【3845】 やっぱいい今度でパエリアのフィールド  (bqex 2015-01-12 00:14:59)


【短編祭り閉幕宣言SS】
【企画目録→【No:3832】】
【ネタバレ注意】
【反省会会場】
【遅刻を待つSS】
【パエリアキー削除希望】
【オデコの子かわいそう】
【やっぱり入る修正】


 小笠原祥子と支倉令が一礼する。

「えー、今回ちょっと時期がずれましたが、短編祭りが無事終了しました。参加の皆さま、本当にありがとうございました。また、場所を提供してくださった、管理人さま、お運びいただいた読者の皆さまにも改めて感謝申し上げます」

 ――バシン!!

 令が挨拶を終えると、無言で祥子は机を叩いた。

「ちょっと祥子、蚊が出たならもうちょっと穏やかに――」

「こんな時期に蚊が出るわけないでしょう! 私が怒っているのは現時点で私が登場するSSが上がっていないという事よ! そうよ、時期が悪すぎるのだわ! 私のファンが活躍できる時期に次回は設定させましょう!」

 祥子のファンは活動時期が決まっているのか、と令は心の中で突っ込んだ。

「まあまあ。進行している間に来るかもしれないから。それでは、ネタバレしながら振り返っていきましょう」

 ――バシン!!

 令が進行すると、無言で祥子は机を叩いた。


『ずっと一緒にいて薔薇の館の二階で』【No:3834】
作者:bqex クリアシバリ:白薔薇、黄薔薇

「書いた本人からのコメント『がちゃS100本目が乃梨子主役だったので200本目は蓉子を出したかった。写真なので蔦子を出したら祥子の出る幕なく終わってしまった。仕方ないね』だそうです」

「なぜそこで終わらせるのよ! 膨らませなさいよ!」

 バシンバシンと机を叩く音がこだまする。

「次いきましょう」


『封印解除!善悪の判断が麻痺して密かな楽しみ』【No:3835】
作者:紫豆腐 クリアシバリ:白薔薇、黄薔薇

「自重を知らない乃梨子ちゃんのお話でした。二次創作の乃梨子ちゃんって鼻から姉妹愛噴きだしたり、自分のお姉さまを襲ったりと自重知らずですが、まあ、その路線です。写真編集技術が恐ろしく磨かれることでしょう」

「発想がおかしすぎるわ。これ犯罪じゃないの」

「そこはSSですから」

 ――バシン!!

 無言で祥子は机を叩いた。

「はい、次ですね」


『鬼屋敷桃実一日デートプリーツを乱し』【No:3836】
作者:千早 クリアシバリ:白薔薇

「相変わらず祐瞳の強い掲示板ですね」

「(バシン)祐巳の(バシン)下着姿を(バシン)見た上に(バシン)プリントして(バシン)広めてる(バシバシン)ですって!?(バシバシバシバシン)」

 そんなにバシバシ机叩いて手は痛くないのかな、と令はちょっと不安になった。

「盗撮犯は直ちに名乗り出てネガもしくは記録媒体を提出しなさい! このSS終了までなら見逃してもよくってよ!」

 あ、没収して楽しむ気なんだ、と令はため息をついた。

「次いきますね」


『元気一杯ラブ注入で悩み多き属性が違う』【No:3837】
作者:紫豆腐 クリアシバリ:白薔薇、黄薔薇

「意外と来なかった蔦笙です。テーマ発表後に『今回は蔦子さん無双回かな』とも思ったのですが、そうでもなかったですね。いい話でした」

「さっきの変態淑女乃梨子ちゃんと同じ作者とは思えないわね。一体どうしちゃったのかしら」

「いつも変態の話書いてるみたいないい方しない! 出してくれなかったからって作者に八つ当たりしちゃ駄目っ!」

 ――バシン!!

 令がたしなめるとまた無言で机が叩かれる。
 それって進行の合図なの? と令は思ったが先に進めることにした。


『妹はいつかきっと想いは募る』【No:3838】
作者:ものくろめ クリアシバリ:白薔薇、黄薔薇

「祐瞳でにやにやものかと思ったらおやっとさせて、うふふな展開に。ぴったり2000文字でしっかり起承転結があって展開がむりじゃないという理想的なSSです。勉強になりました」

「後半のは令の台詞ではなくって書いている人の台詞でしょう?」

「まあ、そこは流して。序盤の写真の取り合いで実写版の祐巳ちゃんと蔦子さんのシーン思い出したよ」

「ああ、あなたが空気のようだった実写映画ね」

 どよん、と令は落ち込み。

「次」

 とだけ言った。


『玄米茶繋いだ手手を繋いでいる間を』【No:3840】
作者:桜庭 優 クリアシバリ:紅薔薇、白薔薇、黄薔薇

「祐瞳は今年も強かったですね。3つ並んだキーに合わせて短編書くだけじゃつまらないという人のために用意していたシバリですが、皆さん結構クリアしてきますね。設定当初は『黄薔薇は厳しい』なんて声もあったんですけど。これも一種のレベルアップなのでしょうか」

 しーん。
 おや、と思い令が見るとそこにはお先真っ暗というように落ち込んだ祥子がいた。

「キスしてるなら『百合注意』って書いてよお……ああ、祐巳祐巳祐巳祐巳祐巳祐巳祐巳祐巳……」

「と、とにかく落ち着こう!」

 しばらく休憩をはさみ、祥子が落ち着いたところで再開となった。


『叩きつけてやるになって焦る元気爆発』【No:3841】
作者:千早 クリアシバリ:紅薔薇、白薔薇、黄薔薇

 ――バシバシバシバシン!!!

「立ち直ったところにデジャヴがあああああっ!」

「あ、この作品も祐瞳で甘々だった……」

 今度は暴れた。机を叩きまくり、引きちぎられたハンカチはブリザードのように吹き荒れ、祥子は青菜に塩の後ロードローラで引かれたごとく萎れてしまった。それだけ甘々だった。
 そして、閉会式収録は完全に仕切り直しとなった。


『あなたが消えた場所』【No:3842】
作者:琴吹 邑 クリアシバリ:紅薔薇、白薔薇、黄薔薇

「シリアス聖さまの登場です。他の登場人物は登場しているようで登場していないというお話でした。『いばらの森』で例の話を由乃と祐巳ちゃんにしている時の聖さまが痛々しくて、『白き花びら』読むのが辛かった記憶があります」

「私は自分の出番だけチェックして『いばらの森』の単行本全編をまだ読んでません」

「祥子、出演者がそういうこと言っちゃ駄目でしょう?」

「辛い人は無理して辛い思いをせずに私と祐巳のほのぼのエピソードで心温まればいいだけでしょう!?」

 ――バシバシ

 次に進むよう求められ令は諦めて「次へ」と言った。


『あ、あれは…そんなバナナトラウマになりそう』【No:3843】
作者:紫豆腐 クリアシバリ:なし(白薔薇)

「とても面白い話で志摩子登場。今年も白薔薇ファミリーは全員登場しました」

「(バシン)わざわざそこを言う必要はなくってよ!」

「ま、まあお姉さまは名前すら登場しなかったから……」

 お姉さま、すみません。と令は心の中で詫びた。

「これは、モノローグが日記形式に過ぎないと解釈すると4人以上出てますが、志摩子が日記を書いていると解釈すれば登場人物は一人ですね。紅薔薇シバリを見落としていたらコメントで教えてください。黄薔薇は無理でした」

「無理に縛らなくていいのではなくって?」

「おお、最後にまともなコメントが。さて、ページ更新して……さあ、短編祭りもここでお開きです。次回は例年通り秋にお会いしましょう! 閉会式の進行は私支倉令と」

「小笠原祥子でお送りしました……って、本当に来ないってどういうことなのっ!!」

 ブラックアウトする中、机が倒れ、ハンカチが引き裂かれ、椅子が投げられる音がこだまするのだった。

「はい、片付けまーす」

 撤収が始まったころ。

「祥子、タグをつけ忘れたって申告があったよ」

「まあ、一体どんな作品なのかしら?」


『八割ツッコミそれに耐える健気な折れない気持ちが大切』【No:3844】
作者:紫豆腐 クリアシバリ:白薔薇

「新聞部の真美さん、三奈子さん、通りすがりの桂さんによる少し真面目ないい話……ダッタノニナーという終わり方です。三奈子さんは本当に笑いを取りに来るのがうまいなあ」

 ――ドンガラガラガッシャーン!

 片付けられたばかりの机がひっくり返される。

「読んだとき『タグないなー。違うのかなー』とは思ったんですけどね。美味しいなあ。それでは皆さま、ごきげんよう!」

 令は気づかなかった。背後に祥子が投げた椅子が迫ってくることを。

 ……終わる、のか?


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