【No:3532】【これ】
〜続き〜
「何で江利子様が居るのよ!!」
「そうね。何でかしら?由乃さん」
「志摩子さん‥」
「?」
志摩子さんの天然が炸裂した。
「‥はぁ〜」
「あの、ロサ・フェティダ」
「何?乃梨子ちゃん」
「年度が変わったばかりですから、懐かしくなって遊びに来たのではないでしょうか?今日は、土曜ですし」
由乃さんは、それを聞くと、椅子に座り指を顎に当てて黙り込んでしまった。
うん、まさに考える人だ。いや、現在進行形だから考えている人か。
白薔薇姉妹は、部屋の隅で何やら話し合っている。
逃げる算段かな?
-1分後-
「あっ!」
急に由乃さんが、声を上げて立ち上がった。
私が話しかける前に、恐る恐る乃梨子ちゃんが話し掛けた。
「どうかされましたか?ロサ・フェティダ」
「志摩子さん、さっき私に嘘言ついたわよね?」
「えっ?」
「あっ」
白薔薇姉妹は、まずい!!といった顔をした。
そして、今度は志摩子さんにぐいっと詰め寄った。
あれ?‥
「志摩子さん、理由‥聞けるわよね?」
「理由‥理由よね?」
「そう」
「理由は‥」
志摩子さんは由乃さんと話しながら後ずさっていた。
もちろん、由乃さんはぐいぐい志摩子さんを壁際まで追い詰めていた。
ん〜何か違和感がする。
いつもなら、‘志摩子さんのピンチに乃梨子ちゃんあり!!’なのに、乃梨子ちゃんは志摩子さんを見ているだけだ。
そんな矢先、瞳子に脇腹をツンツンされた。
「あんっ」
………………おっほん。
瞳子にクスッとされたのは見なかったことにする。
我ながら成長したね、うん。
「あっ、すみません。お姉さま」
「何の事かしら。それで、急にどうしたの?瞳子」
「あの、そろそろ由乃様に介入されては如何ですか?」
「そう‥だね」
何か腑に落ちないけど、ここはそうしないと話が進まな気がする‥。
「ねぇ、由乃さん、志摩子さんだって悪気があって嘘ついたわけじゃないと思うよ」
「何?祐巳さんは、志摩子さんの味方をするつもりなの?」
「いや、そういうわけじゃ‥」
「それなら、祐巳さんは黙ってて」
うぅ‥由乃さん恐いよぉ。
でも、私だってロサ・キネンシスなんだ!!
「‥じゃあ、1個だけ質問したいな〜。えへ」
「何?」
「ありがと。由乃さんは、何で菜々ちゃんを探してたの?」
「へっ?‥そうよ。そうなのよ。聞いてよ、祐巳さん志摩子さん!!!」
由乃さん、忘れるぐらいの事なら許してあげればいいのに‥。