昼休みの薔薇の館
昼食をとった後なので、皆まったりしていた。
ただ、此処に居るのは三薔薇様と私だけ。
瞳子様は演劇部の集まり。
乃梨子様は日直の仕事があるらしく、教室へ戻られていた。
「…暇ね」
「そうですね」
「菜々‥」
「何でしょうか」
「妹なら、もうちょっと気の利いたこと言えないの?」
「…すいません」
ああ、始まった。
理不尽この上ない。
でも…それも嫌いじゃなかったりする。
だって、この後にどんな面白い事を言ってくれるのか、ワクワクしてしまうから。
「ねぇ、祐巳さん。何かいい案ない?」
「…パスかな」
「もぉ、真剣に考えてよ。じゃあ、次。志摩子さんは?」
「私?…そうね、こういうのはどうかしら。ちょっとの間妹を交換してみる…とか?」
「あら、珍しい」
「?」
「ごめんごめん。まあ、ベタな案だけど、乃梨子ちゃんにベッタリの志摩子さんからの発案という事に敬意を表して…採用!!
という事で、良いわね?祐巳さん」
「うん、しばらく学校行事や、山百合会の行事が無いから問題ないだろうけど、一応は瞳子に聞いてみないと‥」
「瞳子ちゃん?祐巳さんに掛かれば、そんなの、ちょちょいのちょいでしょ?」
「ちょちょいのちょいって…まあ、話をするだけしてみるね。反対されたら諦めてね?」
「でも、志摩子さんは良いの?菜々ちゃんも」
「はい。私はロサ・フェティダ・アンブゥトゥンですから」
「ええ、私も構わないわ。でも、乃梨子については祐巳さんと同じね」
「よ〜し!!じゃあ、期間は来週の1週間ね。行事も特にないし、それには賛成よね?」
「うん」
「ええ、問題ないと思うわ」
「じゃあ、2人ともよろしく〜。ごきげんよ〜。菜々、行くわよ〜」
「はい。では、ロサ・キネンシス、ロサ・ギガンティア、ごきげんよう」
総括。
今回、お姉さまは本当に暇だったらしい。
言いだした張本人なのに、まさかのノープランだったから。
でも、それも含めて島津由乃だと思う。
良い風に捕らえすぎかな?これも妹の欲目か…。
そういえば、私は誰の妹になるんだろう?