【短編祭り遅刻作品?】
あーやっぱり間に合わなかった…orz
タイトルは「やくそくだよ」です
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(…うこちゃん、このままお…ってこう…に…たらすー…に…うね)
ガバッ!「なに今の…何で今ごろこんな夢を…」
夢の中とはいえ幼稚舎のときのあんな約束を…思い出すなんて。そう思いながらも松平瞳子は一人の上級生を思い浮かべていた。
二年生のお姉さま方が修学旅行に行かれてもう5日。
確かに自分の近くにあの方がいないのが少し寂しくもあるが、今の静かな校内もあと数日もすればにぎやかになるだろう。
目覚ましが鳴るまでまだ30分以上あるが、今からベッドに入って二度寝をしたら寝坊してしまうのは間違いない。
仕方がないので朝食までは時間があるので身支度をゆっくり済ませ、自室をあとにした。
今日はいつもより時間をかけて丁寧に仕上げたおかげで、縦ロールも心なしか存在感をアップさせていた。
「まったく…祐巳さまのせいでとんだ早起きだわ。夢の中にまで入ってきて私を惑わすんですもの…」
そう独りごちた瞳子の顔はなぜかほほえんでいた。
「そういえば、祐巳さまはあの約束のことを覚えていらっしゃるのかしら…あの方のことですからお忘れになっているかもしれませんわね…最初に薔薇の館に行った時だって…」
そしてその日はあの約束のことで頭が一杯になり、授業も教師の話はろくに頭に入ってこない始末。
周囲のクラスメイトからは「瞳子さんが壊れた」と噂されることになるが、それはまた別のお話。
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一方その頃フィレンツェでは…
(…こちゃん、おおきくなってこうとうぶにはいったらすーるになろうね)
ガバッ!「なに今の夢…私あんな約束したっけ…」
「…祐巳さん、祐巳さんってば、もうすぐホテルに着くんだからちゃんと起きてよね。まったくもう、バスに乗ってすぐにお眠りとはいいご身分ですこと」
「…んぁ?よふぃのはん…ハッ!ああー、ごめんごめん、この振動が気持ちよくってつい…」
「で、夢の世界はそんなに楽しかったのかしら眠り姫さん?私のひざの上にガッツリもたれかかっちゃって。寝言で約束がどうとか聞こえたけれど?」
「えっ?そんなこと言ったっけ…よく覚えてないや」
「そうなの?まあいいわ。今日の夕食のおかず一品でチャラにしてあげるわ」
「えーそれはひどいよ由乃さん…お手柔らかにお願いしますうー」
「さあどうしようかなー」
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でも、あの約束の子は誰だったんだろう。
よく覚えていないけど、今もリリアンにいるのかな。
もしも、これは私の願望だけど…その相手が瞳子ちゃんだったらちょっぴりうれしいかな。
制服の内側のロザリオは「やくそくだよ」とバスの振動に合わせてささやくように揺れるだけ…
【END】
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紅薔薇:NG
白薔薇:瞳子、祐巳、由乃でクリア。名前の出ないその他大勢はノーカウントw
黄薔薇:たぶんアウトでしょう。