【3507】 パエリアかじってます邪神降臨  (bqex 2011-05-10 02:17:07)


【No:3495】【No:3502】【これ】【No:3514】【No:3522】【No:3542】
■何かの意志で『パエリア』を引かされ続けてるとしか思えない件■


ミス・アンナ「ごきげんよう、今回は流石に『ちょっ、まじですか!? 私はカニのキーを引きに来ただけですよ。うわあ、二回連続かじるって?』と言ううp主にうっかり召喚されてしまいました、アンナ・カートランドです」

蓉子「どちらさまっ!?」

ミス・アンナ「私は『大正野球娘。』という作品内で東邦星華女学院の英語教師をしています。ミス・アンナと呼んでください」

蓉子「何故こんなところにいるんです? ミス・アンナは大正時代の方ですよね?」

ミス・アンナ「そのとおりです。よくご存知ですね」

蓉子「よくご存知じゃないですよ。大正時代の姿のまま平成に現れるだなんて一体何がどうしたと――あの、質問している間に何故抱きつくんですか?」

ミス・アンナ「コミュニケーションです」

蓉子「いくらアメリカ人でもこんなコミュニケーションは取らないんじゃないですかっ?」

ミス・アンナ「折角ご一緒するのですから、仲良くしましょう」

蓉子「やり過ぎですっ。離してくださいっ!」



■クロスオーバー作品のパターン■


ミス・アンナ「前回のSSでコメントいただいたのですが、クロスオーバー作品を作る際、『アクの強い方に引っ張られてリリアンじゃなくなる』というコメントを頂きました。ここでクロスオーバー作品の勘所をしっかりと押さえておきましょう」

蓉子「押さえなくていいです。クロスオーバー作品というだけで敬遠されることも多いんですから」

ミス・アンナ「では、その辺りも含めて説明していきます。クロスオーバー作品とは二次創作においてはある作品と別の作品とがミックスしたものです。お馴染みのあのキャラクターが違う世界やキャラクターを相手に活躍する姿が見られるという一方で、ミックスする相手の作品を知らない場合はオリジナル同然のキャラクターや設定がのさばることになります。また、クロスオーバー作品というだけで嫌う読み手も多く存在しています」

蓉子「だから、お帰りくださいとお願いしてるじゃありませんか」

ミス・アンナ「夢の共演を見たい、あの世界での活躍を見たいという妄想ががちゃがちゃのキーという形で入っていますし、クロスオーバー作品をきっかけに新しい世界が広がることもあります。その辺りは温かい目で見守ってください」

蓉子「ああっ、このSSの作者が全力でSSの出演者に自己弁護の片棒を担がせた!」

ミス・アンナ「あっさり見破られてしまいました」

蓉子「そこは否定すべきところですよ!」

ミス・アンナ「では、クロスオーバー作品のタイプ別に注意点をまとめていきましょう。【1】作品Aのキャラと世界観はそのままで、作品Bのやり取りを再現する。基本的に作品Bの世界やキャラは登場しない。というタイプです。例1を見てください」





例1

『マリア様がみてる』×『大正野球娘。』のクロスオーバー
『男子がすなるという、あれ』


 胸さわぎの月曜日の放課後。
 祥子さまにタイを直してもらう写真を持って祐巳は蔦子さんと一緒に薔薇の館を訪れ、志摩子さんに導かれ二階の会議室に向かう。
 志摩子さんはゆっくりと扉を開けた。その瞬間一人の生徒が弾き出されてきてぶつかり、祐巳は下敷きにされてしまった。
 祐巳の無事を確認した祥子さまは「よかった」と祐巳を抱きしめ、そのままで耳元でささやく。

「お願いがあるの。聞いてくれない?」

「あの、なんでしょうか?」

「話す前に、うんと言ってくれなくてはいけないわ」

「うん」

 そのまま祐巳を会議室に連れ込んだ祥子さまは宣言した。

「私は、今ここに福沢祐巳と共に野球チームを結成します」

「あの、私には話が見えません」

 蔦子さんが突っ込みもとい質問する。
 その後のやり取りは長いものだが、あらましはこうである。
 今年の山百合会の舞台劇はシンデレラで主役は祥子さま、相手役は花寺の生徒会長柏木さんで、柏木さんは祥子さまの婚約者だという。
 その柏木さんは男色家で祥子さまは外に恋人を作って子どもを産めと散々説かれたらしい。そして、柏木さんは野球をやっていることを自慢していた。
 祥子さまとしては怒りがおさまらず、結果として相手が自慢していた野球で仇をとろうという結論に達したらしい。

「だからといって学園祭前の忙しい時期に野球チームを結成して花寺と試合するのは無理があるでしょう。なんて短絡的なの。『大正野球娘。』じゃあるまいし」

〜ですよね(笑)〜






蓉子「ひどい。ひどすぎます」

ミス・アンナ「例1では『大正野球娘。』の始めの方のやり取りを再現しています。基本的には『大正野球娘。』の世界もキャラクターも関係ありません。このタイプではキャラクターも世界観も取り込んだ部分以外はそのままなので読み手の混乱は少なく、相手の作品を知らなくても取り込み部分によっては受け入れやすいものです。しかし、単なるネタなので続けていくと矛盾点が多くなったりします。学芸会の舞台劇のような感覚でやる程度が無難です」

蓉子「いくらなんでもこの時期に野球はないと思います」

ミス・アンナ「続いて【2】作品Aのキャラが作品Bの世界もしくは設定で活動するが、基本的に作品Bの世界のキャラは登場しない。というタイプです。例2を見てください」





例2

『マリア様がみてる』×『大正野球娘。』のクロスオーバー
『信子さまがみてる』


 大正十四年。
 ひょんな事から祐巳は全校の憧れの的祥子さまとお近づきになることができた。

「ちょっといい?」

「あ、……はい」

 二人は静かに話せる場所に移動した。

「気がついた? 私、ダンスの時、優さんの足を三回踏みつけてやったの」

「へぇ……」

「見栄っ張りだから、絶対にそんな素振りは見せないけれど、あれは相当痛かったはずよ。だって、ハイヒールだもの」

 想像したらおかしくなって二人で笑った。
 人の痛みのわからない柏木さんに、祥子さまは肉体的に報復をしたわけだ。

「ありがとう。今笑っていられるのは、祐巳のおかげよ」

「でも、私、何も」

「してくれたのよ。自分ではわからないかもしれないけれど、確かに。だから……私の妹になりなさい」

 吉屋信子の『花物語』に出てくる女学生同士の恋物語に出てくる姉妹という関係になるだなんて、それもまさかあの祥子さまとである。

〜うp主が【百合注意】と書き忘れたためここで中断させてもらいます(え〜っ)〜






蓉子「さっ、祥子〜っ!?」

ミス・アンナ「途中で切ってしまったのでわかりづらいですが、例2は『マリア様がみてる』の『先輩と後輩の一対一の関係である姉妹』というシステムが存在せずに、『大正野球娘。』で地の文でちらりとだけ触れられている『女学生同士の擬似恋愛相手としての姉妹』が存在しているという世界です。キャラクターもやり取りも『マリア様がみてる』の原作とはかけ離れていないはずなのに設定のおかげでなにやら怪しいことになってしまいました。世界観が変わることにより通用しないことがでてきますので安易な設定変更はやめましょう」

蓉子「何故よりによってこの場面とその設定をピックアップするの〜っ!! 私のかわいい妹をガチにしないで〜っ!!」

ミス・アンナ「相手のキャラクターが出ないという点は【1】に似ていますが、【1】とは違って強引に相手の作品のやり取りを再現したりする必要はありません。例2は前回触れた『もし、「大正野球娘。」の世界に「マリア様がみてる」のキャラクターがいたら?』という妄想からストーリーを作っていく方法が向いていると思います」

蓉子「うう、なんという大惨事……」

ミス・アンナ「それでは次、【3】作品Aの作品の世界とキャラがいるところでに作品Bのキャラが入り込む。というタイプです。例3を見てください」





例3

『マリア様がみてる』×『大正野球娘。』のクロスオーバー
『もし、ワンダフルな教師がリリアンにいたら』


 リリアン女学園中等部一年李組は英語の授業中だった。
 いつもの教科担当の先生が入院してしまったとかで、今日から暫く別の先生が担当することになったのだが――

「アンナ・カートランドです。アメリカ出身でしばらくの間皆さんの英語の時間を担当します。私のことはミス・アンナと呼んでください」

 やってきたのは金髪碧眼の若い女性教師だった。

「今日はLL教室を使っての授業ですが……」

 ミス・アンナはじっと機材を見つめている。どうやら初めて操作するらしい。
 そんなの授業の前に研修で覚えておくべきなんじゃありませんか、と蓉子は心の中で突っ込む。
 初めての授業ということで付き添いできていた講師がミス・アンナにレクチャーする。

「……と、操作すれば大丈夫です」

「ありがとうございます。失礼しました」

 ポンポンとスイッチを押すミス・アンナ。ああ、そんな風に操作しては――

 ――ドカ〜ン!!

 いわんこっちゃない。

「せ、先生っ!?」

 講師は真っ青になって機材を直している。

「未来の機械は軟弱でいけません。大正時代の蓄音機やラジオはこうやって扱っても壊れませんでしたよ」

 無茶苦茶なことを言い出す。
 時間内での修理が無理らしく、ミス・アンナは自分でテキストの内容を読み上げるという。ネイティヴなのだからそちらの方が手っ取り早い気がする。

「では、相手役は……このクラスの代表は誰ですか?」

「クラス委員なら、水野さんです」

 江利子は素早く蓉子を指名する。ちなみに江利子はもう一人のクラス委員である。

「では、蓉子」

 指名された蓉子は席を立ち、英語で会話する。テキストを片手にミス・アンナが蓉子のそばにやってきた。

「発音、内容、文法全てがワンダフル!」

 といきなりミス・アンナは蓉子を熱く抱擁した。

「せ、先生っ!?」

「アメリカ流の心愛の表現です。それと、私のことはミス・アンナと呼んで下さい」

「ミス・アンナ! なぜ愛情表現で胸やら腰やらを揉む必要があるんです?」

「いい体ですね。野球をする気はありませんか?」

「丁重にお断りしますっ!」

 笑いながらミス・アンナは逃れられる程度に力を抜くと、蓉子は脱出した。
 すると、一人の生徒が手を挙げて聞いた。

「先生、それも授業で教えてくれるんですか?」

「聖さん!?」

 五年後、白薔薇さまとなったその生徒は時の紅薔薇のつぼみの妹に師の教えを忠実に実行することになるのだが、それは別の話である。

〜いくらなんでも何をさせる(呆)〜






蓉子「ですから、抱きついて胸やら腰やらを揉むのはやめてくださいっ」

ミス・アンナ「意外と着痩せするタイプですね」

蓉子「ここで初回のあれを拾わないでくださいよ!」

ミス・アンナ「蓉子の強い要望があったので進めましょう。例3では『マリア様がみてる』に私が乱入しています。大正時代の私は平成の機材がわからず右往左往していますね。このように乱入するキャラクターには元いた世界や設定を踏まえた行動を取らせます。また『何故乱入した(させられた)のか』と『元の世界に戻りたいのか否か』及び、本人の意志で乱入してきた場合は『何の目的で乱入してきたのか』は一発ネタで終わらせる限りでない場合は漠然とでも設定しておくといいでしょう」

蓉子「あの、ミス・アンナは何故ここに乱入した(させられた)のですか?」

ミス・アンナ「うp主の気まぐれです。今回の話が終わったら大正時代に帰る予定になっています」

蓉子「聞くんじゃなかった……」

ミス・アンナ「もし、乱入させようとするキャラクターが乱入される世界のあるキャラクターに似ている場合は『無理にクロスオーバーにしないで乱入された世界のキャラで書けばよかったのでは?』と突っ込みが入ってしまいます。それは似ているキャラクター同士の関係の設定がなされていないと起こることが多いので、例3では読み手から『蓉子に抱きついて胸揉ませるなら聖の方がよかった』と一斉に突っ込みが入ってしまうのを防止しようと無理矢理聖を私の弟子にしました」

蓉子「無理に出してる時点で例のコンセプトが崩壊してます! しかも読み手の突っ込みの内容が欲望全開じゃないですか! そんな品のない突っ込みをするがちゃS住民はいません!」

ミス・アンナ「そこはスルーして進めましょう。最後に【4】作品Aと作品Bの世界がつながって、両方のキャラが行き来したり交流したりする。というタイプです。例4を見てください」





例4

『マリア様がみてる』×『大正野球娘。』のクロスオーバー
『マリア様の野球娘。』(【No:3146】から)より


 平成のある年末のこと。
 荘介は書斎のデスクの引き出しを開けた。
 そこには一枚の写真が入っている。
 若き日の荘介が主審を務めた東邦星華女学院とリリアン女学園の試合終了後に記念に撮られたものである。
 最近荘介は思うことがある。
 それはリリアン女学園の小笠原という選手が孫の祥子に似ているということだ。
 祥子だけではなく、リリアン女学園の選手たちは祥子の部屋に飾られている写真の少女たちとそっくりなのである。
 だが、偶然の一致に過ぎないと荘介はそれを否定し続けてきた。
 彼女が祥子であるならば時空を超えて大正時代に野球の試合をしに来たことになってしまう。
 そんなことはありえない。大正時代は今ほど高性能なカメラではなかったので、こういった集合写真で見ると似ているだけなのかもしれない。と荘介は今日もそれを否定する。
 深い息をつき、荘介は窓の外を見た。
 また一人の少女が小笠原邸を訪れる。祥子と約束をしているらしいが、この年の瀬に何をする気なのだろう。
 様子をうかがいに荘介は客間を訪れた。

「お祖父さま、どうなさいました?」

 荘介は目を疑った。
 目の前にはあの夏の日に現れた選手たちがそろっている。

「そ、その格好は?」

 小笠原選手に荘介は尋ねた。

「野球のユニフォームです。今日はこれから試合があってもうすぐ出発するところなんです」

 動悸を覚える。
 ただならない荘介の様子に何かを感じた祥子が緊張した面持ちになる。

「……相手は?」

「相手ですか」

 一瞬言いよどんだあと、小笠原選手は答えた。

「桜花会というチームです」

 それ聞くと荘介はふうーっと大きく息を吐いた。
 まさか、本当に?
 大正時代から未来の世界にやってきたのだろうか。

「どうなさいました、お祖父さま?」

 お祖父さま、と呼ばれて荘介は我に返った。
 目の前にいるのは孫の祥子だ。
 どうかしている。

「いや……無事に帰ってきなさい」

 笑顔で祥子ははい、と答えて出かけていった。

 ◆◇◆

 大正十四年八月十六日、東邦星華女学院。
 荘介は約束通り仲間を引き連れて時間通りに現れた。
 晶子の対戦相手はどんなものだろうかと見てみると、パッと目に入った少女がいた。長い黒髪で晶子に似た美人である。

「お前、見とれてるのか」

「馬鹿、そんなんじゃない」

 身のこなしから見てあの中では出来る方だ。晶子とはいい好敵手になるだろう。
 それと同時に荘介は彼女を初めて見た時から言い知れぬ何かを感じていた。
 彼女のことを知っているような、知らないような不思議な何かである。
 だが、打順表の交換の時に彼女が「小笠原」という苗字であることを知って妙に納得した。なるほど、晶子の身内なのだろう。と、いうことは未来の親戚縁者かもしれない。
 試合前なのに、なんて馬鹿な事を考えるのだとその考えを素早く追い払い、双方の選手を集めた。

「これより、東邦星華女学院桜花会対リリアン女学園山百合会の試合を開始します!」

 主審である荘介の宣言で試合は始まった。


〜何故祖父視点っていうなよぉ(泣)〜






ミス・アンナ「例4では『マリア様がみてる』と『大正野球娘。』が未来と過去という関係に設定されていて両方のキャラクターが交流しています。また、過去と未来という設定にしたことで生じた捏造設定もあります。前回も触れましたね」

蓉子「なぜか今『ちょっと期待してたのに』という一部の叫び声が聞こえた気がしました」

ミス・アンナ「気のせいです」

蓉子「気のせいで済ませますかっ!」



■クロスオーバー作品での注意事項■


ミス・アンナ「クロスオーバー作品を作るときの全般の注意点をまとめました。まずは【イ】オリジナル設定やオリジナルキャラクターを不必要に持ち込まない。です。例5を見てください」





例5

『マリア様がみてる』×『大正野球娘。』のクロスオーバー……なのかな?
『ありさえもん』


 平成のリリアン女学園で祐巳は謎の上級生に声をかけられてどこかへ連れてこられた。

「一週間だけ、祐巳さんにはここ、東邦星華女学院の生徒になってもらって野球の試合に出てもらいたいの」

「はっ!?」

 祐巳は聞き返す。

「ここはね、大正時代なのよ」

「た、大正時代!?」

 どんどん突拍子もない方向に話が進んで行き、祐巳は仰天する。

「そう。この東邦星華女学院には祐巳さんのお姉さまである由乃さんのご先祖様がいてね、彼女は自分の許嫁と来週野球の試合をする事になっているの。ところが、ちょっとしたトラブルからメンバーの一人が怪我をしてしまって、このまま試合が出来ないと歴史が変わってしまって、由乃さんが生まれてこなくなるのよ」

「ええええええええええぇーっ!!」

 祐巳の頭の中は超展開のあまりスパークした。

〜書いてる人の頭の中も超設定にスパークした(オイ)〜






蓉子「【No:3214】でなしという結論に達しましたよね、この設定。しかも、コピーして該当箇所変えただけじゃないですか」

ミス・アンナ「ナイス突っ込みです。クロスオーバー作品は複数の作品の設定やキャラクターが登場するため変更点が最小限に抑えられていても読み手は大変だったりします。そこに不必要な設定変更が加わることでかなりの負担となり、読みづらい作品になります。例5では由乃が祐巳の一学年上にいる必然的な理由がないため混乱するだけの、いわゆる『つかみで失敗する』話になっています。設定の変更はクロスオーバーしたことでうけた影響と結びついている場合やストーリーと密接に関わってくること以外は避けたほうがいいでしょう」

蓉子「あっ、コピーの件はスルーですか?」

ミス・アンナ「次の注意点は【ロ】クロスオーバーさせる作品数を大量にしない。です。例6を見てください」





例6

『マリア様がみてる』×『大正野球娘。』×『美少女戦士セーラームーン』×『サクラ大戦』のクロスオーバー……なのかな?
『野球娘がみてるムーン大戦』


 火野レイは学校の敷地内で変わった石碑を見つけた。

「『桜花会』……?」

 するとレイの持っていた変身用のスティックが反応して異常な輝きを見せた。

「何っ!?」

 目の前に九人の少女たちが現れた。
 話を聞くと、彼女たちは黒之巣会という謎の組織がしかけた降魔戦争に巻き込まれ、時空移動してきたという。

「私一人の力じゃ……そうだ、皆に相談してみよう」

 いつもの場所に集まったのはセーラー戦士たち。
 桜花会を大正時代に戻すため奮闘することになる。
 同じ頃、リリアン女学園。

「これは……乃梨子、皆を呼んできて!」

「はいっ!」

 リリアン女学園に現れたのは帝国華撃団花組の面々で、ひどい怪我をしていた。
 それを見つけた山百合会の面々は保健室に運び世話をする。

「ここが未来の世界ですって!? 私たちは黒之巣会と戦って帝都を守らなくてはいけないんです!」

 わめく神崎すみれ。

「落ち着いて。大正時代が無事だったから私たちが今、こうしているのではなくって? 今は治療に専念すべきよ」

 花組を狙って現れたのはブラック・ムーン一族で、平成時代を支配するために大正時代の黒之巣会と手を組んだという。

「この小娘を返して欲しければセーラー戦士の持つ銀水晶を持ってくるがいい!」

「祐巳!」

 誘拐される祐巳。T.A.女学院に向かう祥子の前に現れた桜花会。

「元の世界に戻るためには私の子孫、つまりあなたの協力が不可欠なのよ」

 衝撃の関係が発覚する祥子と晶子。
 その後も怒涛の展開が繰り広げられ、そして。

「我々黒之巣会とブラック・ムーン一族は福沢祐巳を賭ける。お前たちはその銀水晶を賭け我々と勝負しろ!」

「お待ちなさいっ! 勝負の内容はこちらで決めさせてもらうわ! 野球で勝負よ!」

 乃枝の提案が何故か受け入れられ、美少女集団と悪役集団は野球で対決するのだった。

〜何がしたいうp主(?)〜






蓉子「火星派?」

ミス・アンナ「蓉子、どこに反応しているのですか?」

蓉子「これはすぐに消してください」

ミス・アンナ「何故蓉子が憮然としているのかはわかりませんが解説に行きましょう。小笠原のお嬢さまつながりで『マリア様がみてる』と『大正野球娘。』をクロスオーバーさせるだけでは飽きたらず、麻布十番つながりで『大正野球娘。』と『美少女戦士セーラームーン』をクロスオーバー、更に大正時代をイメージした作品である『サクラ大戦』(作中では『太正』)を強引に引っ張ってきて、最後にやることは野球という訳がわからない、話として既に破綻している何かが展開されました。書き手も読み手も大混乱です」

蓉子「こんなものは書く気がないので廃棄の方向でお願いします。仮に誰かがこっそり続けたとしても責任は取れませんが、強いて言うならば木星にスポットを当ててください」

ミス・アンナ「華麗にスルーして、次は【ハ】片方だけを一方的に活躍させたり、逆に一方的にひどく扱ったりしない。です。例7を見てください」





例7

『マリア様がみてる』×『大正野球娘。』のクロスオーバー……なのかな?
『お釈迦様の野球娘。』


 大正時代に取り残された祐巳の帰還条件を満たすため、桜花会と山百合会は現在試合中である。

「ストライク! バッターアウト!」

 現在桜花会はパーフェクトに抑えこまれている。

「あのピッチャー、岩崎さんより凄い……唯一打てそうな巴は勝負させてもらえないし。どうしたら……」

「祐巳、あの選手は一体何なの!?」

「え、えーと……」

 祐巳は視線を泳がせた。
 その頃、山百合会のベンチ。

「このままコールドゲームで勝つわ!」

「はい」

「肩は大丈夫? 早めに次のピッチャーと代わるのよ」

「いえ、大丈夫です。祐巳のためでもあるんですから」

 祥子は桜花会にどうあっても勝てないことを理解すると従兄の優と野球経験者の祐麒を女装させてチームに紛れ込ませた。
 二人のおかげでおかげでここまで守ればパーフェクト、打てば100点差というワンサイドゲームが展開されている。
 もうすぐ祐巳を無事に連れて帰ることができるだろう。
 祥子は更に差を広げるために自ら打席に向かうのであった。

〜これが逆境だ(!)〜






蓉子「男の娘はそろそろ廃れてますから!」

ミス・アンナ「たとえどれほど片方の作品に肩入れしていたとしても、一方的な作品はつまらなくなります。それに、クロスオーバーさせるのであれば相手作品のファンも目にするものです。そのときに作品で自分のお気に入りの作品やキャラクターが不当な扱いを受けていたらどう思うでしょうか。両方の作品に同じくらいの敬意を払ってください」

蓉子「なんだかいい話のように展開して好感度上げようとしていませんか?」

ミス・アンナ「わかりましたか」

蓉子「ですから、否定してくださいっ!!」

ミス・アンナ「ここでコメント頂きました『アクの強い方に引っ張られてリリアンじゃなくなる』について考えてみましょう。どういったタイプのクロスオーバーを展開するのかはわかりませんし、別にリリアンで活躍させる必然性もありませんが、【3】か【4】のタイプのクロスオーバー作品を書こうとしているのでしたら、改めてキャラクター同士の関係を見直す、双方の世界観や設定を整理し、活躍できなさそうなキャラクターがより活躍できる方の設定や世界を生かす、などしてバランスをとってみて、立派なB級SSを書き上げてくださいね」

蓉子「ですから他人さまの作品をB級呼ばわりしないでくださいっ!」

ミス・アンナ「それでは皆さま、またいつか『パエリア』キーを引く事故が起こったらお会いしましょう」

蓉子「事故扱いですかっ! いい加減にしてくださいっ!」


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