【341】 萌え永久保存版勝利すべき黄金の剣  (琴吹 邑 2005-08-10 14:18:56)


柊雅史さんが書かれた「間違いだらけのマナー&テクニック  【No:123】」→くにぃさんがかかれた「萌え課外授業  【No:175】」
の続きとして書かれています。


「それでは第三回『瞳子と上手に付き合う講座』を始めさせて頂きます。講師は前回に引き続き、二条乃梨子がつとめます」
「おおー」
 ぱちぱちぱち、と拍手をして下さるのは前回と同様、紅薔薇のつぼみこと福沢祐巳さま。
 薔薇の館二階で行われる講習会の受講者は、相変わらず祐巳さまただお一人。

「第一回の時には、ツンを引き出す手法として『バックアタック』、『サイドアタック』、『フェイント』等の手法を講義しました。第二回は『ツン』を味わうをテーマに『萌え』について講義致しました。
今回、第三回目のテーマは先ほども言いましたが、『デレの味わい方』に焦点を絞ってましょう。
さて、デレの味わい方もいろいろありますが、やはり一番味わい深いのは、ツンの後にくるデレ。それこそ、萌えの極大なのです」
「なるほどー」
「それでは、実践編といきましょうか。ツンの後にくるデレを味わうには、当然の事ながら、ツンを先に引き出す必要があります。その方法はもう説明しましたね?」
「『バックアタック』、『サイドアタック』、『フェイント』だよね」
「そうです、祐巳さまは瞳子からツンを引き出す技術はもうマスターされていますので、詳細は省きますね」
「うん」
「では、ツンからどうやってデレに移行させるかですが、これがなかなか容易でないことは祐巳さまはご存じのはずです」
「うん、たまーにすごーくかわいいときがあるんだけど、普段なかなか見せてくれないんだよね」
「それがどういうときだったか、思い出せませんか?」
「うーん、ちょっとわからないなあ」
「おそらくそれは、人目がないときだったと思われます。瞳子は常にガラスの仮面を付けています。それを祐巳さまに破壊されるからこそ、ツン状態になるわけです。
何故、ツン状態になるのか? それは、照れ隠しに他なりません。人目があれば一刻も早く、破壊されたガラスの仮面を付け直そうと必死になるのは必定なのです。
だとしたら……おわかりですね。人目がないところであれば、一刻も早く仮面を付ける必要が無くなるわけです。
しかし、当然ながら、祐巳さまの目というのがあります。人目がある以上、瞳子は仮面を再び付けようとするでしょう。
だから、瞳子が仮面を付けようとするその瞬間に、その仮面をさらに木っ端みじんにするような言葉を瞳子にぶつければ、もう完璧です」
「お、おおー!」
 ぱちぱちぱち、と祐巳さまがスタンディングオベーションしてくれる。

「凄いよ、乃梨子ちゃん! 私、今度頑張ってみる!」
「はい。何事も実践あるのみです!」

 かくして第三回『瞳子と上手に付き合う講座』は盛況の内に幕を閉じた。
 ――そして、数日。


「乃梨子ちゃん♪」
「はい、なんですか?」
「今日も萌えたよ。もう、瞳子ちゃんったらツンからデレに変わるときがほんとにほんとにかわいくて。首筋まで真っ赤になって。きゅーてだきめたくなっちゃっうよ。我慢できなくて抱きめたちゃったんだけど。そのときの瞳子ちゃんは、さらにかわいくてねー」
「そうですか。よかったですね」
「乃梨子ちゃんには本当に感謝してるよ。そうそう、私、講義の内容を忘れないように、ちゃんとまとめたんだー。間違っているところがないか見てくれる?」
 そういって渡されたノート のタイトルは「萌え永久保存版勝利すべき黄金の剣」
 相変わらず祐巳さまのセンスはよくわからなかった。


 ちなみにこの講座の講座名は、本当は「間違いだらけのマナー&テクニック 」だったはずなのだけどと、ふと脳裏をよぎったが、祐巳さまには黙っていた。


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