小さい白い薔薇さまは、みんなに向かっていいました。
「誰が種をまきますか?」
紅薔薇さまは、「いやよ」
と、いいました。
黄薔薇さまは、「ごめん、試合が近いから」
と、いいました。
つぼみは、「勝手にまいちゃまずいよ、志摩子さん」
と、いいました。
小さい白い薔薇さまは、一人で種をまきました。
小さい白い薔薇さまは、みんなに向かっていいました。
「誰が実を拾いますか?」
紅薔薇さまは、「いやよ」
と、いいました。
黄薔薇さまは、「ごめん、由乃に怒られるから」
と、いいました。
つぼみは、「ていうか、何でもう実がなってるの?」
と、いいました。
小さい白い薔薇さまは、一人で実を拾いました。
小さい白い薔薇さまは、みんなに向かっていいました。
「誰が皮をむきますか?」
紅薔薇さまは、「いやよ」
と、いいました。
黄薔薇さまは、「ごめん、家に入れてもらえなくなるの」
と、いいました。
つぼみは、「志摩子さん、お願いだから考え直して」
と、いいました。
小さい白い薔薇さまは、一人で皮をむきました。
小さい白い薔薇さまは、みんなに向かっていいました。
「お料理は火を使うから、任せてもらうわね」
「「「それなら手伝えるんだけど」」」
小さい白い薔薇さまは、みんなに向かっていいました。
「誰が茶碗蒸しを召し上がる?」
紅薔薇さまは、「折角だからいただくわ」
と、いいました。
黄薔薇さまは、「部活はおなかが減るのよね」
と、いいました。
つぼみは、「志摩子さんの手料理ですね」
と、いいました。
小さい白い薔薇さまは、どうしたでしょう?