【3832】 胸一杯の愛を封印解除!よろしくね  (bqex 2014-12-19 00:01:31)


【2014〜2015短編祭企画目録】


 四月もそろそろ終わりというある日の放課後、松平瞳子は二年桜組の教室で華道部員に混じって花を生けていた。
 今日はサプライズで有馬菜々ちゃんの歓迎会を薔薇の館で行うことになっていて、そこに飾るための花を用意しようと思った時、今各部が体験入部を行っているのに思い当り、いい機会とばかりにお願いして、混ぜてもらったのだ。
 季節の花、ライラックをメインに生けていく。あと一本というところで不意に呼ばれた。

「瞳子、ヤバイ。菜々ちゃんが」

「ちょっと」

「あ」

 二条乃梨子は慌てていたらしく、ノックもそこそこに教室に入るなり本題に入ろうとしたので瞳子はそれを制し、最後の一本を花器に挿すと一度廊下に出た。

「落ち着きなさいな。菜々ちゃんがどうしたのよ」

 菜々ちゃんは新入生だけの集まりに出ていたはずだったが、実際は部全体の会合だったようで島津由乃さまを探しに薔薇の館に現れてしまった。危うくこちらの計画がばれそうになり、由乃さまの命令で十分ほど連れまわして時間を稼げと命じられたという。

「その程度のことで何を慌てているのよ」

「話の流れで瞳子を連れてくることになっちゃってさ」

「仕方ないわね」

 一度教室の中に戻り、用事で席を外すが花は後で取りに来ると説明し、瞳子は乃梨子とともに三年松組への道すがら事情を聴く。

「なぜ私は呼ばれたの?」

「うん、菜々ちゃんを連れ出す時に由乃さまと祐巳さまが行方不明って事になって、お二人を探しに三年松組に行ったら山口真美さまが瞳子なら二年桜組にいるって言い出しちゃって」

 気まずそうに乃梨子は頭を掻いた。

「ふうん。それで十分経ったら薔薇の館に戻っていいの?」

「うん。一階の部屋に連れ込んでくれって頼まれた」

 二人で話をしていると菜々ちゃんが現れ、彼女の方から薔薇の館に戻ると言いだしたので後は演技と気づかれぬよう一階の部屋に誘導するのみ。
 花の匂いに気付くなど鋭いところもあるので慎重にかつ自然に事を進めなくては。

「ちょっと待って。何か、物音が」

 乃梨子が一階の部屋の扉の方に向かい、瞳子も後に続く。菜々ちゃんが追ってきているのを足音で確認しながら扉の前に集まる。
 打ち合わせなしなのか乃梨子は恐る恐るドアノブを回し扉を開ける。
 電気つけます、と菜々ちゃんが電気をつけるとそこには紅と黄の薔薇さま二人がこんなことが書いてあるパネルを持ってしゃがんでいた。





2014〜2015短編祭

★企画内容

【短編祭り参加作品】と本文冒頭に書いて未発表の一話完結の短編を投稿するだけです。
シリーズものでも何でも投稿した一話で完結していれば一話完結ということにします。

・がちゃがちゃSS掲示板の規約は厳守が鉄則です。

・特に参加表明は必要ないので飛び入り歓迎です。

・期間中なら何本投稿してもOKです。できるだけ期間内での投稿をお願いします。

・通常の投稿や連載を邪魔したり自粛を求めたりするものではありません。利用者同士の交流や同好の士と盛り上がることが目的です。

・「マリア様がみてる」に関係する内容のものに限定します。キャラが一人でも出てたり、設定や舞台が作中のものならOKなのでオリジナル、クロスオーバーはいつもの注意書きがあれば大丈夫です。


-----期間とテーマ-----

★投稿期間
2014年12月28日から2015年1月11日までの約2週間

★テーマ
「写真」

★キーを三つ引いて組み合わせてテーマで書くだけじゃつまんないなーという猛者の方への『シバリ』:

 紅薔薇コース『原作本のサブタイトルを本文に入れる』

 白薔薇コース『登場人物は三人までにする』

 黄薔薇コース『2000文字以内にする』


-----どうしても開催期間内に投稿できない方へ-----

 期間中都合が悪くて投稿出来ないなど止むを得ない事情で期間前に投稿する場合は冒頭に【短編祭りフライング作品】と加えてくだされば閉会式SSに参加出来ることにします。
 また、遅刻の場合も閉会式SSで触れられたり、追記されたりしているので頑張ってみましょう。


-----質問・問い合わせなど------

企画責任者はbqexです。
がちゃがちゃSS掲示板をお借りしているだけなのでこちらの管理人さまではなく、bqexにメールするか、こちらの交流掲示板に書き込むかしてください。





「さ、お姉さま。告知は終わったので剣道部の会合に行きましょう」

 菜々ちゃんが手を取ると由乃さまは慌てた。

「ちょ、ちょ、ちょっと待ってよ。なんでそうなるの?」

「だって。それ全然剣道部の会合サボっていい理由じゃないですよね。例えば水の吹き出る水道管を握って薔薇の館を守っていたとかならまだ騙されるかもしれませんけど、こんなパネル立てかけてあるの、野良猫が読み上げる程度でいいじゃないですか」

「そ、それは、その……」

「ロサ・ロサ・ギガ・ギガ・ギガンティア〜!! 水よ、吹き出ろ〜」

 通りすがりの魔法少女志摩子がロザリオを振るとパネルから瀑布のごとく水が噴き出た。

「うわ〜っ!! なんじゃこりゃあ!!」

「絶対皆さんの脳内にドリフの『盆回り』(コント終了時の曲)が流れてるよ」

「やめて〜」

 五人は大量の水のせいで薔薇の館の外に押し流された。
 皆さんは短編祭の外に流されないでね!


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