【短編祭り参加作品】
災難は取り次ぎもなく大声でやってきた。
「ももっち〜! 帰ろ〜!」
コケる私に乃梨子さんが唖然と
「ももっち?」と聞いた。
(タマちゃん、学校でももっちはやめてください!)
「タマちゃん?」
「あー」
「一緒に住んでるんだよね?」
「うん、環さまは私の大叔ぶぁげふうぅ」
ひじ打ち来た!
「まあ義妹みたいなね、ももっち」
「だから学校……」
「ロサギガンティアアンブゥトンよりいいと思わない?」
「ちょ、タマちゃん!」
「賛成ですけど……リリアンで初めて言われました。千葉へ帰れば大爆笑ですが」
「ほぉ。某ラノベの、せんようのマッドシティとか? 暗黒物質《ダークマター》溢れる厨二な」
「松戸市の人が怒りますよ」
「千の葉でサウザンド・リーヴス?」
「フランス語でミルフイユでどうでしょう」
「……ロサ・ギガンティアがいいです」
後の白薔薇のミルフィーユことミルフイユ・ロゼ・ブランシュ乃梨子の最初の衝撃であった。