【No:3580】の翌日の保健室では祐巳が寝ていた。瞳子が付き添っている。
「瞳子、私はもうダメ……不甲斐ない姉を許して」
「お姉さまの遺志は継ぎます。後はお任せください」
「いや、残ってた栗饅頭つまんだらあたっただけで死ぬ程ではないんだけど」
「そんないやしん坊、私なら恥ずかしさで死にます」
「だからごめんって」
そこへ由乃と志摩子が現れた。
「祐巳さん、話は聞いたわ」
「二人とも仲直りした?」
「今ここで」
由乃と志摩子は握手をかわした。
こうして銀杏南瓜戦争は終結した。
「祐巳さんの遺言どおり皆で仲良くしましょう」
「祐巳さん亡き後二人で頑張るわ」
「死んでないよう。そもそも差し入れの栗饅頭が余った原因は二人が揉めて薔薇の館に来なかったからでしょう」
「同じクラスなんだから教室に持ってきてくれてもいいのに」
「話し合おうって言ったときお饅頭について触れてなかったわ」
「あんなに余ってたのに毎日行ってた私にも勧めなかったですよね、お姉さま」
次々と糾弾される祐巳。
「栗饅頭食べたのが高等部で戦争起こしたより重罪って!?」
「白薔薇と黄薔薇は手を取り合って瞳子ちゃんを支えていくわ。祐巳さんは草場の影から見守ってて」
「お願いだから殺さないで〜」
明日のリリアンかわら版。
『紅薔薇さまの福沢祐巳さんが食あたりで早退した。クラスメイトによると「銀杏南瓜戦争は栗饅頭の敗北に終わった。私はまだ死んでない」と語ったという。』
### War of Ginkgo Nut and Pumpkin Head ###
【No:3574】【No:3575】【No:3577】【No:3578】【No:3580】【Read Now】
*** The End ***