「『どきっ!女だらけの人体実験!!〜(意識が)ぽろりもあるわよ〜』!!」
此処は京大のとある実験室。今は何故かベッドや、何やら不気味な機械等がずらりと並べられている。中には、一昔前まで使われていた効能率の誘導体まである。確かあれは処理をすると環境に有害なので、今では使われておらず、京大に実験用等の為に保管されている物だ。あんな物を持ち出して一体何をするつもりなのだろう? そもそも、何で私―水野蓉子―まで巻き込まれているのだろう?前回(No.304)京都まで逃げた私だが、そこが敵―先々代白薔薇様―の本拠地だとは……。
「さあ、やって来ました、毎年好例の第4回人体実験が始まりました!」
「ま、毎年!?しかも4回目!?」
柱に縛りつけられている聖が驚愕の声をあげる。毎年こんなのが行われているなんて、一体何人の人が犠牲になっているのだろう?
「それでは早速実験を始めます。最初はーー」
ジャカジャかジャカというドラ(?)の音と共にルーレットが回転する。
「(ジャジャン!)ブレインウオッシングー!!」
かけ声と共に布が取り払われる。そこには一見何でもなさそうなウォーターベッドがある。
「あの〜、お姉さま、それは一体なんですか?」
聖が恐る恐るといった感じで尋ねる。
「論より証拠、試して見るのが一番よ、聖。」
「え?ええっーー!?ちょっ、誰かーー!!」
どうやら此処では不要意な発言は命取りになるらしい。助ける者がいない中、聖がベッドに拘束される。
「さあ、この機械の凄い所は、このベッドに寝て、このヘルメットを着けるだけで、誰でも性格が変わるという所です。」
そう言いながら嫌がる聖に容赦無くヘルメットを装着させる。
「うわーーー!、何こ――」
叫び声をあげた聖の声がいきなり消える。そのまま聖は死人の様にグッタリして動かない。
「この様に動かなくなって30秒程経った後にヘルメットを外すと、あら不思議」
そう言いながらヘルメットを外す。そこにいた聖は……
「……ご機嫌よう、皆様。」
死んだ魚の様な目をした聖がいた。
「この様に、たちの悪いセクハラーもあっと言うまに大人しい人間になります。」
違う!これは一種の洗脳だ!!そう叫びたいのを必死で抑える。そんな事を言おうものなら、次は我が身だ。
先々代の従順な助手となった聖は黙々と次の実験の準備をしている。
果たして私はここから生きて帰れるのだろうか………