【3506】 明日への希望と夢を  (ex 2011-05-09 21:30:44)


「マホ☆ユミ」シリーズ 第2弾 「祐巳の山百合会物語」

第1部 「マリアさまのこころ」
【No:3404】【No:3408】【No:3411】【No:3413】【No:3414】【No:3415】【No:3417】【No:3418】【No:3419】【No:3426】

第2部 「魔杖の名前」
【No:3448】【No:3452】【No:3456】【No:3459】【No:3460】【No:3466】【No:3473】【No:3474】

第3部
【No:これ】【No:3508】【No:3510】【No:3513】【No:3516】【No:3517】【No:3519】【No:3521】第3部終了(長い間ありがとうございました)

※ 4月10日(日)がリリアン女学園入学式の設定としています。(カレンダーとはリンクしません)
※ 設定は 第1弾【No:3258】〜【No:3401】 → 番外編【No:3431】〜【No:3445】 から継続しています。 お読みになっていない方はご参照ください。

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 リリアン女学園は幼稚舎から大学までの一貫教育が受けられる乙女の園。
 世界各地で活躍する魔法使いや魔術騎士が巣立っていく貴重な学園である。

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 第3部スタート

〜 7月7日(木) お昼休み前半 リリアン女学園 薔薇の館 〜

 山百合会の全員が集まっての昼食会。
 6人が揃って昼食を楽しむ時間は、そのまま山百合会の会議も兼ねている。

「しかし、毎日暑いね。 早く夏休みになってほしいよ」
「去年も異常に暑かったけどね〜。 ほんとに毎年々々、異常気象なんだから」
「”毎年”、だったら、”異常”って言わないんじゃないの?」

 クーラーのない薔薇の館は、窓を全開にしても暑さがこたえる。
 ぶつぶつ文句を言っている由乃と令の何時のも姉妹漫才。

「由乃さま、令さま、どうぞ」 と、気の利く一年生、二条乃梨子が冷たい麦茶を持って来てくれた。
 朝のうちに麦茶を作り冷蔵庫で冷やしておいたのだ。

「ありがとう、乃梨子ちゃん!」 と、急に機嫌が良くなる由乃。

「まだ七夕だって言うのに、毎日猛暑日ですから。 由乃さまの言うようにほんとに異常ですよ」
「だよね〜」
「ほんとうに嫌になるくらいの暑さだわ」 と、祥子もしかめっ面になる。

「そういえば、去年のI公園で祥子が余りに暑いからって ”ダイヤモンド・ダスト” で雪を降らせたことがあったね」
「あれはお姉さまに命令されたから仕方なく、よ。 それに学校ではなかったのだから問題ないはずだわ」
「やっぱり、リリアンの中じゃ、魔法は無理か」
「あたりまえよ。 他の生徒に示しがつかないわ」

 7月に入ったばかりだと言うのに連日の暑さ。 さすがの祥子たちも会議どころではないようだ。

「それにしても、志摩子さんと乃梨子ちゃんは意外と平気そうだよね。
 祥子さまと、令ちゃんと私だけが暑がってるみたいじゃない。 祐巳さんも何時もと変わんないし」

 由乃が不思議そうに、祐巳と志摩子、乃梨子を見つめる。

「そう言われればそうだ。 なんであなた達3人はこの暑さが平気なの?」 と、令も不思議そうに聞く。

「なんだか祐巳さんたちだけずるい! 暑くならない秘訣があるんなら教えなさいよ!」
 と、なぜだか怒りの矛先を3人に向ける由乃。

「知りたいの?」 と、祐巳。
「ほんとうに知りたいのね?」 と、志摩子。

 なぜだか、負のオーラを放つ二人・・・。

「由乃さんも経験してみたらいいんだわ・・・。 山梨のおばばさまの前で一言でも 『暑い』って言ったときの背筋が凍る感覚を・・・」

「う・・・」
 と、由乃が呻く。
 噂に聞く、おばばさまのお仕置き。
 もう一年が経とうと言うのに、優しい志摩子にここまでの負の感情を植えつけるお仕置きとは・・・。

「れ・・・、令ちゃん、なんだかわたしも涼しくなってきた・・・」
 由乃の顔も真っ青になっていた。


☆★☆

「それぞれの覇気をコントロールする力が影響しているのかもしれません」
 『さっきのは冗談よ』と、由乃に笑いかけてから、祐巳が全員を見つめて言う。

「覇気を体に纏う事によって、ある程度の気温差に対応できるようになるんです。 ほんのちょっとですけどね。
 それと、覇気の種類は暖かい覇気もあるし、清涼な覇気もあるので。 熱系の覇気はひょっとしたら暑さには対応しにくいのかもしれません」

 祐巳はゆっくりと一人一人に語りかける。

「お姉さまの覇気は、言ってみればマグマのような覇気です。 お怒りになっているときや攻撃呪文を使うときは噴火するように激しいですが、いつもは穏やかに暖めてくれる地熱のような存在です。
 令さまの覇気は、天翔ける稲妻。 迸る雷の奔流です。 いつもは体内の奥底に潜められていますが、一旦攻撃に出ればそれこそ疾風迅雷。
 由乃さんの覇気は燃え盛る炎と渦巻く雷。 お姉さまの覇気と令さまの覇気を合わせた感じだけど・・・。 由乃さんの場合は激しく噴き上げる太陽のコロナがスパークするような感じ。
 3人とも、熱さを象徴するような覇気なんです」

 そう言えば、去年祐巳は全員の覇気のことをいろいろ言っていたなぁ、と由乃は思い出す。
 『お姉さまの覇気は暖かくってとっても大好き』 なんてノロケばかり聞かされたものだが・・・。
 それから、剣術を始めようと思っていた由乃に、『由乃さんの覇気は体術向き』 と言ったのも祐巳だった。
 でも、 『太陽のコロナがスパークする』 ってなんだ?
 なんだか、とっても危険人物だ、って言われた気がする。

「それに対して、志摩子さんの覇気は降りしきる雪のよう。 普段は静に降り積もる優しい雪。 心を穏やかに落ち着かせてくれるの。 でも、一旦吹き荒れるとすべてのものを氷漬けにする激しいブリザードです。
 それで・・・。 乃梨子ちゃんですが、青白い覇気の流れ。 まるで山奥の源流のような清冽な水を象徴するもの。 それも春先の雪解け水のよう。
 だからね、ちょっと不思議だったんだ。 乃梨子ちゃんが体術をしているってことが、ね」

 祐巳は乃梨子の顔から視線をはずさない。

 乃梨子の表情が一瞬凍りつく。
(まさか・・・。 わたしがもともと体術ばかりしていたわけではないことを祐巳様は見抜いたの?!)

「私たちは熱の覇気だから暑さに弱くて、志摩子さんと乃梨子ちゃんは雪や水の覇気だから暑くないってこと?」
「ちょっと由乃。 今聞くとこはそこじゃないでしょ!」 と珍しく的確な令のつっこみ。

 令は、祐巳と、祐巳から視線をはずせないでいる乃梨子を交互に見ながら声をかける。

「格闘技部門一年トップの乃梨子ちゃんが、体術をしてるのが不思議、ってどういうことなの? 祐巳ちゃん」

「へ? えっと、体術って由乃さんみたいに体から迸るような強烈な覇気がある方が向いてるって思うんです。
 でも乃梨子ちゃんはそうじゃないの。 ん〜なんていうか・・・。 どっちかっていうと剣士向き、かなぁ?
 覇気を内に秘めることができるその力って、本来は守護に向いている力。
 攻撃するときには、剣か刀に覇気を乗せて一撃離脱するほうが効率的で、手数で勝負する拳闘士向きじゃないの。
 由乃さんの好きな時代劇で言えば ”隠密” ってのが一番似合いそう」

 祐巳は驚いたような顔をしている乃梨子に微笑みかける。

(どうして・・・。 たった2回手合わせしただけで私の素性に気付いたと言うの?!)
 乃梨子の顔から血の気が失せていく。 必死で動揺を抑えるが表情がこわばってしまう。
 たしかに、世が世なら、乃梨子の将来は ”隠密” だったに違いないのだから。

「でも、魔法使いにも向いているの。 お姉さまが ”爆炎” の魔法使いなら、乃梨子ちゃんは ”氷結” の魔法使いになれそう。
 強い魔法を使えるだけの魔力には恵まれてないようだけど、基本的な魔法なら使えるようになるんじゃないかな?
 乃梨子ちゃんは基本的な能力が高いから、剣でも体術でも弓でも魔法でも何でもできるオールマイティタイプだと思うよ」

「オールマイティ、なら体術でもいいんじゃないの?」
 この2ヶ月近く、乃梨子を指導してきた由乃が祐巳に抗議の視線を向ける。
「ミス・オールマイティ、って言われた江利子さまも弓道だったし」
 と、先代の黄薔薇さま、鳥居江利子を引き合いに出す。

「うん。 でも、もしできることなら剣を持った方が乃梨子ちゃんには似合うと思うんだ。
 ただし、令さまのように一撃離脱の必殺剣、って方向じゃないなぁ。
 出来ることなら氷結魔法を習得するか、アイスソードを持った魔法剣士になるのが一番いいと思うんだけど」

「隠密剣士か魔法剣士、かぁ。 いいなぁ、乃梨子ちゃん。 かっこいいじゃない」
 と、由乃はうらやましそうな声を上げるが、乃梨子は固まったまま。

 もう間違いない。 祐巳は自分の素性に・・・ ”忍び” であることに気付いている。
 だが、それがわかった上で、さらなる可能性を示してくれたのだと。

「志摩子さん、あの・・・、わたし・・・」
 もう、これ以上は隠しきれない。 どうせ隠し通すことが出来ないのなら最初に志摩子に打ち明けたかった。

 だが志摩子はゆっくりと首を振る。 黙っていなさい、と言うように。
 そして穏やかに乃梨子に微笑みかける。

「乃梨子が剣士に向いている、ということは私も感じていたわ。
 心配しないでいいの。 わたしはあなたを信頼しているわ。
 それと、魔法剣、のことだけど、私も祐巳さんの呪文を纏って戦った事もあるのよ。 それに祐巳さんも。
 去年のフラロウスとの戦いのとき、ロサ・キネンシスの魔法と祐巳さんの棒術の合体攻撃があったわ」

(そうか・・・。 志摩子さんも気付いてたんだ。 でもそんなことは気にすることはない、って言いたいんだね)
 ふっと乃梨子の肩から力が抜けていく。

 志摩子はお寺の娘でシスター志望だった。 祐巳は巫女だという。
 忍び以上に不似合いなリリアンでの立場。
 リリアン直接戦闘部門3強でもある二人はその推察力も鋭い。 きっと乃梨子が忍びであることなどお見通し。 

 その上で、そんなことは問題ない、と思ってくれているのだ。
 だから信頼する仲間である祥子、令、由乃の3人に無理に知らせることなく、誤魔化してくれている。

 乃梨子が忍びであることは絶対に隠し通さなければならない使命だった。
 リリアン卒業後、要人警護をすることを義務付けられた乃梨子にとって、忍びであることがばれることは将来の道を閉ざすことになってしまう。
 なにより、自分を信頼してリリアンに送り込んでくれた里長に申し訳が立たない。

「魔法を武器に纏って戦うのは危険よ。 去年のわたくしの魔法と祐巳の棒術の合体攻撃が成功したのは本当に奇跡だったの。
 わたくしがあれ以上強い魔法を放っていたら、魔法を纏う前に祐巳の杖が爆ぜていたわ」

 祥子が祐巳に申し訳なさそうな顔を向ける。
「祐巳の力は私が一番わかってる。 だからあのとき直感的に ”できる!” と思ったの」

 祐巳も祥子を見つめて返す。
「はい。 お姉さまの魔法だったから私も受けることが出来たんだと思います。 多分他の人の魔法だったらできませんでした」

「志摩子さんはどうして祐巳さんの魔法を纏って戦えたの?」
 と、由乃が聞く。

 祥子と祐巳の魔法は元々同じものなので、二人の間での合体が出来る、というのは何となくわかった。
 小さい頃から一緒に育った仲なのだし、なにより毎日の熱々ぶりを見ていれば二人がどれだけ信頼し合っているかわかるから。

「志摩子さんはね、”理力の剣” を持っているから。
 魔法剣になるのは ”ことわり” を理解する力がある理力の剣とそれを使いこなす志摩子さんの力が合わさったからなんだよ」

「え〜〜っ! 志摩子さん、いいなぁ。 なんだかずるい!」
 と、由乃はふくれる。

「でも、魔法剣にするのは今は癒しの光を使う時だけだよ。
 攻撃魔法はやっぱり危険なの。 志摩子さんに魔力が逆流するかもしれないし。
 それに、志摩子さんの斬撃はすでに魔法なんて必要としないほど鋭いの。 
 それは由乃さんもおんなじだよ。 由乃さんの ”衝撃虎砲” は並の魔法剣の攻撃力をすでに超えてるじゃない」

「えっ?! わたしの衝撃虎砲って、そんなに威力あるの?」
 祐巳に褒められたことでちょっと機嫌を直す由乃。

「もちろん! それにそれ以上の技も令さまから教えていただいてるんでしょう? ますます魔法攻撃なんて必要ないじゃない。
 由乃さんに必要なのは魔法じゃなくって覇気のコントロールだよ。
 覇気の必要がない時は極力抑えて、大事な時だけバッ!て思いきり大きく使うの。
 由乃さんは覇気を爆発させるのはピカイチなんだから、抑える方を覚えたらもっと強くなるのに」

 祐巳はこれまでに何度も由乃に覇気をダダ漏らしにしたら危ない、と説いてきた。
 由乃もそれなりにコントロールできるように努めてはいるが、やはり戦闘訓練で覇気を上昇させて戦う時の方が性格に向いている。

(そんなに簡単に上手くいかないわよ!)
 と、ふくれる由乃の横で令は、
(なるほど・・・。 普段の祐巳ちゃんから全く覇気が感じられないはずだ。 意識的に抑えているのか!)
 改めて祐巳の強さの秘密に気付く。

 乃梨子もそのことに気付いた。 
(おかしいと思ってたんだ・・・。 祐巳さまって全く覇気を感じさせないのにあんなに強いのが信じられなかったけど・・・。
 でも、わたしと戦闘訓練する時もほとんど覇気を感じさせないのに?)

 いったい、リリアン最強、と言われる祐巳が覇気を全開にしたらどれだけ自分と力量に差があるのか・・・。
 乃梨子は背筋が寒くなるのを抑えきれないでいた。



「でも、魔法剣士への道は厳しいわね。 2学期から剣術部門への異動はできるでしょうけど、魔法専攻と並行することはできないわ。 まして攻撃魔法部門に進むことはもっと無理ね」
 と、祥子が異を唱える。

「そうだね。 3年生になればアイスソードとかの魔法剣を持つことが許されるけど。
 それにしても去年のような非常事態だけだし、普段から魔法剣を持つわけにはいかないよ」
 と、令も祥子に同調する。

「それなら手っ取り早い家庭教師がいるじゃないですか」 と由乃。

「祐巳さんなら剣術もできるし魔法も使える。 祐巳さんが教えればいいのよ。
 それにどうせ志摩子さんと一緒なんだから、3人で修業したら?」

「えっと、由乃さん。 わたし氷の攻撃呪文は知らないんだよね。 剣術は教えることが出来るけど・・・」
 と、困った顔になる祐巳の横で、
「なるほど、いい案ね!」
 と、祥子の顔が輝く。

「ちょうどわたくしも祐巳と一緒に武道の修行をしようと思っているの。 それに瞳子ちゃんも一緒に修行することにしているわ。
 乃梨子ちゃんに魔法の素質があるのならわたくしが氷の攻撃呪文教えてあげましょう。
 それに今の話でわたくしの武器をさらに改善するいい案が思い浮かんだの。 
 乃梨子ちゃん、志摩子、私達と一緒に修行しなさい。
 一人よりも大人数の方が修行の成果も早く出るに違いないわ」

「えっ! 祥子が武道をするの?!」
 思わぬ方向に走った話題の中で、令が一番驚いた言葉。
 まさか、攻撃系魔法使いとしては世界一とも言っていい祥子が武道をするなど思ってもいなかったのだ。

「あら、わたくしが武道をする、って意外なのかしら?」

「ま、まぁ祥子ならレイピアのような細身の剣とか似合いそうだけど」
 細身で長身、スタイルの良い祥子にレイピアを持たせたらほんとうに似合いそうだ。

「うふふ。 レイピアなんて使わないわ。 弓や剣は使わないの。
 江利子さまがわたくし用に直接開発してくださっている武器があるの。 祐巳もわたくしにぴったりだ、と言ってくれたのでそれを使うわ」

「お姉様が祥子にぴったりの武器を? なんだいそれは?」

「まぁ、見てのお楽しみ。 使いこなせるようになったらご披露するわ」

 どうやら、上手く使いこなせないうちから令に見せることは祥子のプライドが許さないようだ。
 こんなときはすぐに引くに限る。 長い付き合いだ。 令は祥子の性格がわかっていた。

 だが、令の隣では由乃が複雑な顔をしている。 どうやら由乃には祥子の武器がなんであるか妙な予測を立ててしまったようだ。

(きっとあれね。 祐巳さんったら・・・。 祥子さまと言えば女王様。
 女王様といえば・・・。 やっぱりあれだわ。 ほんとにベタなんだから、祐巳さん。
 理由がばれたら祥子さまのヒステリー台風が吹き荒れるかも・・・)

 無邪気な子狸顔で笑う親友を心配そうに見つめていた。

 一方、「一緒に修行しなさい」 と言われた乃梨子は祥子から目が離せなくなっていた。

 祥子も祐巳も明日への希望と夢を実現させようと努力をしている。
 しかも、その希望と夢は自分たち姉妹だけの小さな世界で終わらせるものではないのだ。

 信頼する仲間を巻き込み、共に明るい明日を切り開いていく。
 そのためにはどんな努力も惜しまない。

 その 『信頼する仲間』 として自分は選ばれたのだ、と誇らしい気持ちでいっぱいになった。

(ただの気位の高いお嬢様じゃないんだ。 さすがロサ・キネンシス・・・。 学園トップに君臨する人間は考えることも行動力も違う・・・)

 隠れ里の長からの指令はある。 だがそれ以上に祥子をはじめとする山百合会の仲間たちに心惹かれていく自分を乃梨子は感じていた。




〜 あとがき 〜

 しばらくご無沙汰していました。
 いよいよ第2弾、第3部をスタートいたしますが、まだこの3部には名前がついていません。
 この先の展開がまだまだ決定していないからです。
 方針としては、第3部で、瞳子をはじめとする一年生たちの成長を書いていきたいなぁ、と思っています。

ex



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