【3574】 志摩子! ダッシュ!銀杏大好き。  (bqex 2011-10-27 12:52:01)


 割り箸、よし。
 ビニール袋、よし。
 午前の授業終了を告げるチャイムが鳴る。

「志摩子さんお弁「ごめんなさい失礼するわ」」

 桂さんへの返事をしながら教室を飛び出し、講堂裏のいつもの場所へ直行する。
 乃梨子はもうきているのかしら。

「!!」

 こ、これは一体!?
 ハロウィンでお馴染みのジャック・オ・ランタンが辺り一面占拠しているなんて!
 これは悪夢よ。
 そうよ、そうに決まっているわ!
 私の神聖な銀杏フィールドを荒らすクリーチャーなんて認めないわ。
 目を閉じて。1、2、3。目を開いたらジャック・オ・ランタンが……消えてないわ!
 これはリリアン女学園高等部に対する挑戦状?
 それとも新手の呪いの儀式?
 山百合会としても放置できないわ。
 乃梨子に相談して火急的速やかに迎撃しなくては。

「あ、白薔薇さま」

 振り向くと菜々ちゃんが近づいてきた。

「ごきげんよう」

「驚かれましたか? もうすぐハロウィンなので張り切って飾ってみたんです」

 ドヤ顔の菜々ちゃん。



 数日後のリリアンかわら版。

『黄薔薇のつぼみ有馬菜々さんが大怪我で入院した。第一発見者で白薔薇さまの藤堂志摩子さんは「駆けつけた時は怪我をしていた。一日も早い回復を祈っている」とコメントしている。』

 そして翌日【No:3575】


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