません」
いよいよ処分発表という時に乱入者があった。
「お待ちなさい」
卒業生先代紅薔薇さま水野蓉子さまだった。
「この動画は何?」
ファーストフード店内。
祐巳『ポテトは手でつまんでいただきます』
祥子『お行儀悪いわね』
祐巳『そういう作法です』
祥子『……そうだわ。祐巳、口を開けなさい』
祐巳『へ?』
祥子『へ、ではなく、あ〜んでしょ』
祐巳『あ、あ〜ん……モグモグ……ではお返しにお姉さまも』
祥子『そ、そうね。あ〜ん……』
流出した動画だった。
「祥子、あなた。これは私にはやらなかったわよね」
「え……いえ、そ、それは」
「やらなかったわよね?」
「わっ、わかりました! 次の日曜日に系列の店を借り切って善処いたします」
問題がすり替わり、結局問題自体が闇から闇へ消えていったのであった。
「蔦子さん、私得写真の隠し撮りを」
「祐巳さん。私に死ねと?」
というやり取りもついでに闇から闇へ消えていったとか。